Trackspacerは要る?|Pro-Q 4のダイナミックEQで歌の居場所を作っているボカロPが「自分にはいらない」と考える理由

本記事はアフィリエイトプログラム(Plugin Boutique 等)を利用しています。リンク経由の購入で売上の一部が当サイトに還元されますが、価格は変わりません。

 

Trackspacer の最初の版が出たのは、2012年11月です。

いまの 2.5 は2018年に作り直された版で、それから小さな更新が続いています。

 

中身は、ボーカルが鳴っている間だけ、伴奏の同じ帯域を自動で下げてくれるプラグインです。

Plugin Boutique では、1万件を超える評価が付いている製品です。

 

私はこの製品を、今回調べるまで知りませんでした。

そして、同じことをすでに Pro-Q 4 のダイナミック EQ でやっているので、自分には足りていると考えています。

 

この記事では、私が普段どうやって歌の居場所を作っているかと、動画で見た Trackspacer を並べて、どんな人なら選択肢になるかを書きます。

 

Wavesfactory Trackspacer を Plugin Boutique で見る →

 

Trackspacer はどんなプラグインか

Trackspacer は、伴奏のトラックに挿して、ボーカルなど別のトラックの音を「合図」として受け取るプラグインです。

この合図の受け取り方を、サイドチェーンと呼びます。

 

公式の説明では、合図の音を解析して、その音とは逆の形の EQ を伴奏にかけます。

中では 32 バンドの EQ が動いていて、歌が強い帯域ほど伴奏が下がる、という仕組みです。

 

Wavesfactory公式サイトのTrackspacer。中央のAMOUNT、左右のLOW-CUT・HIGH-CUT、左上のFREEZEが並ぶ(公式サイトより)

 

画面で触るのは、真ん中の大きな AMOUNT(どれだけ下げるか)と、左右の LOW-CUT・HIGH-CUT(どの範囲だけ効かせるか)です。

公式によると、詳細のパネルを開けば、左右・Mid・Side のどこに効かせるかや、Attack・Release も決められます。

 

版の流れは、Wavesfactory 公式の変更履歴と Bedroom Producers Blog によると次のとおりです。

  • 2012年11月:最初の Trackspacer
  • 2013年6月:2.0(AAX と Mid/Side に対応)
  • 2018年5月:2.5(一から作り直し)
  • 2023年:2.5.10(Apple Silicon の AAX に対応)

 

私はボーカルをきっかけに、Pro-Q 4 で伴奏の中域を削っている

私がボーカルを前に出したいときは、コード楽器をまとめたバスに Pro-Q 4 を挿しています。

右上のサイドチェーンにボーカルのトラックを選び、歌っている間だけ中域が下がるダイナミック EQ にしています。

 

FabFilter Pro-Q 4 をコード楽器のバスに挿し、ボーカルをサイドチェインにして中域が歌の間だけ下がるダイナミックEQ

 

最初はコンプで同じことをしようとして、かかりすぎて、ちょうどいい加減が分かりませんでした。

ダイナミック EQ に変えてからは、削る帯域を決められるので、落ち着いています。

 

サイドチェインの説明図。きっかけ(ボーカルの音・キックのMIDI)が、下げる側(コードのバスのPro-Q 4・ベースのShaperBox 3)に合図として届き、歌っている間だけミッドを、キックの瞬間だけベースを下げる

 

Logic でのつなぎ方は、サイドチェインのやり方の記事に、画面つきでまとめています。

Logicのサイドチェインのやり方|コンプでかけすぎていたボカロPが、ダイナミックEQとShaperBoxに落ち着いた2つの使い道

 

動画で見た Trackspacer は「やることは同じ」だった

Plugin Boutique の公式動画で、Trackspacer の使い方を見てみました。

 

 

見終わって最初に思ったのは、用途は私の Pro-Q 4 の使い方と同じだ、ということです。

ボーカルを合図に伴奏を下げる、という狙いはまったく変わりません。

 

