UAD Complete 4 に入っているプラグインは、200本を超えます。
Neve、API、Manley、SSL と、名前だけなら聞いたことのあるものが、ひととおり並んでいます。
通常価格は ¥435,590 です。
本数で割れば1本あたり2,000円ほどなので、数字の上では確実に安いまとめ買いではあります。
それでも私は、このバンドルを買いません。
全部は使い切れないから、という理由だけではありません。
同じだけのお金を出すなら、先に欲しいものが私にははっきりあるからです。
200本の中身を1本ずつ見ながら、どこで判断が割れたのかを並べていきます。
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UAD Complete 4 はどこまで入っているのか
Universal Audio は、Plugin Boutique の製品情報の欄で、このバンドルを「UAD のライブラリのほぼ全体」と説明しています。
自社製だけでなく、Tube-Tech、Shadow Hills、C-Suite Audio といった他社と組んで作ったものまで含まれます。

「4」という数字は、このバンドルの世代です。
今回の版から新しく加わったものとして、Ocean Way Studios Deluxe、Anthem というシンセ、elysia の alpha コンプの新版、Maag EQ4 の MS 版、Shadow Hills のマスタリング用コンプ、SPL Vitalizer の新版、Teletronix LA-2A、UA 1176、それにギターアンプが2種類、といったところが挙げられています。
ひとつ前の版をすでに持っている人にとっては、新しく入った分のために差額を払うかどうか、という見方にもなります。
中身の内訳は、チャンネルストリップ、コンプ、EQ、テープ、リバーブ、ディレイ、アンプ、それにシンセやピアノなどの音源まで、ひととおりの種類をカバーしています。
ジャンルを問わず「足りない種類がない」状態を一度に作れる、という点がこのバンドルの最大の売りです。
買う前に確かめたいこと:多くは機材の上で動くもの
ここがいちばん大事なところです。
Plugin Boutique の製品情報の欄には、このコレクションの UAD プラグインは Apollo のオーディオインターフェイスか UAD の機材が必要で、一部のタイトルだけが macOS と Windows でそのまま動く、と注意書きが入っています。
一方で、同じページの動作環境の欄には、macOS 11 以降か Windows 10/11 と iLok アカウント、対応する DAW(Logic Pro、Pro Tools、Live、Cubase、Studio One、LUNA)が並んでいるだけです。
GarageBand では動かない、という注意も書かれています。
同じ会社のひとつ下のバンドルも事情は同じで、海外のニュースサイト rekkerd は2024年のセールの記事で、Apollo か UAD Satellite を持っていることを確かめてから買うように、とわざわざ書いていました。
UA の機材を持っていない人は、まず自分の環境でそのまま動くものがどれだけ入っているかを確かめてください。
私のように、パソコンだけで動く UADx 版を無料配布でもらって使っている立場だと、この一点で前提がまるごと変わります。
UA の値動きと、パソコンだけで動く版との違いは、会社ごとのページにまとめています。
Universal Audio(UAD)のセールはいつ?11月1日までの値段と、Complete 4を買う前に確かめること|無料でもらった2つしか持っていないボカロPの見方
中身を1本ずつ見ると、評価がきれいに割れた
まるごとの金額だけを見ていると判断できないので、入っているものを1本ずつ見てみました。
結果として、欲しいものと要らないものが、同じバンドルの中にきれいに混ざっていました。
Ocean Way Studios Deluxe:これは面白いと思った
有名なスタジオの響きを、マイクの位置ごと再現するタイプのプラグインです。
名前は知りませんでしたが、自分でリバーブの位置やマイクの位置を変えられるのはかなり面白いと思いました。
スタジオのスピーカーから鳴らして録り直す、いわゆる再マイクのようなこともできるようです。
ライブ会場で演奏した音と、DTM で作った音の差は、やはり空気感のところに出ます。
そこに生っぽさを足せるなら、部屋の響きを作るものは別枠で1つ持っていていいと考えています。
ただし、単体で買おうとすると価格はかなり上がるので、私の中では「興味はあるが、今はもっと優先したいものがある」という位置です。

公式が出している解説の動画です。
マイクの位置を動かしながら音が変わっていくところが分かります。
Ravel Grand Piano:音は好みでも、今の私には要らない
Steinway の Model B というグランドピアノを再現した音源です。
音そのものはかなり好みで、自分が思い浮かべるピアノの音に近いと感じました。
それでも、今の私には不要です。
ピアノはある程度そろっているので、次に買うとしたら、もっとグレードの高いものか、もっと種類の多いものになると思うからです。
ここが「全部入り」の難しいところで、音が好みかどうかと、自分の手持ちに足す価値があるかどうかは、別の話になります。
グランドピアノを1台も持っていない人にとっては、同じものが有力な選択肢に変わります。

コンプ:持っているもの、好みのもの、要らないもの
私が持っている UA のプラグインは、無料配布でもらった UADx 1176 とテープのディレイの2本だけです。
1176 は今もドラムとベースには挿しますが、ボーカルには使っていません。

