曲がスカスカに聞こえるときの直し方|原因は「真ん中が空いている」。楽器を足してから中域を削るボカロPの手順

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自分の曲を書き出して聴き直したとき、「なんだか音が薄い」と感じることがあります。

ボーカルもドラムも鳴っているのに、全体がスカスカに聞こえる状態です。

 

私もこれは結構あります。

そして、感じる原因はたいてい楽器の数です。

 

この記事では、スカスカに聞こえるときに私が何を疑い、どの順番で直しているかを書きます。

先に結論を書くと、まず楽器や音を足し、足しすぎてごちゃついたら真ん中の帯域を削る、という順番です。

 

スカスカの原因は、たいてい「真ん中(中域)」が空いていること

スカスカだと感じるとき、低い音と高い音はそれなりに鳴っていることが多いです。

ベースやキックはいるし、ハイハットやシンバルも聞こえている。

 

それでも薄く感じるのは、真ん中(中域)が足りていないからだと思っています。

コードを鳴らす楽器や、歌の周りを支える音が少ないと、上と下だけが鳴っている状態になります。

 

スカスカに聞こえる曲は真ん中(中域)が空いている、というイメージ図。低い音と高い音はあるが、コード楽器や歌の周りの真ん中が少ない(説明用)

 

上の図は、説明のために作ったイメージです。

実際に測った数字ではありませんが、私がスカスカと感じるときの曲は、だいたいこの形をしています。

 

ミックスの段階で何とかしようとする前に、まず「そもそも真ん中を鳴らす楽器が足りているか」を見るようにしています。

 

直し方の基本は、楽器や音を足すこと

私の直し方は、ほとんどが楽器を足す・音を足すことです。

足りていないのは音そのものなので、ミックスでいじるより、鳴らす音を増やすほうが早く解決します。

 

Logicのトラック一覧。ボーカル合いの手・掛け声・ピアノ・ギター・ベース・シンセhornsとパートごとにスタックにまとめ、閉じて並べている

 

これは私の曲のトラックを、パートごとにまとめて並べた画面です。

ピアノ・ギター・シンセのように、コードを鳴らす楽器がいくつも重なっています。

 

スカスカに聞こえる曲は、この重なりが少ないことが多いです。

足りない真ん中は、楽器や音を重ねて埋めていきます。

 

「音が薄い」と調べると、サチュレーションで倍音を足す方法もよく出てきます。

ただ、私の場合は、スカスカをサチュレーションで直せたところはあまりありません。

 

なので、薄いと感じたら、エフェクトを探す前に楽器の数を見直すようにしています。

サチュレーションそのものの使いどころは、サチュレーションの記事にまとめています。

 

足しすぎると、今度はこもる・ごちゃつく

楽器を足していくと、次に出てくるのが「こもる」「ごちゃつく」という問題です。

これは私も、たくさん経験してきました。

 

スカスカを直そうとして重ねた楽器が、真ん中でぶつかり合ってしまうんです。

一つひとつはいい音なのに、全部鳴らすと何が鳴っているのか分からなくなります。

 

最近は 300Hz〜1kHz あたりを削っている

なので最近は、300Hz〜1kHz ぐらいを削って、いい感じに整えることを意識しています。

足した楽器を減らすのではなく、重なりすぎた真ん中を少しずつ引く考え方です。

 

周波数の目盛りの上で、低い音・真ん中(中域)・高い音の目安と、真ん中の一部にあたる300Hz〜1kHzの削る範囲を示した図

 

300Hz〜1kHz は、周波数の目盛りで見るとこのあたりです。

ちょうど、楽器を足して埋めた「真ん中」と重なる場所です。

 

コード楽器のバスに挿した Pro-Q 4。Mid だけをワイドに削ってボーカルの居場所を作っている

 

これは、コード楽器をまとめたバスに FabFilter Pro-Q 4 を挿した画面です。

真ん中の帯域を、数dBだけ浅く広めに削っています。

 

画面の例は、楽器を1本ずつではなく、パートごとにまとめたバスで削っています。

バスへのまとめ方は、次の記事に書いています。

 

Logicのバスの使い方|パートごとにまとめてコンプを挿すボカロPが、バスを組むようになった2つの理由

 

削るだけなら、Logic 純正の Channel EQ でもできます。

ただ、私は最初、Logic の EQ では何をすればいいのか分かりませんでした。

 

Pro-Q 4 は、鳴っている音を見ながら直接カーブを描けるので、どこを削っているかが分かりやすいです。

EQ の選び方は、EQ プラグインの記事にまとめています。

 

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少し物足りなくても、ごちゃつくより洗練された音に

真ん中を削ると、せっかく埋めた部分がまた少し薄くなることがあります。

正直に言うと、削ったあとに「ちょっと足りないかも」と感じることもあります。

 

それでも最近は、ごちゃつくよりも、洗練された音にするほうを選んでいます。

少し足りないくらいでも、すっきり聞こえるほうを取る、ということです。

 

私の直し方の順番の図。①楽器・音を足して真ん中を埋める、②ごちゃついたら300Hz〜1kHzあたりを削る、③少し物足りなくても洗練させる

 

順番にすると、上の図のようになります。

まず足して埋め、多すぎたら真ん中を削る、の順番です。

 

同じ悩みを扱った動画

スカスカの悩みは、DTM をやっている人の多くが一度はぶつかるものだと思います。

DTM 講師の月岡彦穂さんも、この悩みを動画で取り上げています。

 

 

ミックスの考え方は人によって違うので、私のやり方と見比べながら、自分に合う直し方を探してみてください。

ボーカル側のミックス(EQ・コンプ・リバーブの順番など)は、ボカロのミックスの記事にまとめています。

 

まとめ:まず足す、多すぎたら真ん中を削る

  • 曲がスカスカに聞こえるのは、たいてい楽器の数が少なく、真ん中(中域)が空いているから
  • 直し方の基本は、楽器や音を足すこと。サチュレーションで直せるところはあまりない
  • 足しすぎてこもった・ごちゃついたら、300Hz〜1kHz あたりを削る
  • 少し物足りなくなっても、ごちゃつくより洗練された音のほうがいい

 

スカスカに悩んでいるなら、まずはミックスより先に、真ん中を鳴らす楽器が足りているかを見直してみてください。

特に最近のボカロ曲は、とにかく音を詰め込むスタイルが流行っているように感じています。

 

楽器を増やしてごちゃついてきたら、そこで初めて EQ で真ん中を削れば大丈夫です。

初心者で多いのが、Lowmidが混雑するところなので、そこがすっきりできれば、楽器が増えてもいい感じになります。

 

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