一方で、動画の画面や見せ方には、少し古い時代の道具という印象を持ちました。

動画を見た限りでは、効いている差を自分の耳ではっきりつかむところまでは分かりませんでした。

 

これは動画を見ての感想で、自分の曲で試したわけではありません。

効き目そのものは、体験版を自分の曲に挿して確かめるのがいちばん確実です。

 

Trackspacer と Pro-Q 4 のダイナミック EQ の違い

2つの違いは、どこを下げるかを「プラグインが決める」か「自分で決める」かです。

公式の説明と、私の Pro-Q 4 の使い方をもとに並べると、こうなります。

 

項目TrackspacerPro-Q 4 のダイナミック EQやること歌が鳴る間だけ伴奏を下げる歌が鳴る間だけ伴奏を下げるどこを下げるか歌の形に合わせて32バンドが自動で決める自分で帯域を選んで決める主に触る所AMOUNT と LOW-CUT・HIGH-CUT帯域・幅・下げる量・サイドチェーンほかの使い道伴奏の場所作りが中心普段の EQ としても使える体験版ありあり

 

Pro-Q 4 では、下げる帯域を自分で選んでダイナミックバンドにします。

下の画面は、ピアノの耳につく帯域に、ダイナミックバンドを1つ入れたところです。

 

ピアノの耳につく帯域に Pro-Q 4 のダイナミックバンドを1つ入れた状態

 

Trackspacer はノブを回すだけで済む手軽さがあり、Pro-Q 4 はふだんの EQ と兼ねられるのが強みです。

すでに Pro-Q 4 を持っているなら、Trackspacer を足して増える機能はあまりない、というのが私の見方です。

 

Pro-Q 4 自体の使い方は、Pro-Q 4 の使い方の記事にまとめています。

 

1万円なら、私は買わない

Plugin Boutique の Trackspacer は、ふだんは1万円ほどです。

私にとっては、すでにできることのために払うには高い金額です。

 

動画で見た印象としても、作りの新しさや性能に、この値段を上回る魅力は感じませんでした。

なので、私は Trackspacer を勧める側には立ちません。

 

Plugin BoutiqueのTrackspacer商品ページ(2026年10月24日時点で¥10,280)

 

ダイナミック EQ が無くて、歌が埋もれる人には選択肢

ただ、ダイナミック EQ をまだ持っておらず、自分のボカロのボーカルがどうしても伴奏に埋もれてしまう人には、買う価値はあるかもしれないと思います。

公式の説明どおり、ノブ1つから始められる手軽さもあります。

 

その場合も、似た役目のプラグインはほかにもあるので、買う前によく比べてください。

とくに長く売られている製品は、自分の Mac と DAW で今も問題なく動くかを先に確かめておくと安心です。

 

買う前に確かめたいことは、次の3つです。

  • Plugin Boutique に体験版(Free Trial)があるので、自分の曲で効き方を聞く
  • 使う DAW にサイドチェーンの機能があるか(Logic にはあります)
  • 半額まで下がったことがあるので、急がないならセールを待つ

 

過去のセール(海外の記事で確かめられたもの)

  • 2025年12月:Plugin Boutique で $29(通常 $59・50%オフ・12月31日まで)(出典:Bedroom Producers Blog)

 

まとめ:歌の居場所作りは、手元の EQ で足りるかを先に見る

Trackspacer は、ボーカルを合図に伴奏を下げる、という一つの仕事に絞ったプラグインです。

私は同じことを Pro-Q 4 のダイナミック EQ でしているので、自分には要らないと判断しました。

 

ダイナミック EQ を持っていて、サイドチェーンの設定ができるなら、まずはそれで試してみてください。

持っていない人や、ノブ1つで済ませたい人は、体験版で比べてから決めれば十分です。

 

ダイナミック EQ を持っておらず、ボカロのボーカルが伴奏に埋もれてしまう人に。

Wavesfactory Trackspacer を Plugin Boutique で見る →

 

削る帯域を自分で決めながら、ふだんの EQ としても1本で済ませたい人に。

FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →

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