VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studioを実際に使った初心者ボカロPの話|どれから始めるべきか

今回も初心者ボカロP向けに書いていきます。

 

合成音声のエンジン(いわゆるボカロ的に歌わせるソフト(正確にボカロを定義すると違いますが))は選択肢が増えました。

私が触ってきたのは Piapro Studio → VOCALOID6 → Synthesizer V Studio 2 の順で、この3つです。

 

先に結論を書くと、いまのメインは Synthesizer V Studio 2 Pro です。

ただしプロセカ(プロジェクトセカイ)の楽曲募集に毎月応募していて、そちらはキャラクター指定があるので、初音ミクV6は VOCALOID6 で作っています。

 

なぜこの順番になったのか、順に書きます。

 

前提:私はボカロPであり、ボカロ以外の歌は録りません

私は歌を録りません。

ボーカルはソフトで打ち込んで、書き出した wav を Logic でミックスしています。

 

なので、この記事は「打ち込みで歌わせる」話です。

書き出したあとの処理は ボーカルの処理について に別で書きました。

作曲まわりでつまずいた話は 曲を作ったことがない初心者ボカロPが、まず1曲を完成させるまで にあります。

 

Piapro Studio(買ったのに、私の環境では動かせなかった)

いちばん最初に買ったのは初音ミクと巡音ルカでした。

付いてくるエディタが Piapro Studio です。

当時は、そもそもこれらがあれば作曲できると思っていましたが、作曲できませんでした。

 

作曲できるようになってからは、意外なところでつまずきました。

それは私の環境(Mac の Apple Silicon、M1)では扱いづらかったことです。

Rosetta 経由(レベルを下げて起動)なら起動するようですが、そのために毎回 Rosetta に切り替えるのが面倒で、結局ほとんど使っていません。

買ったミクとルカを Piapro Studio で鳴らすことはほぼできていない、という状態でした。

 

SONICWIREの購入製品一覧。初音ミク V3 BUNDLE、MEGURINE LUKA V4X、CUBASE LE 7 などが並んでいる

これは SONICWIRE の購入製品一覧です。

初音ミクや巡音ルカ、それに昔つまずいた Cubase LE も残っています。

買ったこと自体は間違いないのですが、Piapro Studio をちゃんと動かして曲にするところまでは行けませんでした。

 

そのうえ当時の私は「有名なボカロの声を買えば曲が作れる」と思っていました。

実際はそんなことはなく、コードもメロディもアレンジも自分で用意しないと曲になりません。

声を買っただけでは何も進みませんでした。

 

このあたりで一度つまずいて、ミク、ルカの声はのちに VOCALOID6 側で鳴らすことになります。

Piapro Studio は単体では売っておらず、初音ミクなどのボイスバンクに付属します(2026年時点。Piapro Studio 公式)。

 

VOCALOID6(GUMIの割引がきっかけ)

次に導入したのが VOCALOID6 です。

きっかけは、株式会社インターネットの GUMI(Megpoid)が割引で売られていたことでした。

 

このとき Synthesizer V と迷いました。

決め手は、VOCALOID6 なら手持ちの初音ミク、巡音ルカ(V3・V4)も鳴らせることでした。

手持ちの声を1か所に集められるならこっちだ、と考えて VOCALOID6 にして、初音ミクと GUMI を入れて使い始めました。

そのあとに発売された初音ミク V6 も買い足しています。

VOCALOID6 EditorでAI_Megpoid(GUMI)を選択。下段にピッチカーブと音素、右側にVOICEリストとSTYLE PRESET

 

VOCALOID6 は歌わせるエディタ(VOCALOID6 Editor)と AI ボイスがセットで、古い V3・V4 のボイスバンクも読み込めます(2026年時点。VOCALOID 公式)。

VOCALOID6 EditorでHATSUNE_MIKU_V6_ORIGINALを選択。右側にMIKU DefaultなどMIKU系のスタイルプリセット一覧

VOICE のリストで音源を切り替えるだけで、初音ミク V6 も GUMI も同じエディタで扱えます。

スタイルプリセットも音源ごとに用意されていて、そこは分かりやすかったです。と言ってもプリセットがわかりにくいのと、結構大袈裟に変わるので、そこが難しかったですね。

 

使ってみて感じたのは、ニュアンスを作るのが難しいことです。AI ボイスなのでベタ打ちでも歌ってはくれるのですが、そこから「こう歌ってほしい」に近づける作業が細かく、子音の強さや抑揚がイメージどおりにならず、何度も打ち直しました。

 

手持ちの声を活かしたい人には、V3・V4 まで動く互換性が大きな利点だと思います。ただ、私の場合はそこで止まらず、次に進むことになりました。

 

Synthesizer V Studio 2(結局これがメインになった)

VOCALOID6 のニュアンス作りに苦戦していたころ、Synthesizer V の重音テト(AI 2)を買いました。

これが合っていて、メインが入れ替わりました。

 

私は 重音テトの音源を入れて使っています(2026年時点。Dreamtonics の製品。Synthesizer V 公式)。

他にもたくさん声があるので、もっと欲しいですが、なかなか買えません。

Synthesizer V Studio 2のピアノロール。重音テトのトラックでピッチカーブと音素が見える画面

 

