実物のアンプの音を、AI で「写し取って」プラグインにする。
IK Multimedia の TONEX は、そういう仕組みのソフトです。
TONEX の中に入っているのは、本物のアンプやエフェクターを鳴らして録った音から作った「Tone Model」という音のデータです。
それを選んでギターの音を通すと、写し取ったアンプで鳴らしたような音になります。
上位版の TONEX MAX には、Plugin Boutique の説明で1,100の Tone Model(アンプ100台・ペダル50台分)が入っています。
自分の持っているアンプを写し取る機能もついています。
私は TONEX を持っていませんし、ギターも打ち込みの音源で作っています。
それでも公式の動画を見て、仕組みとしてはすごく便利そうだと感じました。
この記事では、打ち込みでギターを作るボカロPに TONEX MAX が要るのか、AmpliTube 5 との違い、Upgrade を買える人の条件、過去のセールを順にまとめます。
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TONEX は「写した音」を選んで鳴らすアンプ
ふつうのアンプシミュは、メーカーがアンプの回路や特性をまねて作った音を鳴らします。
TONEX は、実機を鳴らした音から AI が学んで作った Tone Model を鳴らすところが違います。
画面では、アンプやペダルの写真がカードのように並び、左側でギター・ベース、クリーン・ドライブといった種類で絞り込めます。

Tone Model の上には、ノイズゲート・コンプ・リバーブなどのエフェクトの枠も並んでいます。
Plugin Boutique の説明では、エフェクトは15種類で、アンプの前にも後ろにも置けます。
もう1つの柱が、自分の機材を写し取る「Modeler」です。
手持ちのアンプやペダルに専用の音を通して録り、段階を進めていくと、数分ほどで Tone Model ができあがります。

作った Tone Model は、IK の共有サイト ToneNET にあげたり、ほかの人が作ったものを落としたりできます。
実機のアンプを持っていない人でも、ToneNET の音を選んで使うことはできます。
動画を見た印象は「音の好み」より「仕組み」
TONEX の動画を見て、まず思ったのは結構いいということでした。
ペダルもアンプも種類がたくさんあって、画面も非常に使いやすそうに見えます。
正直に言うと、動画で鳴っていた音は、私の好きな音とは少し違いました。
それでも、いろいろな機材を選んで組める仕組みは便利そうで、実機の再現もきちんとされているのだろうと感じています。
この動画は、新しい TONEX の画面を紹介したものです。
検索で目当ての音を探しやすくなったり、つまみの操作や機材の並べ方が分かりやすくなったりしているところが、私は気になりました。
打ち込みのギターに、TONEX は要る?
TONEX という名前は、最近まで知りませんでした。
ギターを録らずに音源で曲を作っている私の立場だと、使い道は正直あるのかなと思ったのが最初の感想です。
TONEX がいちばん生きるのは、ギターを実機で弾いて録る人だと思います。
Modeler で自分のアンプを写せるのも、実機を持っている人ならではの使い方です。
一方で、TONEX はプラグインとして DAW のトラックに挿すアンプでもあります。
打ち込みのクリーンなギターの音に通すアンプとしてなら、使い道はありそうです。
私が使っている Ample Guitar には、アンプが最初から入っています。

