メロディはできたのに、ボカロの歌がなんだか薄い。
そこでハモリを足してみたら、逆に気持ち悪い響きになってしまった。
ボカロを始めてしばらくすると、こういう場面にぶつかる人は多いと思います。
私も最初はハモリのことがよく分かっていませんでした。
なんなら、ぶつかっていることも気づきませんでしたね。
「3度下」と聞いて、メロディをそのまま同じ幅だけ下げていたので、昔の曲には不協和音になっている所がたくさんあります。
この記事では、今の私がハモリをどの順番で、どの音程から入れているかを、失敗した話と一緒にまとめます。
音程の説明には、ピアノロール風の図をつけました。
私がハモリを入れるのは、曲のいちばん最後
ハモリは、曲が全部できあがってから入れています。
作曲がある程度終わり、メロディも伴奏も固まった最後の段階で、ハモリに取りかかります。
使うソフトは VOCALOID6 と Synthesizer V で、どちらでもハモリを作ることが多いです。

これは VOCALOID6 で、初音ミクの本体とは別のトラックに、オクターブ下やダブリングを作っている画面です。
画面には「五度」のトラックもありますが、一般の曲では5度はハモリとしてはあまり使っていません。
民族系は、まっすぐな厚みとして五度は使いますね。
理由は次の節で書きます。
VOCALOID6 と Synthesizer V のどちらで歌わせるか迷っている人は、VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studio を実際に使った話も読んでみてください。
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音程の選び方:ダブリング、オクターブ下、3度上・3度下、6度下の順に考える
ハモリの音程は、決まった1つを使うというより、曲に合わせて決めています。
ただ、考える順番はだいたい同じです。
いちばん分かりやすいのはユニゾン(ダブリング)です。
メロディとまったく同じ音程の声をもう1本重ねて、歌を太くします。
次がオクターブ上とオクターブ下です。
ただ、私の曲はメインのメロディがかなり高い所まで行くので、オクターブ上にすると高くなりすぎてしまいます。
そのため、実際に使うのはオクターブ下のほうが多いです。
そして、ハモリの定番が3度上と3度下です。
3度は、そのキーのスケールの音(Cメジャーなら白鍵)を数えて、2つ上か2つ下の音です。

上の図は、Cメジャーの「ドレミファソ」に3度上と3度下を付けた例です。
どちらも白鍵だけを数えて置いているので、全部が白鍵に収まっています。
3度の次に考えるのが6度上と6度下です。
ただ、6度上もメロディが高いと声が出ない高さになりやすいので、私が使うのはせいぜい3度上、3度下、6度下までです。

6度下は、3度上の音をオクターブ下げた音と同じになります。
一方で、5度はほとんど使いません。
5度を重ねても、ハモリというよりは、ただ音が太くなるだけに聞こえてしまうからです。
VOCALOID 公式の使い方解説にも、ハモリを作る回があります。
昔の失敗:「3度下」を、半音の数を決めて下げていた
最初のころの私は、「3度下」を本当に同じ幅だけ下げていました。
メロディのどの音も、同じ半音の数だけ下に置いていたということです。
スケールに沿って置いていなかったので、曲のあちこちが不協和音になっていました。

上の図は、どの音も半音4つ下にそろえてしまった例です。
ドの下がソ#、レの下がラ#になり、Cメジャーの曲の中に黒鍵の音が次々に出てきます。
3度という幅は、スケールの中では「半音3つ」になる所と「半音4つ」になる所が混ざっています。
ドの3度下はラ(半音3つ)、ミの3度下はド(半音4つ)というように、場所によって変わるのです。
だから、半音の数で決めるのではなく、スケールの音を2つ数えて置くのが正解です。
ハモリの3度下がなぜ美しいかというと、3度4度の部分があるからだそうです。
5度だとそのブレがなく、いつも同じ感覚なので、つまらないそうです。
もう1つ迷ったのが、ノンダイアトニックのコードが入ってくる所
スケールどおりに置けるようになってからも、混乱した場面がありました。
Cメジャーや Aマイナーの曲に、E や E7 のような、スケールの外の音を含むコード(ノンダイアトニックコード)が入ってくる所です。

E や E7 のコードの中にはソ#が入っています。
そこでスケールどおりに3度下のソを置くと、伴奏のソ#とぶつかってしまいます。
図のように、この場所だけはコードに合わせてソ#に直す、という考え方になります。
ミックス:ハモリは下げる、ダブリングは左右に振る
ハモリのトラックは、基本的にメインより音量を下げています。
ダブリングは、パンを左右に振って広げます。
VOCALOID 公式の「VOCALOIDで遊ぼう!」第5回でも、ハモリをダブリングしたトラックの音量を下げ、左右に振る手順が紹介されています。
EQ は、ハモリのためにそれほど調整していません。
重ねた声が厚すぎて気になるときだけ、ハイカットやローカットをかけるくらいです。
ボーカル全体の処理は、ボーカルミックスの流れをまとめた記事や、サツキ氏のボーカルの聞こえ方を Logic で目指した記事に書いています。
Synthesizer V でハモリやダブリングを作る手順は、Dreamtonics 公式の動画(英語)で一通り見られます。
声を重ねるときは、タイミングのずれにも気をつけたいところです。
たとえば GUMI は、ほかの声より発音が早く、メインとハモリで同じ歌詞を重ねると GUMI のパートだけ前に出て聞こえます。
調声の話は、こちらにまとめています。
ボカロの調声はやりすぎないほうがいい|Synthesizer V Studio 2 ・VOCALOID6で実際にいじっている場所
人の声のハモリをまとめてそろえるプラグインについては、VocAlign 7 を調べた記事もあります。
まとめ:最初はオクターブ下、次に3度。黒鍵に出たら直す
ハモリを初めて入れるなら、いちばん簡単なのはオクターブ下です。
メロディと同じ動きを1オクターブ下で重ねるだけなので、外れる心配がありません。
そのうえで、定番の3度上と3度下は入れたほうがいいと思います。
そのときに気をつけたいのが、スケールを間違えないことです。
最初は Cメジャーか Aマイナーで曲を作り、ハモリの音が黒鍵に行ったら直す。
これを覚えるだけで、ハモリは簡単に作れるようになります。
私のように半音の数で下げてしまう失敗も、この確認で防げます。
慣れてきたら、6度下や、E7 のようなコードが入る所の直し方にも手を広げてみてください。
この記事で触れた歌声合成ソフトです。
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