一念発起してボカロPを始めたとき、曲づくりで詰まったものの一つがドラムでした(もう一つはコード)。
Logic 純正の Drummer は、叩き方(リズム)は簡単に作れます。
ただ、音そのものをいいものに変えようとすると、別の音源からキックやスネアを持ってきて差し替える作業が必要で、これが面倒でした。
とにかく「自分でドラムの音を組める音源」が一本欲しくて、作曲数曲目のころに XO(XLN Audio) を買いました。
当時90ドルぐらいでした。
この時はセールを知らなかったので、セールなしで買っていました。
先に結論を書くと、XO は 打ち込み中心のボカロ曲の、最初のドラム音源としては買ってよかった です。
プリセットに頼らず、キックから一音ずつ音を探して組めます。
パターンも作りやすく、画面も見やすい。
弱点もはっきりあって(スロットが8個しかない)、いまの私は「生ドラムじゃない曲」や「生とEDMのハイブリッドのレイヤー」で使う、という位置づけに変わりました。
打ち込みドラム音源の比較(純正 Drummer / XO / Addictive Drums 2 など)は ドラム音源の選び方 に、予算の優先順位は 最初に買うならドラムとベース に分けて書いています。
こちらは XO という製品のレビューです。
まずは公式のトレーラーを貼っておきます。
XO を Plugin Boutique で見る →
実際に効いたこと:プリセットを使わず、キックから音を探せる
XO は、手持ちのドラムサンプルと付属サンプルを全部読み込んで、似た音どうしを近くに置いた「地図」(SPACE)にしてくれる音源です。

私はプリセットのキットはほぼ使いません。
キックから探していきます。
地図の上で音が種類ごとに分布しているので、「このあたりが太いキック」、「こっちが軽いキック」と、なんとなくの位置をつかめば、似た音をすぐに比較できます。
似た音も、下にある→ボタンで、似た音に比較することが可能です。
フィルターでドラムっぽい音とかも検索できます。
もちろん文字でも検索できるので、欲しいジャンルの音で検索もできます。

鳴らしたい音が決まったら、XO の中でパターンを打ち込みます。
純正 Drummer と違って、打ち込んだパターンはそのまま Logic に MIDI で移せます。
最初のうちはこれがいちばん楽でした。
以下の画像では、パターンがあらかじめあるので、それを使うと早いです。

ドラムパターンをmidiに移したものです。

ランダマイザー(自動でビートを生成する機能)は、最近はほとんど使っていません。
というのも、キックは1,3、スネアは2,4拍以外で構築は、普通の音楽だと難しいかなと。
私にとっての XO の価値は「似た音がすぐ探せる」ところに寄っています。
XO を入れてから、アナログ系のドラムはかなり組みやすくなりました。
キックとスネアを1個ずつ吟味できるので、抜けのいい低音を作りやすいです。
期待したほど使えなかったところ
正直に、合わなかった部分も書いておきます。
スロットが8個しかない。
これがいちばん不便です。
スネアですが、通常とリムショットで分けるとそれだけで2枠使います。
音数の多い曲だと足りません。
裏を返すと、XO は音数の少ないアナログ寄りの曲に向いている、ということでもあります。
スロット数も含めて Atlas 2 と比べて選びたい方は、XO と Atlas 2 の違いにまとめています。
Atlas 2 は使っていないので、公式の仕様を調べて比べた記事です。
スウィングは結局あまり使いませんでした。
XO 側でグルーヴを揺らすことはできます。
ただ、ドラムだけ揺れても曲は成立しないので、他の楽器は手動で合わせることになります。
そうすると XO のスウィングも動かし直すことになって、それなら最初から手動でいいか、となりました。
手持ちのサンプルが少ないと、地図のうまみが出ません。
XO は「たくさんの音の中から似た音を探す」音源なので、サンプルライブラリが小さいうちは、そもそも探す対象が少なくて活かしきれません。
私もしばらくは、あまり活用できていませんでした。ただ、たまに無料配布のドラム音源もあるので、それをもらっていくのがいいかと。
音が簡単に見つかること自体は、ずっとありがたいです。
Battery 4 とはちょうど逆の方向で、Battery 4 はスロットをたくさん並べて自分で音を配置していく音源ですが、音は見つかりにくい。XO は音を探すところを助けてくれる音源、という感じです。
いまの使い方:生ドラムじゃない曲と、レイヤー
XO はいまも使っています。使う場面が変わりました。
- 生ドラムじゃない曲 … 打ち込みのアナログ系はほぼ XO です。
- 生とEDMのハイブリッド … Addictive Drums 2 と XO をレイヤーします。キックとスネアのローは Addictive Drums 2、その上(ミドルから上)は XO で面白い音を探して重ねる、という分け方です。XO のほうが音の引き出しが多いので、上物を差し込む役に向いています。
このレイヤーをやるときは、XO の各スロットをパラアウト(個別の出力に振り分け)して、Logic のミキサーでパーツごとに EQ・コンプをかけています。
これはどのドラムでも重要ですね。
Addictive drum2だろうが、Battery4だろうが一緒です。

生ドラムのバンド曲そのものは Addictive Drums 2、変わった音を一から作り込むのは Battery 4、という使い分けに落ち着きました。
XO でしかやらないのは、アナログ系のドラムです。
Addictive Drums などだと、音が同じになってしまいます。
なので、ちょっと変わった音をやりたいときは XO です。
誰に向くか、向かないか
向いていると思う人:
- 打ち込み中心のボカロ曲を作る人
- プリセットのキットではなく、キック・スネアを一音ずつ選びたい人
- ドラムの音の違いがまだ分からなくて、「近い音を並べて比較する」入り口が欲しい人
あまり向かない人:
- 生ドラムのバンド曲がやりたい人 … Addictive Drums 2 のほうが早いです
- 音数の多い曲で、スロットをたくさん使いたい人 … 8個だと足りません
- 変わった音を一から作り込みたい人 … Battery 4 のほうが自由です
- サンプルをまだほとんど持っていない人 … 地図のうまみが出るまで少し時間がかかります
購入するならば
私が買ったときは90ドルでした(2026年時点の正確な価格は公式で確認してください)。
ここははっきり書いておきたいのですが、私は XO も RC-20 も、セールを待たずに定価で買ってしまいました。
当時はセールで買うという発想がなかったからです。
XLN Audio の製品は年に何度もセールになります。
急ぐものではないので、セール時期を狙ってください。
調べたらPlugin Boutiqueのセールで1万円前後ぐらいかなと思いますね。
Plugin Boutique での買い方は Plugin Boutique の使い方 にまとめています。
競合は考えなかった(RC-20 のついで買い)
XO を買うとき、他のサンプル系ドラム音源は比べていません。
RC-20 Retro Color を買うついでに、同じ XLN Audio だから、という理由で一緒に買いました。
RC-20 のことは サチュレーションの記事 に書いています。
作曲初期からずっと使っているプラグインで、その信頼で XO も手に取った、という感じです。
結果として XO は「打ち込みのボカロPが定番で使っている音源」だったので、遠回りはしませんでした。
ただ、比較せずに定価で買ったのは反省点です。
まとめ
XO は、打ち込み中心のボカロ曲の最初のドラム音源として、しっかり役に立ちました。
純正 Drummer で音の差し替えに苦労していた時期に、「キックから音を探して組む」やり方を教えてくれた音源です。
万能ではありません。
スロットは8個だし、生ドラムは Addictive Drums 2、作り込みは Battery 4 に譲ります。
それでもいまだに、生系じゃない曲とレイヤー用途で開いています。
1曲を最後まで作る流れは まず1曲を完成させるまで に書いています。







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