Ample のギターは音源として優秀で、このアンプでも十分に使えます。
ただ、アンプの音までこだわりたい人は、専用のアンプがあった方がいいと思っています。
つまり打ち込み派なら、「今の音源のアンプで足りているか」が分かれ目です。
足りていれば急がなくていいですし、もっと詰めたくなったら TONEX のようなアンプが候補に入ってきます。
アンプシミュ全体の選び方は、アンプシミュの選び方にまとめています。
AmpliTube 5 と TONEX の違い
同じ IK のアンプシミュに、AmpliTube 5 があります。
どちらも持っていない私が両方の動画を見た印象では、なんとなく TONEX の方が好きで、画面も TONEX の方が使いやすそうに感じました。
ただ、2つは得意なことが違うので、中身を並べておきます。
| 項目 | TONEX MAX | AmpliTube 5 |
|---|---|---|
| 音の作り方 | 実機を AI で写した Tone Model を選んで鳴らす | IK が作ったペダル・アンプ・キャビネットを並べて組む |
| 入っている数 | Tone Model 1,100(アンプ100・ペダル50) | 183の機材(ストンプ46・アンプ35 ほか) |
| エフェクト | 15種類をアンプの前後に | ストンプやラックの機材として多数 |
| 自分の機材を写す | できる(Modeler) | 単体ではできない(TONEX の Tone Model は読み込める) |
| Plugin Boutique の通常価格 | ¥52,290 | ¥34,680 |
AmpliTube 5 は、ペダルを何個もつないだり、信号を枝分かれさせたりして、機材を組むこと自体を楽しむタイプです。

TONEX は、出来上がったアンプの音を選んで、すぐ鳴らすタイプです。
いろいろな機材を組みたいなら AmpliTube 5、写した実機の音を選びたいなら TONEX、と考えると分かりやすいと思います。
2つは別々の製品ですが、組み合わせることもできます。
TONEX の Tone Model は、AmpliTube 5 の中でもアンプやペダルの1つとして並べられます。

AmpliTube 5 の中身と値動きは、こちらにまとめています。
AmpliTube 5のセールはいつ?過去の値動きと買い時|Ampleの内蔵アンプで歪ませているボカロPが、ペダル類をうらやましく思う理由
Upgrade は「持っている人」だけの買い物
Plugin Boutique には、TONEX MAX の本体とは別に「TONEX MAX Upgrade」が並んでいます。
Upgrade を買えるのは、TONEX SE・TONEX・TONEX Upgrade のどれかを持っている人だけです。

TONEX SE は、IK のセット製品に入っていることもあります。
たとえば TOTAL Guitar MAX には TONEX SE が入っているので、持っている人は手元を確かめてみてください。
私は持っていないので、上げるべきかどうかを判断するのは難しいです。
それでも、すでに TONEX を使っている人なら、アップグレードする価値はあると思っています。
1つ気をつけたいのは、Upgrade と本体の値段の差です。
セールの時期によっては本体の割引が大きく、Upgrade とほとんど変わらないことがあるので、買う前に2つのボタンの値段を見比べてください。
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過去のセール
TONEX は、IK 自身のセールでも Plugin Boutique のセールでも、何度も値下がりしています。
確かめられたものを並べておきます。

- 2023年4月:IK Multimedia のセールで、TONEX と AmpliTube 5 がそれぞれ $99.99(4月30日まで・Rekkerd)
- 2025年10月:Plugin Boutique で TONEX が $29.99(通常$199.99・85%オフ・10月12日まで・Bedroom Producers Blog)
- 2026年10月21日:Plugin Boutique で TONEX MAX が ¥17,422(通常¥52,290・66%オフ・11月2日まで)、TONEX MAX Upgrade も ¥17,422(通常¥34,850・50%オフ・11月2日まで)
IK はブラックフライデーにも大きなセールをする会社です。
IK のほかの製品のセールの時期は、IK Multimedia のブラックフライデーの記事にまとめています。
まとめ
TONEX MAX は、実機のアンプを AI で写し取った音を選んで鳴らせるアンプシミュです。
ギターを実機で録る人には、いちばん合うと思います。
打ち込みのギターで作る人なら、今の音源のアンプで足りているかが分かれ目です。
Ample のような音源のアンプで満足していれば急がなくていいですし、アンプの音までこだわりたくなったら候補に入れていい製品です。
ギターを実機で録る人や、音源のアンプより先までこだわりたい人に。
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TONEX SE などをすでに持っていて、上の版にしたい人に。
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写した音より、ペダルやアンプを並べて組むことを楽しみたい人に。
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