AIマスタリングはどこまで任せられる?|Ozoneの「おまかせ」を毎回少しだけ直すボカロPが、smart:limit・LANDR・FASTER MASTERと比べた

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Ozone の Master Assistant が組んだ Imager の設定を、私はいつもゼロに近づけて戻しています。

曲のトラックの側で、広がりのオートメーションをもう書いているからです。

 

AI マスタリングのプラグインは、曲を聞かせると、EQ や音量の上げ方などの設定を自動で組んでくれる道具です。

ただ、私の使い方は「全部任せる」でも「全部自分で」でもありません。

 

任せきりにしている所と、毎回手で直す所が、はっきり分かれています。

結論から書くと、時間がない人と、初心者ボカロPは、AI に任せてよいと思っています。

 

この記事では、使っている Ozone の線引きを先に書き、動画で見た smart:limit と LANDR、前に調べた FASTER MASTER を同じ物差しで並べます。

 

iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →

 

4つのAIマスタリングを「任せる所」と「触る所」で比べる

まずは全体を1つの表にしました。

Ozone は私が持っていて毎回使っているもの、ほかの3つは公式の説明と動画で確かめたものです。

 

項目Ozone(Master Assistant)smart:limitLANDR Mastering Plugin PROFASTER MASTERAIが決めることジャンルに合わせて、EQ・Maximizer などのモジュールの組み合わせと設定リミッターの設定(ジャンルのプロファイルか参考曲を選ぶと数秒で決まる)曲を解析して、Warm・Balanced・Open の3つの仕上がりを出す曲の解析とプリセットを土台にした、5つのタブの設定自分で触れる所モジュールごとの設定、モジュールを足す・外すStyle(柔らかい・硬い)やサチュレーションなどEQ・コンプ・サチュレーション・音量・Presence・ディエッサー・広がりEQ・TRANSIENTS・COMPRESS・STEREO・LIMIT受け持つ範囲マスタリング全体(モジュールを1つずつ別のトラックにも挿せる)最後の音圧と、音量のメーターだけマスタリング全体マスタリング全体(簡易的)私の立場持っている・毎回使う未所持・動画を見た未所持・動画を見ていちばん気になった未所持・自分はいらない

 

大きく分けると、smart:limit だけが「最後の音圧」専用で、残りの3つはマスタリング全体を受け持ちます。

全体を受け持つものの中でも、あとから自分で触れる所の多さに差があります。

 

Ozoneで、AIに任せきりにしている所

私のマスタリングは、毎回 Master Assistant から始まります。

ジャンルを選んで曲を読み込ませると、EQ や Maximizer などのモジュールを組んで、設定まで入れてくれます。

 

OzoneのMaster Assistant画面。ジャンルを選ぶとEQとMaximizerのカーブが提案され、右側にVocal BalanceとExtrasのつまみが並ぶ

 

その中で、AI が判定した Dynamic EQ には手を付けません。

Dynamic EQ は、音量に反応して自動で上下する EQ です。

 

OzoneのDynamic EQモジュール。4つのバンドが音量に反応して上下に動いている

 

最後の Maximizer も、触るのは天井(出力の上限)を -1 にする所だけです。

音圧の上げ方そのものは、AI に任せています。

 

Master Assistant の流れは、iZotope 公式の動画が分かりやすいです。

 

Ozoneで、毎回手で直す所は4つ

Master Assistant が選ぶモジュールは、どの曲でもだいたい同じ顔ぶれになります。

そこで、足りないと感じる要素は、自分でモジュールを足して補っています。

 

直す所は、次の4つです。

 

EQ:ミッドとサイドに分けて削る

Equalizer は、真ん中の音(ミッド)と左右に広がる音(サイド)に分けてから調整します。

上げるより、削る方向で整えることが多いです。

 

OzoneのEqualizerモジュールをMid/Sideに切り替えた画面

 

Low End Focus:削ったあとで低域を少し上げる

低域は、Low End Focus で少し持ち上げることが多いです。

EQ で低域はいじらずに、Low End Focus で低域を上げるという分担にしています。

 

OzoneのLow End Focusモジュールの画面

 

Vintage Tape:最後に少しだけテープ感

仕上げに Vintage Tape を足して、テープに録ったような質感を少しだけ入れます。

Master Assistant が組んだものに、私が自分で足しますね。

 

Imager:AIの広がりをゼロに近づける

冒頭に書いたとおり、Imager は AI の設定のままだと、私の曲では的外れになります。

トラックの側で、コード楽器やボーカルの広がりのオートメーションをもう書いているからです。

 

OzoneのImagerモジュール。帯域ごとにステレオの広がりを操作するスライダーが並ぶ

 

そのため、Imager はゼロに近づくように微調整して戻しています。

上記画像は、基本設定であり、このあと0に近づけます。

 

