「コンプ、結局どれを買えばいいのか」。
私はLogicでボカロ曲を作っていて、コンプは純正のCompressor → FabFilter Pro-C 3、という順で使ってきました。
この記事は、その2つの実体験に、当時いっしょに調べていた候補(Waves Renaissance Compressor / Sonible smart:comp 3 / Arturia Comp FET-76)を並べて、初心者ボカロP目線で比較したものです。
先に結論の表を置きます。
※価格・割引は2026年時点の目安です。最新は各公式サイトで確認してください。
先に結論:比較表
| Logic純正 Compressor | FabFilter Pro-C 3 | Waves Renaissance Compressor | Sonible smart:comp 3 ※ | |
|---|---|---|---|---|
| 価格の目安 | 無料(Logic Pro付属) | USD 199前後 | USD 30〜80(ほぼ常時セール) | USD 149前後(PBセールで下がる) |
| タイプ | VCA・FET・Opto等を切替 | クリーン系の万能コンプ | Opto寄り・軽め | AIが解析してかける |
| プリセット | 少なめ | ボーカル・バス・マスター等 | 用途別に一通り | プロファイルを選ぶだけ |
| サイドチェイン(ダッキング) | 可(手順がやや面倒) | 可(やりやすい) | 不可 | 可(自動ダッキング) |
| 得意な使いどころ | ひととおり | ボーカル・全般・ダッキング | 1トラックを手早く整える | 2mix・曲の仕上げ・迷ったとき |
| セール | — | 年1回(BF・約25%OFF) | ほぼ常時 | PBで年数回 |
| こんな人に | まず1曲を完成させたい | 基準になる1本が欲しい | とにかく簡単に済ませたい | 設定に自信がない/第二の耳が欲しい |
※ Sonible smart:comp 3 と Arturia Comp FET-76 は、私は使っていません。
調べた評判とスペックの話として読んでください。
導入したら各節に使用感を追記します。
ざっくり言うと、Logicがあるなら純正で1曲は出せます。
買い足しを考えるのは「かけ方がわからない」、「毎回ゼロから設定するのがつらい」に変わってきたときかと思います。
まず純正のCompressorで、たいていの曲は出せる
コンプもLogic純正のCompressorだけで、ボカロ曲を何曲か仕上げて公開できました。
音そのもので詰んだことはありません。
ただ、純正Compressorは「どうかければいいか」の出発点にたどり着きにくいと感じました。
VCA・FET・Optoといったモデルは切り替えられますが、私の耳では違いがほとんど分からず、プリセットも少ないので、毎回ゼロから手探りになります。

このあたりで私がどう停滞して、どう抜けたかはLogicのコンプは純正で足りる?(体験談)に詳しく書きました。
この記事は「で、結局どれを買えばいいか」に絞ります。
FabFilter Pro-C 3:プリセットで「効いている状態」の基準ができた
ボカロで4曲目くらいのときにFabFilter Pro-C 3を買いました。
移って良かったのは派手な機能より地味なところです。
ボーカル用・バス用・マスター用のプリセットがあって、そこから微調整すればいい。
ゲインリダクションが大きく表示されるので、どれくらいかかっているかが目で分かる。
「どうかければいいか分からない」問題が、これでかなり減りました。
画像ではわかりにくいですが。高さも変えられ、6dBとかにできるのでもっとズームできます。下記画像は72dB設定。