買った決め手は、ベタ打ちの時点でピッチがかなり自然だったことです。

しゃくり、ビブラート、語尾の抜けが最初から乗っていて、Piapro Studio や VOCALOID6 で手作業で近づけようとして苦戦した部分が、ほぼ自動でそれっぽくなります。

 

よく使う機能はこのあたりです。

  • 声色を変えるモード(Vocal Mode)で、同じ音源でも明るさや強さを振れる。ロックにしたければロックをあげ、可愛くしたければCuteを高める。
  • ピッチとラウドネスの自動処理で、荒れた打ち込みをならしてくれる
  • 多言語の歌詞入力(英語もペラペラ、スペイン語もいけます)

 

つまずき、というか慣れが必要なのは、自然すぎて自分のクセが出しにくいことです。

あえて機械っぽく歌わせたいときは、自分でパラメータを戻す必要があります。また、性能が良すぎてベタ打ちでも可能ですが、初心者ボカロPは、皆同じになります。没個性ですね。

 

値段は Pro 版がそれなりにするので、まずは無料の Basic で試すのがいいと思います。

 

Logicとの連携でつまずいた(Mac M1・Rosetta)

これはソフトの比較というより、私の環境の話です。

同じ Mac ユーザーの参考になればと思って書きます。

 

私は Mac の Apple Silicon(M1)です。

VOCALOID6 を導入したとき、「Logic なら Rosetta で開かなくても、ブリッジ経由で読み込める」という情報を見ました。

ところが私はうまくいかず、最終的に「VOCALOID6 を Logic の中で使うなら、Logic Pro 自体を Rosetta で起動しないといけない」という結論になりました。

 

そのあと Synthesizer V Studio 2 も Logic と連携できると聞いて試しましたが、こちらも同じようにブリッジがうまくいきませんでした。

 

結局いまは、VOCALOID6 も Synthesizer V もスタンドアロンで起動しています。

手順は以下の通りです。

  1. Logic で伴奏を書き出す(バウンス)
  2. スタンドアロンの歌声エディタに読み込む
  3. 歌わせて、ボーカルを wav で書き出す
  4. その wav を Logic に戻してミックスする

慣れてしまえば気になりません。

昔は Logic の中で完結させたかったのですが、最近は曲によってトラックが100近くいくので、ボーカル制作を別ソフトに分けているのは、かえって都合がいいかもしれないと思っています。

※ Apple Silicon への対応やブリッジまわりは更新されていく部分なので、最新の状況は各公式で確認してください。おそらく変わらないと思いますが。

 

使い勝手のたとえ

私の感覚だと、こうです。

  • Synthesizer V Studio 2 = iPhone、オートマの車。すぐ走れる。細かいことを意識しなくても、それなりの形になる
  • VOCALOID6 = Android、マニュアルの車。自由度はあるけれど、こちらが操作を分かっていないと進まない

 

どちらが上ということではなく、慣れと目的の問題です。

ただ、初心者が最初に触るなら、走り出しやすいのは Synthesizer V のほうだと思います。

トップボカロPの方は、今でもPiaproと聞くので、ニュアンスを出すならPiaproかもしれません。

 

いまの使い分け

  • Synthesizer V Studio 2:メイン。ほとんどの曲はこれ
  • VOCALOID6:プロセカの募集はキャラクター指定があるので、初音ミクはこちらで作成。手持ちの V3・V4 の声を鳴らしたいときもこちら。
  • Piapro Studio:私の環境では動かせず、使えていません

 

どのエンジンでも、いちばん効いたのは「書き出す前に調声を詰める」ことでした。

音程・タイミング・強弱・ビブラートを打ち込みの段階で作り込むと、そのあとの EQ もコンプもディエッサーも軽く済みます。

これは ボーカルの処理について にも書いた、私の最大のつまずきです。

 

いま初心者ボカロPに聞かれたら

合成音声は、まず無料で試せます。そもそも作曲経験がない人には、ボカロは買っても無意味です。そのため、あらかじめ無料で試すのはありですね。

  • Synthesizer V Studio 2 Basic(無料)… 有料の Pro と同じエディタで、機能は絞られますが歌わせる流れは体験できます
  • NEUTRINO(無料)… 楽譜を渡すと歌ってくれる歌声合成
  • UTAU / OpenUtau(無料)… 昔からある打ち込み系。音源が豊富です

 

VOCALOID は無料版がなく、体験版が出るタイミングを待つ形になります。

私は「初音ミクの声で作りたい」という理由だけでエンジンを選んで、そのソフトが自分の Mac で動かず、次に選んだ VOCALOID6 では操作に苦戦して、と回り道をしました。

なので、声だけで決めず、

  • そのエンジンが 自分のパソコンで動くか(Mac の人は Apple Silicon 対応や Rosetta の話も)
  • そのエンジンが 自分にとって操作しやすいか

 

も一緒に確かめることをおすすめします。

まず Synthesizer V2 の無料版で、打ち込みから書き出しまでの流れを体で覚えるのがいいと思います。

 

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