Ozone を Logic で使うときの順番と、それぞれの画面は、こちらにまとめました。

Ozone を Logic で使う手順|Master Assistant に任せて、自分で変えるのは天井の -1 だけ。ボカロPのマスタリングの流れ

 

smart:limitは、音圧だけを任せる道具

sonible の smart:limit は、名前のとおりリミッターです。

曲を聞かせると、ジャンルのプロファイルか、読み込ませた参考曲をもとに、リミッターの設定を数秒で決めてくれます。

 

Plugin Boutiqueのsonible smart:limitの商品ページ(2026年10月24日時点で¥22,480)

 

音量の目安(LUFS)やピークのメーターが付いていて、配信先ごとの目安に収まっているかも教えてくれます。

Style のつまみで、柔らかいかけ方と硬いかけ方の間を選ぶこともできます。

 

動画を見た印象では、Ozone と比べてマキシマイザーだけの、とてもシンプルな道具でした。

EQ や広がりまで任せる道具ではないので、音圧だけを管理したい人なら、これで足りると思います。

 

sonible 公式の動画です。

 

sonible smart:limit を Plugin Boutique で見る →

 

LANDRは、動画を見ていちばん気になった

LANDR Mastering Plugin は、オンラインの AI マスタリングで知られる LANDR を、Logic などで挿せるプラグインにしたものです。

曲を解析すると、Warm・Balanced・Open の3つの仕上がりを出してくれるので、そこから選びます。

 

Plugin BoutiqueのLANDR Mastering Plugin PROの商品ページ(2026年10月24日時点で¥24,668)

 

PRO 版は、選んだあとに EQ・コンプ・サチュレーション・音量・Presence・ディエッサー・広がりを自分で直せます。

つまみを減らした SE 版もあります。

 

動画では、マスタリングしながら、声のあたりの存在感(Presence)をどうするかを触る場面が出ていました。

 

Ozone 自体は、買ってよかったと思っています。

ただ、Master Assistant に任せたときの変わり方は、私の想像を超えてはきませんでした。

 

だからこそ、今は Ozone よりも LANDR のほうが気になっています。

使ったことはないので良し悪しは言えませんが、AI としてどこまでやってくれるのかは、とても知りたい所です。

 

LANDR 公式の動画です。

 

LANDR Mastering Plugin PRO を Plugin Boutique で見る →

 

FASTER MASTERは、Ozoneを簡単にした形

Mastering The Mix の FASTER MASTER は、解析とプリセットを土台に、5つのタブで整えるマスタリングのプラグインです。

私の印象は、Ozone をもっと簡単にしたものでした。

 

FASTER MASTERの画面。上に解析とプリセットの円、下にEQのカーブ。EQ・TRANSIENTS・COMPRESS・STEREO・LIMITの5つのタブで切り替える(Mastering The Mix 公式)

 

できることは Ozone より少ないので、Ozone がある私には要りません。

それでも、マスタリングのプラグインをまだ持っていない人や、Ozone Advanced までは手が出ない人が、簡単に仕上げるなら選択肢になります。

 

セールの時期と値動きは、FASTER MASTER のセールの記事にまとめています。

Mastering The Mix 公式の使い方の動画です。

 

 

Mastering The Mix FASTER MASTER を Plugin Boutique で見る →

 

任せていいかは「時間」で決める

AI に任せるか、手で触るかを分けるのは、時間の問題だと思っています。

時間がない人は、AI にほとんど任せて、そのまま使ってもいいです。

 

一方で、音楽一本で食べていきたい人は、自分の手でできたほうがいいと思います。

 

初心者ボカロPなら、最初は AI に任せて、どう組んだのかを見て学んでいくのも一つの手です。

AI がどんなふうに組むのかを見ながら、やり方を理解していけます。

 

Ozone でかなりいいと思うのは、モジュールを1つずつ別のプラグインとして挿せる所です。

マスタリング以外にも、ボーカルや楽器のトラックで使えるのはかなり便利です。

 

段階ごとにどのマスタリングのプラグインを選ぶかは、マスタリングのプラグインの選び方に書きました。

 

まとめ:任せきりにする所を決めると、手を入れる所が見える

AI マスタリングは、全部を任せるか全部を自分でやるかで考えなくて大丈夫です。

私は Dynamic EQ と音圧の上げ方は任せ、EQ・低域・テープ感・広がりの4つだけ手で直しています。

 

初心者の人と、時間のない社会人の作曲家は、AI で時短するか、学びに使えば十分です。

私も、任せたあとで合わない所だけを手で直す形に落ち着いています。

 

AI に組ませて時短しつつ、モジュールをボーカルや楽器にも使いたい人に。

iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →

 

EQ や広がりは自分で決めて、最後の音圧だけを任せたい人に。

sonible smart:limit を Plugin Boutique で見る →

 

マスタリングのプラグインをまだ持っておらず、簡単に仕上げたい人に。

Mastering The Mix FASTER MASTER を Plugin Boutique で見る →

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