Ancient Kingdomの笛は、そのまま鳴らすと、ほかの楽器に埋もれます。
民族の笛や木管は音が細くて弱いので、オケやドラムが入った曲だと前に出てきません。
それでも私は、バイキングをテーマにした曲を作ったとき、この音源の角笛や笛をメロディにもコードにも、曲の全体に入れました。
埋もれるところは、別の木管を重ねて厚みを出す。
足りない弦の楽器は、別の音源で補う。
この記事では、Ancient Kingdomをボカロ曲に入れるときに、私がどの楽器を選び、どこを触り、どう埋もれないようにしているかを順番にまとめます。
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Ancient Kingdomは、世界の笛と角笛を集めたOpusの音源
Ancient Kingdomは、EastWestの民族の管楽器の音源です。
奏者のSaulius Petreikisさんが集めた、世界各地の珍しい笛や角笛が入っていて、EastWestのOpusというプレイヤーで鳴らします。
一覧を開くと、アルメニアのDuduk、インドのBansuri、尺八のほか、Goathorn(ヤギの角笛)、Viking Lur、Viking War Horn、Native American Fluteといった楽器が並びます。

左の列で「EW Ancient Kingdom」を選び、真ん中の列から楽器を選んで「Add」で読み込みます。
楽器ごとの音の違いや、私がこの音源を選んだ理由は、レビューの記事に書いています。
手順1:角笛と笛を、楽器ごとに別のトラックで立てる
バイキングがテーマの曲で使ったのは、バイキングの角笛(ホルン)とViking Lur、それにNative American Fluteです。

画面のとおり、goat horn・warhorn・Lur hornは、それぞれ別のトラックにOpusを立てて読み込んでいます。
入れた場所は、メロディだけではありません。
メロディにもコードにも、複合的に入れました。
バイキングがテーマの曲だったので、曲の全体に入れています。
EastWestの国内代理店が出している、Ancient Kingdomで壮大なサウンドトラックを作る動画です(日本語字幕つき)。
角笛や笛をどう重ねていくかのイメージがつかみやすいと思います。
手順2:MoodはEPICにして、ポルタメントは触らない
楽器を読み込んだら、PLAYタブを開きます。
左上のMOODには、SOFT・CLASSIC・EPICの3つがあります。

この画面ではCLASSICが点いていますが、私はEPICが好きなので、EPICにすることが多いです。
その下のPERFORMANCEには、PORTAMENTO・LEGATO・REPETITIONのボタンがあります。
私はポルタメントは特にいじりません。

AUTOMATIONタブを開くと、ポルタメントはCC65、レガートはCC68に割り当てられているのが分かります。
PERFORMANCEのボタンを押さなくても、MIDIのCCを送ると切り替わる仕組みです。
手順3:しゃくりとフォールは、アーティキュレーションで入れる
音の頭をしゃくり上げたり、語尾を落としたりしたいときは、ポルタメントではなくアーティキュレーション(奏法の切り替え)で入れています。

楽器名に「KS Master」と付いたパッチは、鍵盤の低いところ(キースイッチ)で奏法を切り替えるタイプです。
例えばこのDudukなら、ARTICULATIONSタブにBend Slow・Bend Med・Bend Fastといったベンドの奏法が並び、それぞれC0〜A#0の鍵盤に割り当てられています。
ピアノロールで、表情を付けたい音の直前にそのキースイッチの音を置くと、そこから奏法が切り替わります。
手順4:笛が埋もれたら、別の木管を重ねて厚みを出す
民族の笛をボカロ曲に入れて、いちばん困ったのが音が埋もれることです。
Ancient Kingdomに限らず、民族の笛や木管は音が弱く、オケやドラム、ボカロの声が重なると聞こえなくなることがよくありました。
そういうときは、別の木管系の音を重ねて、ちょっと厚みを出しています。
民族の笛だけでは細い音に、もう1本木管を足して支えるやり方です。
手順5:足りない弦の楽器は、Gypsyなど別の音源で補う
Ancient Kingdomはケルトの雰囲気も多少ありますが、私がイメージしていたケルトとは違いました。
特に、ギターのような弦を弾く楽器が弱いと感じました。
なので、そこは別の音源で補いました。
私が足したのは、同じEastWestのGypsyです。

Gypsyは、旅をしながら演奏する楽団の楽器を集めた音源で、バイオリンやトロンボーン、ギターなどが入っています。
私が持っている民族系の音源の中では、いちばん使い道が多いのがGypsyです。
EastWest公式のGypsyの解説動画です。
Gypsyが入ったバンドルのセールの時期は、EastWest World Instruments Bundleのセールの記事にまとめています。
まとめ:民族の笛は「1本で目立たせる」より「重ねて支える」
私がAncient Kingdomをボカロ曲に入れるときのやり方は、次のとおりです。
- 角笛(ホルン・Viking Lur)とNative American Fluteを、楽器ごとに別のトラックで立てる
- テーマがはっきりした曲では、メロディにもコードにも全体に入れる
- MoodはEPIC。ポルタメントは特にいじらない
- しゃくりとフォールは、アーティキュレーション(キースイッチ)で入れる
- 笛が埋もれたら、別の木管を重ねて厚みを出す
- ギターのような弦の楽器は、Gypsyなど別の音源で補う
民族の笛は、単体で目立たせようとすると、どうしても細く聞こえます。
ほかの音で支えてあげると、素朴な響きのまま、曲の芯として使えるようになります。
ボカロで民族系の曲をやる人は多くないので、誰にでも必要な音源ではありません。
それでも、ボカロで民族系の曲をやる人には、おすすめできる音源です。
セールの時期は、Ancient Kingdomのセールの記事にまとめています。
バイキングや北欧のような、民族系の曲で角笛や笛の音が欲しい人に。
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ジプシーやペルシャ、東アジアっぽさなど、作りたい民族の音がはっきり決まっている人に。
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