RC-20 Retro Color レビュー|マスターに挿してノイズで失敗した、いまは出番を選んで使うボカロPの話

本記事はアフィリエイトプログラム(Plugin Boutique 等)を利用しています。リンク経由の購入で売上の一部が当サイトに還元されますが、価格は変わりません。

 

サチュレーションまわりの音源は、Logicのサチュレーションは純正ChromaGlowで足りる?という記事で、純正ChromaGlow・RC-20・iZotope Trashの3つをまとめて紹介しました。

 

ただ、あの記事ではRC-20 Retro Color(XLN Audio)は3製品のうちの1つとして軽く触れただけだったので、ここではRC-20だけを掘り下げて書きます。

 

購入したのは、XOのレビューにも書いた作曲初期のタイミングで、XOとほぼ同時でした。

セールは待たず、定価で買っています。

 

まずは公式の紹介動画を貼っておきます。

 

実際に効いたこと:WOBBLE・MAGNETIC・SPACEで質感を作る

RC-20は、NOISE・WOBBLE・DISTORT・DIGITAL・SPACE・MAGNETICという6つのモジュールが並んだ画面で、それぞれのつまみを軽く回すだけで音の質感が変わっていきます。

RC-20 Retro Colorのメイン画面。NOISE・WOBBLE・DISTORT・DIGITAL・SPACE・MAGNETICの6モジュールとVinyl 1プリセット

 

いちばん好きなのはWOBBLEです。

音をゆらす効果で、ピッチやタイミングが微妙によれる感じが、いかにもlo-fiという雰囲気を作ってくれます。

主にピアノ系で使います。コード系の楽器と相性がいいかと思います。

 

MAGNETICも好きなモジュールで、こちらは音の角を取ってくれる感じの効きです。

きつい音を少しまろやかにしたいときに使っています。

 

SPACEは、値を上げすぎず、あえて下げ気味でかけると独特な質感が出ることに気づきました。

分かりやすい空間系エフェクトというより、ちょっと変わった空気感を足す用途で使っています。

 

実際に効いたこと:DISTORT・DIGITALでボカロっぽさを出す

RC-20 のDISTORTモジュールのタイプ選択メニュー。TubePair・IronTransformer・Crunch・Heavy・Zap・AirPressureが並ぶ

 

DISTORTとDIGITALは、ボーカルに「いかにもボカロらしい質感」を足したいときに使うモジュールです。

TubePairやIronTransformerのような真空管・アナログ系のタイプから、AirPressureのような変わり種まで揃っていて、かける量を加減すると、少し粗さや存在感が出ます。

 

DIGITALはビットクラッシュ寄りの効果で、これも量を絞って足すと、ボーカルが少し「作り込まれた声」に近づく感覚があります。

特にDIGITALは演出で使えますね。

かなり値を高めると機械っぽくて面白くなるかと思います。

 

期待したほど使えなかったところ

正直、大きな不満というほどのものはありません。

ただ、細かいところで気になった点はいくつかあります。

 

プリセットの名前が、正直わかりにくいです。

RC-20 Retro ColorのPRESET BROWSER画面。XLN Audio提供のプリセット一覧に8-Bit Lullaby・808 Crush・Afro Sheeen・Alien Broadcast・Bass Talk・Cassette Bad Batteriesなど独特な名前が並ぶ

 

プリセットブラウザを開くと、8-Bit LullabyやAlien Broadcast、Cassette Bad Batteriesのように、名前だけではどんな音か想像しにくいものがずらっと並んでいます。

結局は一つずつ選んで、耳で確かめるしかありません。

 

そのまま使えるプリセットも、あまり多くありません。

読み込んだあと、結局は自分で各モジュールの値をいじり直すことがほとんどです。

RC-20 Retro ColorでSad Pianoプリセットを読み込み、DECAYモジュールのFOCUS/STEREOを操作している画面

 

上の画像は「Sad Piano」というプリセットを読み込んだところですが、これも結局DECAYモジュールなどを自分で触っています。

そのまま使えるプリセットがもう少しあると、迷う時間が減っていいなと思います。

 