いちばん低いレシオが4からで、歌に対しては強すぎると感じるからです。
その点でいうと、同じバンドルに入っている LA-3A のほうが私の好みでした。
レシオのつまみが無くてゆっくりかかる作りで、簡単に使いたいタイプの私にはありがたい形です。
ただ、コンプ自体は FabFilter でまかなえているので、私がここに足す必要はありません。
Logic の純正と UADx 1176 を比べた話は、1176 の記事にまとめています。
テープ系:ここだけは、はっきり欲しい
同じバンドルには FATSO というテープとコンプを1台にまとめたものが入っています。
公式の動画で聞いた限り、めちゃくちゃいい音で、どのトラックに対しても使えそうだと思いました。
テープ系をたくさん持つ必要は、正直ないとは思います。
ただ私はテープの音が単純に好きで、グランドピアノでもどこの会社のものかで差が出るのと同じように、微妙なニュアンスの違いを集めたいと思ってしまう側です。
特に、コンプが混ざったタイプのテープは手元に無いので、ここだけは単体でも欲しいと感じました。
このように、200本の中で私が本気で欲しかったのは数本でした。
残りは「音は好きだが要らない」か「もう持っている」のどちらかです。
まるごとではなく、使うものだけを足していく
全部入りがお得だということ自体は否定しません。
ただ、プラグイン系は音源と違って、全部使うのが難しく、役割も被ります。
コンプが何種類も増えても、結局いつも同じものを立ち上げる、ということが起こりがちです。
私はプロの作曲家ではなく、曲に使える時間も限られているので、個別に使うものだけを買っていくほうが合っています。
同じ UA のバンドルでも、本数を絞ったものがいくつか用意されています。
ひとつ下の Ultimate 14 は、同じ「まるごと」でも金額の桁が変わります。

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Ultimate 14 をどう見たかはUltimate 14 の記事に、45本の中から5本を選ぶ形のバンドルについてはPick 5 の記事にまとめています。
欲しいものが数本に絞れているなら、そちらのほうが無駄が出ません。
それでも、メーカーごと欲しくなることはある
まとめ買いを全部否定しているわけではありません。
そのメーカーが好きなら、まとめて買う形も十分ありだと思っています。
私の場合、それに当てはまるのは FabFilter です。
全部入りのバンドルがあって、セールで買える値段になったら買いたいと思っていますし、セールでなくても買える状況なら手を出すと思います。
Ample Sound も同じで、ギターもベースもまとめて入った全部入りには、正直かなり惹かれています。
音が本当に良いと思っているメーカーなので、まとめても無駄になる気がしないからです。

つまり、まとめ買いが合うかどうかは本数ではなく、そのメーカーをどれだけ信用しているかで決まります。
UA については、私はまだそこまでの位置にいません。
同じお金があったら、私は何を買うか
このバンドルを1本買える金額が手元にあったら、と考えると、候補はいくらでも出てきます。
まず Ample Sound の全部入り、それから同じ会社が出している中国の楽器の音源です。
音源でいうと、Heavyocity の Damage 2 と、同じ系統のドラムの音も前から欲しいと思っています。
ピアノなら、以前から挙げている VSL の 1887 がいちばん上にあります。

Damage 2 は、公式が出しているプリセットの試奏の動画を見ると、何に使う音なのかがすぐに分かります。
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ソフト以外でいえば、ハードのアウトボードや、オーディオインターフェイスも候補に入ります。
こうして並べてみると、私の欲しいものはプラグインの本数ではなく、音源と機材のほうに寄っているのが分かります。
だから Complete 4 は、私にとっては「良いバンドルだが、順番が後ろ」という結論になります。
Complete 4 にまとめて出していい人
反対に、まとめて買う価値がはっきりある人もいます。
次のどれかに当てはまるなら、一度にジャンルを埋められるぶん、効率は相当いいはずです。
- 本当に機材を何も持っていない初心者の人。最初に道具をそろえる段階なら、何を買うか迷う時間そのものが減ります
- 中級者以上でも、ずっと DAW の付属しか使っていない人。有料のものを1本も持っていないなら、ここで一気に土台が変わります
- UAD が気に入っていて、このメーカーを全部集めたい人。先に書いた「メーカーごと買う」が成立する人です
ただし、どの人の場合でも先に確かめるのは価格ではなく、自分の環境で動くかどうかです。
Apollo や UAD の機材を持っていないなら、まずそこを確認してから金額の話に進んでください。
過去のセール
確認できたものだけを並べます(ドルの表記は海外の告知記事の金額です)。
- 2024年7月〜9月2日:ひとつ前の世代の UAD Ultimate 12 が最大83%オフ。100本以上入った Standard が $599.99、Neve のプラグインが加わった Plus が $999.99(出典:rekkerd。このときも Apollo か UAD Satellite が必要と書かれています)
- 2026年10月2日〜11月1日:Plugin Boutique で ¥199,980(通常 ¥435,590・54%オフ)
UA のバンドルは、秋から年末にかけてまとめて下がる形が続いています。
年末のまとめはブラックフライデーの記事に置いています。
まとめ
UAD Complete 4 は、UA が作ったプラグインをほぼ全部まとめた、数字の上では文句のつけようがないバンドルです。
ただ、プラグインは音源と違って役割が被りやすく、本数が増えても立ち上げるものは結局決まってきます。
中身を1本ずつ見ていくと、私が本気で欲しかったのは数本でした。
そのぶんのお金を、音源や機材に回したいというのが今の私の答えです。
反対に、道具をまだそろえていない段階の人や、UA の音をまとめて手に入れたい人にとっては、一度で終わらせられる買い方でもあります。
買う前に、Apollo や UAD の機材が必要なものがどれだけ含まれるかだけは確かめてください。
UAD をメーカーごと全部そろえたい人に。
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UA の音をまとめて欲しいが、まるごとまでは出せない人に。
🔥 セール中 ¥84981(通常 ¥174130)〜11/1まで:Universal Audio UAD Ultimate 14 を見る →
欲しいものが数本に絞れている人に。
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