ドラムの音が前に出てこない。
ベースの輪郭がぼやける。
そんなときに「トランジェントシェイパーを使えばいい」という記事を見て、試したくなった人もいると思います。
私も、Logic に最初から入っている Enveloper で、ベースやキック・スネアのアタックをよく足していました。
ただ、今はほとんどやっていません。
この記事では、トランジェントシェイパーが何をするものかと、Logic の Enveloper の使い方、私がやめた理由を書きます。
最後に、それでも使うならどれを選ぶかもまとめます。
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トランジェントシェイパーは「鳴った瞬間」と「余韻」を別々に動かす
トランジェントシェイパーは、音の鳴った瞬間(アタック)と、その後の余韻(リリース)の大きさを、別々に上げ下げするエフェクトです。

Apple の Logic Pro のユーザガイドによると、アタックを上げるとドラムのスナップ感が高まり、弦をはじく音(ピッキング)も大きくなります。
逆にアタックを下げると、打楽器の立ち上がりがやわらかくなります。
余韻のほうを上げると、かかっているリバーブが強く聞こえます。
下げれば、リバーブが強くかかったトラックをドライな音に寄せられます。
コンプも音の大きさを変えますが、Enveloper はコンプと違って、入ってくる音の大きさそのものとは関係なく動く、と説明されています。
「どのくらいの音量を超えたら」ではなく「音の形」を変える道具、と考えるとわかりやすいです。
Logic を使っているなら、Enveloper が最初から入っている
Logic Pro には、トランジェントシェイパーにあたる Enveloper が純正で入っています。
チャンネルストリップのオーディオエフェクトから「Dynamics」>「Enveloper」で挿せます。

いちばん大事なのは、真ん中の表示の左右にある2本の「Gain」です。
左がアタック、右が余韻で、真ん中(0%)なら何も変わりません。
その下の2つの「Time」は、アタックと余韻がどのくらいの長さで変わるかを決めます。
Apple のガイドでは、アタックは約20ms、余韻は約1500msから始めるのがよいとされています。
左端の「Threshold」は、ふだんは一番下のままで大丈夫です。
「Lookahead」も、アタックがとても鋭い音を扱うとき以外は触らなくてよいと書かれています。
アタックを大きく上げると、全体の音量も変わることがあります。
そのときは右端の「Out Level」で戻します。
私が Enveloper でやっていたこと
私がよく使っていたのは、ピック弾きのベースです。
アタックを上げて、ピックが弦に当たる感じを出していました。
ドラムでは、キックとスネアにもかけていましたね。
当時は、こういう調整を積み重ねれば曲がよくなる、と信じていて、けっこうやっていました。
今はほとんどやらない理由
今は、アタックや余韻を整えることはほとんどしていません。
理由は2つあります。
1つ目は、単純に面倒になったことです。
トラックごとに挿して整えるのは、続けるとなかなか手間がかかります。
2つ目は、続けてみて、再生数には特に影響がないと感じたことです。
昔の自分には少し残念な話ですが、ここは正直に書いておきます。

もちろん、意味がないと言いたいわけではありません。
ただ、私はそこよりも大事なところがあると考えるようになりました。
アタックを変えたいときは、Ozone の Impact で足りている
今はそもそも、アタックを強くしたい・弱くしたいと思う場面があまりありません。
あったとしても、持っている iZotope Ozone の Impact で済ませています。

Impact は、帯域ごとにアタックの強さを上げたり下げたりできるモジュールです。
アタックと余韻を整えるという点では、トランジェントシェイパーとほとんど同じことができます。
Ozone をどう使っているかは、Ozone のレビューにまとめています。
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それでも専用のプラグインを買うなら
Logic の Enveloper も Ozone も無い、という人もいると思います。
私が見てきた中から、2つ挙げておきます。
Sonnox Oxford TransMod
Sonnox の Oxford TransMod は、トランジェントシェイパーの定番の1つで、Plugin Boutique のセールにもよく並びます。

公式の動画を見た印象は、効果はきちんとあるものの、効きは弱めかな、というものでした。
トランジェントシェイパーとしての機能は十分ありそうですが、私はそこまで魅力を感じませんでした。
Sonnox の画面のデザインがあまり好みではない、というのも見送っている理由です。
逆に、トランジェントシェイパーを1つも持っていない人や、この画面が好きな人なら、買っていいと思います。
▼ Sonnox 公式による TransMod の紹介動画(英語)
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Sonnox のほかの製品と、過去のセールの値動きは、こちらにまとめています。
Sonnoxのセールはいつ?過去の値動きと買い時|Ozoneで足りているボカロPが、TransModを見送る理由と向いている人
XLN Audio DB-30 Drum Butter
XLN Audio の DB-30 Drum Butter は、ドラム用のエフェクトです。
アタックを上げたり、低音を足したりと、やっていることは Ozone の Impact に近いと思っています。

なので、Impact を持っている私には、必ずしも要らないかもしれません。
ただ、XLN Audio は私がふだんメインで使っているメーカーなので、そろえたい気持ちもあります。
ドラムのアタックや低音を整える道具を何も持っていない人なら、安くなったときに買っていいと思います。
迷っている理由は、Drum Butter が欲しい話に詳しく書きました。
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初心者ボカロPは、まず Enveloper で試してみる
Logic を使っているなら、トランジェントシェイパーのために最初からお金を出す必要はありません。
私がアタックを整えていたのも、純正の Enveloper でした。
ピック弾きのベースや、キック・スネアに挿して、左の Gain を少し上げてみてください。
それで音が前に出たと感じるなら、使い続ければいいと思います。
一方で、私のように「時間をかけたわりに、聴いてくれる人の反応は変わらない」と感じたら、深追いしなくて大丈夫です。
専用のプラグインを買うのは、Enveloper や Impact のような道具を何も持っていないときで十分です。
まとめ
- トランジェントシェイパーは、鳴った瞬間(アタック)と余韻を別々に上げ下げするエフェクト
- Logic には純正の Enveloper があり、Dynamics>Enveloper で挿せる
- 私は昔、ピック弾きのベースやキック・スネアのアタックを足していたが、面倒なうえに再生数には影響がないと感じて、今はほとんどやらない
- アタックを変えたいときは、Ozone の Impact で足りている
- 何も持っていない人は、TransMod や Drum Butter を安いときに
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Logic の Enveloper の説明は、Apple の Logic Pro ユーザガイドをもとにしています。







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