音楽プラグインは、時期によって値段が大きく変わります。
その年でいちばん安くなるのが、11月末のブラックフライデー(BF)と、その直後のサイバーマンデー(CM)です。
2026年は次の日程です。
- ブラックフライデー:2026年11月27日(金)(前哨セールは11月中旬から始まることが多い)
- サイバーマンデー:2026年11月30日(月)
- そのあと12月中旬〜1月初旬にウィンター/ホリデーセールが続くことが多い
この記事は、初心者ボカロPが限られた予算で何を優先して買うべきかを軸に、メーカーごとの値下がりのクセと、私が実際に買ってきて分かったことをまとめたものです。
セールが始まったら、この記事の一番下に2026年の実際の価格とリンクを追記していきます。
まずはブックマークしておいて、11月末にまた見に来てもらう使い方を想定しています。
※価格・割引率は2026年時点の例年の傾向です。
実際の値は、セールが始まってから各公式サイトで確認してください。
この記事でも開始後に本当の値に差し替えます。
そもそもブラックフライデーとは(DTMの場合)
ブラックフライデーは、アメリカの感謝祭(11月第4木曜)の翌日から始まる大規模セールです。
もともとは小売店の年末商戦ですが、いまは音楽プラグインのメーカーもほぼ全社が参加します。
DTM 界隈での特徴は次のとおりです。
- 定番プラグインが年間で最大の値引きになる。 40〜60%OFF になるものが多く、普段ほとんどセールをしないメーカー(FabFilter など)も、この時期だけ下がります。
- 期間が長い。 「金曜1日だけ」ではなく、前哨セールが11月中旬から、本番が11月27日、サイバーマンデーの11月30日まで、実質2週間ほど続きます。
- サイバーマンデーは延長戦。 BF で買いそびれた人向けの駆け込み枠です。BF と同じ価格が多く、BF で売れ残ったものが少し追加で下がることもあります。
- 12月にもう一度ある。 ウィンターセールや “12 Days of Deals” のような形で、BF と同じ価格に戻すメーカーが多いです。BF で買い逃しても12月にもう一度チャンスがあります。
つまり、焦って11月27日までに全部買う必要はありません。
むしろ焦って使わないものを買うほうが損です。私も経験ありなので、気をつけましょう。よくあるのが、この割引率ならお得か!買って使わない、もしくは性能にがっかり的な。
2026年のスケジュール(逆算)
- 11月中旬:前哨セール … 一部メーカーが先行して値下げ。→ 欲しいものリストを作り、価格をメモしておく(本番でさらに下がるか比較する用)
- 11月27日(金):BF本番 … ほぼ全社が最大値引き。年1しか下がらないものが動く。→「年1」枠(下記の優先度:高)から先に買う
- 11月30日(月):サイバーマンデー … BF の延長。BF で見送った分の駆け込み枠。→ BF で迷って見送ったものを拾う
- 12月中旬〜1月初旬:ウィンター/ホリデーセール … BF価格に戻すメーカーも多い。→ BF・CM で買い逃したものの最終チャンス
メーカーごとに「下がる・下がらない」はだいたい決まっている
セールでいちばん大事なのは、そのメーカーが普段からよく下がるのか、BF しか下がらないのかを知っておくことです。
ここを間違えると、「BF で急いで買ったのに1か月後にもっと安くなっていた」ということが起きます。
ほぼ下がらない(BF が実質唯一の買い時)
- FabFilter(Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-R 2 など)… BF で約25%OFF が基本。それ以外の時期はまず動きません。狙うなら BF 一択です。
- Spectrasonics(Omnisphere / Keyscape)… 原則セールなし。定価固定です。欲しい!日本の代理店でたまに数%だけセールあり。
- Valhalla DSP(VintageVerb など)… 原則セールなし($50固定)。ただし無料配布はときどきあります。
普段からよく下がる(BF を待たなくてもいい)
- Waves … 常時 $29.99〜の投げ売りをしています。BF はやや上乗せされる程度なので、急ぎでなければいつ買っても大差ありません。
- iZotope … 旧バージョンが年中50〜80%OFF。”Build Your Own Bundle” もあります。BF が最安のことは多いですが、他の時期でも十分安く買えます。
- IK Multimedia … グループバイ、クロスグレード、Jam Points が年中回っています。
季節もの(春・夏・BF に参加)
- Native Instruments … 夏の “Summer of Sound”(6〜7月)と、11〜12月のセール。KOMPLETE のアップグレードが大きく下がります。
- Arturia … Spring / Summer / BF。V Collection が〜50%OFF、Pigments が安くなるか無料配布のことも。
- XLN Audio(XO / Addictive Drums 2)… BF 中心。Addictive Drums 2 は〜50%OFF。
- u-he(Diva / Zebra)… 年数回、〜25〜30%OFF。代理店(Plugin Boutique など)経由が多いです。
初心者ボカロPが、ブラックフライデーで何を優先すべきか
セールになると、普段2万円のものが1万円になります。
すると「今買わないと損」という気持ちになって、使う予定のないものまで買ってしまう。これがいちばんやりがちな失敗です。