NOISEも、タイプによって主張の強さがかなり変わります。

RC-20 のNOISEモジュールのタイプ選択メニュー。Vinyl 1/2・Tape・Tube U47・DC Noise&Hum・8-bit Home Computer・Apollo Lunar Landerなどが並ぶ

 

Vinyl・Tape・Tube U47・8-bit Home Computer・Apollo Lunar Landerのように、NOISEのタイプ自体もかなり細かく分かれています。

軽くかけたつもりでも、選んだタイプによっては思ったよりノイズが目立つことがあるので、量とタイプの組み合わせには気をつけています。

 

いまの使い方:出番を選んで使う

正直に書くと、いまはRC-20を使う頻度自体は下がりました。

 

使うのは、音の角を取りたいときや、クラッシュシンバルの音が強すぎるときに通す、あとはlofi風の曲を作るとき、というように場面を選んでいます。

RC-20の使い方は、RC-20 Retro Colorの使い方の記事にまとめています。

 

一時期は、マスタートラック(ステレオアウト)にそのまま挿して、曲全体にごく微量のlofi感を足す使い方もしていました。

ただ、最後まで通して聴くと、ノイズがどうしても強めに乗ってしまって、逆に不自然に感じることが多く、いまはこのやり方はやめています。

 

いまは、iZotope Vinylともそれぞれ使い分けています。

iZotope Vinylの画面。ターンテーブルUIと年代セレクター(1930〜2000)、Dust・Scratch・Warpのスライダー

 

Vinylはレコードの質感を出しやすいのと、lofiな音も作れるので、狙いによってRC-20とVinylのどちらを挿すかを決めています。

こちらは無料ですね。

 

誰に向くか、向かないか

向いていると思う人:

  • WOBBLEやMAGNETICのような、音を軽くゆらしたり角を取ったりする質感が欲しい人
  • ボーカルにlo-fiっぽい粗さや存在感を足したい人
  • ピンポイントで音を作り込みたいときだけサチュレーション系を挿したい人

 

あまり向かない人:

  • プリセットを読み込んですぐ使いたい人 … 結局自分で値をいじることが多いです
  • レコードそのものの質感を狙いたい人 … その用途はiZotope Vinylのほうが得意な印象です
  • 劇的に再生数を増やしたい人… その場合、これじゃなくて違う要素を考えた方がいいです

 

購入するなら

私はセールを待たず、XOと同時に定価で買いました。

 

価格はサチュレーションの記事にも書きましたが、通常99ドル前後、セールでは39〜59ドルまで下がっているのを何度か見ています。

急がないなら、セールを待って損はない価格帯だと思います。

 

ただ、一ヶ月後が待てない、作曲意欲が落ちる場合は、定価で買うと機会を損失しないと思います。

 

RC-20 Retro Color を Plugin Boutique で見る →

 

Plugin Boutiqueでの買い方はPlugin Boutiqueの使い方に、買い時の全体像はDTMブラックフライデーの記事にまとめています。

 

競合は考えたか

購入時は、正直まったく比較検討していません。

 

同じ方向性で気になっていたiZotope Vinylも見てはいましたが、当時は方向性が少し違うと感じたので、結局RC-20を買いました。

その後、Vinylも別に購入して、いまは前述のとおり使い分けています。

 

まとめ

RC-20 Retro Colorは、XOと同時に、比較も特にせず買ったプラグインでした。

 

WOBBLEで揺らし、MAGNETICで角を取り、SPACEを控えめにかけて独特な質感を作り、DISTORTやDIGITALでボーカルにボカロらしさを足す。

そういうピンポイントの使い方には、いまも十分効いています。

 

一方で、プリセットへの過度な期待や、マスターに通して曲全体を仕上げるような使い方は、私には合いませんでした。

いまは出番を選んで使う、というのが正直なところです。

 

RC-20 Retro Color を Plugin Boutique で見る →

 

1曲を最後まで作る流れはまず1曲を完成させるまでに書いています。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。