ボーカルのリバーブをダッキング
いちばん使っているのは、ボーカルのリバーブ返し(リバーブ用のバス)をボーカル本体でダッキングする使い方です。
歌っている間はリバーブが引っ込み、歌が止まった瞬間にふわっと出てくる。
声が濁らず、空間の広さは残ります。
Logicでのサイドチェインの手順(プラグイン画面の右上でトリガー元のバスを選ぶ→サイドチェインを有効にする)は無料EQの記事に書いたとおりで、Pro-QもPro-Cも同じです。
正直な話:Pro-Cも「PBで買う」うまみは薄い
FabFilterは、公式の直販でもPlugin Boutiqueでも基本は同じ価格です。
しかもセールは年1回、ブラックフライデーくらい(約25%OFF)。
なので、PB経由で買う意味があるのは、Virtual Cash(購入額の5%還元)を貯めている、一定額購入の無料ギフト条件を埋めたい、ブラックフライデーに他社製品とまとめ買いする、といったときだけです。
急がないなら次のブラックフライデーまで待って、直販かPBの安いほうで。
買い時の全体像はDTM ブラックフライデーの記事にまとめました。
▼ FabFilter公式による Pro-C 3 の解説動画(英語)
設定が本当に楽:Waves Renaissance Compressor
Pro-C 3を「基準の1本」とすると、こちらは「とにかく簡単に済ませたい1本」です。
つまみが少なく、用途別のプリセットから選んで、スレッショルドを少し動かすだけで形になる。
オートリリース系の挙動なので、アタック・リリースを詰めなくてもそれっぽくまとまります。
「1トラックだけ手早く整えたい」ときに迷いません。
プロの方も、これを基準という人もいます(YouTubeであったのですが、その方は見つかりませんでした)。
外部サイドチェイン入力はないので、上に書いたリバーブのダッキングのような使い方には向きません。
そこはPro-C 3やsmart:comp 3の担当です。
価格も安く、Wavesは直販でほぼ常時セールをしています。
Plugin Boutiqueでも扱っていますが、Wavesに関しては直販とPBで大きな差は出ないことが多いです。
金額が小さいので、欲しいときに買っていい部類だと思います。
▼ 参考:Waves Renaissance Compressor の解説動画
AIに任せる:Sonible smart:comp 3
EQで触れたsmart:EQ 4と同じ考え方のコンプです。
トラックを解析して、圧縮のかかり方(帯域ごとの動き、リリース、ダッキング量)を自動で提案してくれます。
「何を基準にかければいいか分からない」段階や、ひととおり作った2mixを仕上げるとき、自分の設定が偏っていないか第二の耳として確認したいときに名前が挙がります。
ここは私はまだ使っていません。
smart:EQ 4 を含めてこの会社のものは今後そろえていくつもりなので、導入したら使用感を追記します。価格はUSD 149前後、Plugin Boutiqueのセールで下がることが多いです(2026年時点)。
初心者の人で、お金がある人はこれ形でいいような気がしますね。
▼ 参考:Sonible smart:comp 3 の解説動画
気になったけど見送った:Arturia Comp FET-76
1176系(FETタイプ)の定番モデリングです。
パンチが出るタイプで、単体でずっと気になっていました。
ただ、当時の私はコンプ・EQ・リバーブが全部入ったArturiaバンドル、Fx collection11を一気に買うつもりだったので、単体では見送りました。
結局そのバンドルも高くて買えていないのですが、タイミングが合っていたら、ブラックフライデーにArturiaの全部入りセットごと買っていたと思います。
今見ると、ある程度あるから不要かなと思っております。
個別に買い集めるより総合パックのほうが結局安い、という話は音源のそろえ方に書いたとおりで、エフェクトでも同じことが言えます。
Arturiaは春・夏・ブラックフライデーにバンドルが大きく下がるので、FET-76単体が欲しくても、他にもArturia製品が気になるならバンドルの値段と見比べたほうがいいです。
単品だと、APDで結構セールしている印象ですね。
▼ 参考:Arturia Comp FET-76 の解説動画
無料配布の1176について
コンプの色付けというと、Universal Audioが期間限定で無料配布していた1176系(UA 1176 Compressor)を持っている人も多いと思います。
もらえるなら取っておいて損はないですが、レシオが「4:1・8:1…」と決まった値しか選べず、いちばん弱い設定でも初心者がボーカルに挿すには効きが強すぎます。
私はこれでボーカルをペラペラにしました。
まずはドラムやベースの色付けで遊ぶくらいがちょうどいいです(この失敗の詳細は体験談に書きました)。
いま初心者ボカロPに聞かれたら
- Logicを持っているなら、まず純正のCompressorで問題ないです。1曲を仕上げるのに買い足しは要りません。
- 毎回ゼロから設定するのがつらくなってきたら、基準になる1本を持つと近道です → FabFilter Pro-C 3(急ぐ理由はブラックフライデーだけ)。
- とにかく簡単に、安く1個 → Waves Renaissance Compressor(直販がほぼ常時セール)。
- 設定に自信がない/2mixの仕上げを手伝ってほしい → Sonible smart:comp 3(PBのセール時に。私は導入予定)。
- 1176系の質感が欲しくて、Arturia製品も他に気になる → Arturia Comp FET-76 をブラックフライデーにバンドルで。
- 純正でどう停滞して、どう抜けたかの詳しい話はLogicのコンプは純正で足りる?に書いています。




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