私も最初の BF でやりました。
特に無名系のものですね。定番じゃないものを買うと、そうなりがちです。類似品だけど、そこまで性能が良くない的なものですね。だから、やはり定番系は外しにくくはあります。
優先順位は、次の順で考えると外しにくいです。
1. いま自分が詰まっている関連の道具から買う
曲づくりのどこで手が止まっているかは人それぞれです。
- コード進行が作れなくて止まる → コード作曲の補助(Scaler 3 など)
- ミックスで声が抜けない・こもる → EQ / コンプ(EQの記事 / コンプの記事)
- ドラムとベースが安っぽい → ドラム音源・ベース音源(この記事)
- 音圧が上がらない → マキシマイザーの記事(ただし買う前にやることがあります)
まず1曲を最後まで作ってみて、いちばん困った工程の道具を1つだけ買う。
これが基本です。曲を完成させたことがない人は、まず1曲を完成させる話を先に読んでください。
だからお金に余裕があるなら、一曲作る、足りないものを買う、一曲作る、足りないものを買うという流れかと。
2. 「年1しか下がらないもの」を最優先にする
FabFilter のように BF でしか下がらないものは、この機会に買う価値があります。
逆に、Waves や iZotope の旧バージョンのように年中安いものは、BF で無理に買わなくても後で買えます。
- BF で買う:FabFilter、Arturia、XLN(ドラム音源)、NI の KOMPLETE アップグレード
- 急がなくていい:Waves、iZotope 旧バージョン、IK のグループバイ系
3. 純正で足りている工程は、買わない
Logic を使っているなら、リバーブ・EQ・コンプ・サチュレーション・ドラム・ベース・シンセの純正がひととおり揃っています。
純正の音源でどこまでできるかを一度試して、本当に不満がある1カテゴリだけ買い足すのがおすすめです。
全部いっぺんに揃えても使いきれません。
4. 大物(総合音源)は、勢いで買わない
KOMPLETE のような総合音源は BF で大きく下がりますが、金額も大きいです。
音源のそろえ方で書いたとおり、個別に買い集めるより総合音源1つのほうが結局安いのは事実です。
ただ、それでも「今年はドラムとベースだけ」と決めて段階的に増やすほうが、初心者には無駄が出にくいです。そもそも初心者は、その段階でないことが多い。
去年までの BF で私が買ったもの
まとめて言うと、FabFilter のバンドルと、EastWest の OPUS(オーケストラ一式)です。
どちらも「年1でしか下がらない」「単品で積むより結局安い」ので、BF まで待って買いました(EASTWESTはちょいちょいセールはあったかも)。
ここは今でも失敗したとは思っていません。
あとは3,000〜5,000円くらいの小物をいくつか。ボーカル系だと iZotope の VocalSynth 2、Waves の Vocal Rider、それとドラムに音を重ねるSnapBoxあたりを、この時期にまとめて買った記憶があります。
安いと「とりあえず」で買ってしまうんですが、正直あまり使っていないものもあります。小物こそ、買う前に「本当に使うか」を一度考えたほうがいいです。
やりがちな失敗(まとめ)
- セールに釣られて、使う予定のないものを買う
- 年中安いもの(Waves・iZotope 旧版)を BF で焦って買う
- 純正で足りている工程のプラグインを重複して買う
- 大物を勢いで買って、機能の1割も使わない
優先度:高(BF を逃すと次は1年後)
FabFilter Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-R 2
EQ(Pro-Q 4)、コンプ(Pro-C 3)、リバーブ(Pro-R 2)の定番です。
3つともBF で約25%OFF になるだけで、それ以外の時期はまず下がりません(Plaguin Bontiqueは定期的にセールあり)。
年1の買い時がこのタイミングです。
私は純正 → 無料プラグイン → FabFilter という順で乗り換えてきました。それぞれの詳しい使用感は次の記事に書いています。
3つ以上まとめて欲しい場合は、バンドル(Mixing Bundle / Total Bundle)のほうが単品を積むより安くなることがあります。BF 中はバンドルも割引されるので、単品価格と足し算で比べてください。
優先度:中(BF で下がるが、他の時期にも機会がある)
iZotope Ozone(最新版 または 1つ前のバージョン)
マスタリングの総合プラグインです。
旧バージョンは年中50〜80%OFF になりますが、最新版が最も下がるのは BFです。
マスタリングの全体像を掴む用途なら、1つ前のバージョンをセールで買うのでも十分です。
音圧・マスタリングまわりの体験はマキシマイザーの記事に書きました。
Ozone を買う前にミックスを直すほうが先、という話も含めて読んでもらえればと思います。
XLN Audio XO / Addictive Drums 2
ドラム音源です。XLN は BF 中心で、Addictive Drums 2 は〜50%OFF になります。
- XO … 手持ちのサンプルを地図上に並べて音を探す音源。打ち込み前提のボカロ曲と相性が良いです。
- Addictive Drums 2 … 生ドラム主体の曲(バンド・ロック・ポップ)向け。
どちらを選ぶかはドラムとベースの記事で詳しく書いています。ただ正直、毎回季節ごとにセールがあるので、BF狙わなくていいかと。
Arturia Pigments
ウェーブテーブル中心のソフトシンセです。Arturia は Spring / Summer / BF で下がり、Pigments はセール時に大きく安くなります。ただ、Pigmentsは季節ごとに結構安くなることが多い。
V Collection(アナログシンセの詰め合わせ)ごと狙うなら BF が最安です。
シンセの買い足しの経緯はLogicの音源は純正で足りる?に書いています。
IK Multimedia MODO BASS 2
物理モデリングのベース音源です。
IK は年中グループバイやクロスグレードをやっていますが、BF はまとまった値引きが来ます。
無料の Ample Bass P Lite II から一歩進みたくなったときの定番です(ドラムとベースの記事参照)。
Scaler 3
コード進行を作るのが苦手な人向けの補助ツールです。BF でも下がります。
使用感の詳しいレビューは別途単体記事で触れています。
オーケストラ・ストリングスが欲しいなら
バラードやエモい系のボカロ曲で弦を入れたくなったときの選択肢です。
- まず無料で:Spitfire LABS。無料でストリングス・パッド・鍵盤がひととおり鳴ります。これで足りるなら買う必要はありません。
- 本格的に:EastWest の OPUS(再生エンジン)+ ComposerCloud(サブスクでライブラリ使い放題)。EastWestのセールは EastWest 直販が中心で、ComposerCloud が年数回大きく下がります。BF もそのタイミングのひとつです。Plugin Boutique でも一部のライブラリを単品で扱っています。
私は OPUS のライブラリを使っていますが、初心者のうちは LABS 無料で十分だと思います。
LABSは無料でありがたいのですが、やっぱり物足りない。
特殊な演奏的な部分は、やってくれないかと。だから、最終には、EASTWETに辿り着きました。本当はSpitfireが欲しかったのですが、高かったので。EASTWESTは容量が大きいですが、リアルではありますね。
買わなくていい/BF を待つ意味が薄いもの
- Waves のプラグイン … 常時 $29.99〜で投げ売りされています。BF はほぼ変わらないので、欲しいときに買えばいいです。
- Valhalla のリバーブ … 元々 $50固定でセールをしません。BF を待っても下がりません(無料配布は別途あります)。
- Spectrasonics(Omnisphere など) … 基本セールなし。BF でも定価です。
- 「Advanced 版を買うだけで曲が良くなる」系の大物 … 買っても曲は良くなりません(経験談)。まず今ある道具で曲を仕上げるほうが先です。
サイバーマンデー(11月30日)で拾う残り
サイバーマンデーは BF の延長戦です。
基本は BF と同じ価格なので、BF 中に迷って見送ったものをここで拾います。
- BF 中に「予算的にどっちか片方」で見送った2つ目
- BF 期間中に売り切れ・配布終了していた無料ギフトの再開分
- BF 最終日に追加値下げされたバンドル
逆に、CM で新しく出てきたものに飛びつくより、BF で作った欲しいものリストを消化するほうが後悔が少ないです。
12月のウィンターセールでも同じ価格に戻ることが多いので、ここでも決めきれなければ持ち越して構いません。
何度持っていますが、使いきれないことが多いので、基本狙っているもの、もしくは狙っているものと類似品的なものがいいでしょう。
買い方:Plugin Boutique と Audio Plugin Deals
海外サイトでの買い方、支払い(JCB・PayPal 可)、5%還元の Virtual Cash、一定額購入でもらえる無料ギフト、返金ルール、そして「開発元が消えて認証できなくなる」リスクまでは、Plugin Boutiqueの使い方と使いどころにまとめてあります。
BF で初めて海外サイトを使う人はこちらを先に読んでください。
セール時のポイントだけ挙げておきます。
- Virtual Cash は BF 中の買い物で貯まり、BF 中に使えます。 高いものから買って、還元分を次の買い物に充てると無駄がありません。
- 無料ギフトは「一定額以上の購入で1個」。 基本値段がついているものを買えば、ついてくる。もしくは大きい値段だと、グレードが上がります。
- 返金は「14日以内かつ未ダウンロード・未認証」のみ。 セールで気になって買ったものは、認証する前に本当に使うか一度考える余地があります。
- Audio Plugin Deals(APD) も BF・CM をやります。単品を80〜95%OFF で回すサイトで、Plugin Boutique に無い掘り出し物があります。ただ、あまり有名じゃないものも多い。
2026年の速報(セール開始後に更新します)
(11月中旬の前哨セール開始とともに、ここに実際の価格・割引率・締切を追記していきます。)
まとめ
- 2026年のブラックフライデーは11月27日(金)、サイバーマンデーは11月30日(月)。前哨は11月中旬から、12月にもう一度ウィンターセールがあります。
- 年1しか下がらないもの(FabFilter など)を最優先。年中安いもの(Waves・iZotope 旧版)は焦らない。
- いま詰まっている工程の道具を1つだけ。純正で足りている工程は買わない。
- セールに釣られて使わないものを買うのが、いちばんの損です。
- この記事は11月に実際の価格とリンクを追記します。ブックマークして、また見に来てください。




コメントを残す