ACE という名前は「Any Cable Everywhere」の頭文字です。
どの出力からどの入力へでもケーブルをつなげる、u-he のシンセです。
調べてみた結論から書くと、私は今の値段ならいらないと判断しました。
もっと新しくて良いシンセがたくさんあるので、お金をかけるならそちらの方が得だと感じたからです。
ただ、音が気に入った人なら、買う価値はあると思っています。
Pigments を使っているボカロPの目線で、ACE がどんなシンセで、どんな人なら買う価値があるのかを調べました。

u-he ACE を Plugin Boutique で見る →
ACE は、配線済みのまま鳴って、あとからつなぎ替えられるシンセ
ACE は、ドイツのシンセメーカー u-he のソフトシンセです。
種類としては「セミモジュラー」と呼ばれるものにあたります。
モジュラーシンセは、音を出す部品や音を削る部品をケーブルでつないで、音の流れを自分で組み立てる楽器です。
セミモジュラーはその手前の形で、最初から配線ができているので、何もつながなくてもそのまま鳴ります。
そこからケーブルを足したり、つなぎ先を変えたりすると、音の動きが変わっていきます。
u-he は公式サイトで、ACE をモジュラーの入口になるシンセとして紹介しています。

画面には、左から LFO(音を揺らす部品)、VCO(音を出す部品)、MIX、VCF(音を削るフィルター)、ADSR(音の立ち上がりと消え方を決める部品)が並んでいます。
色のついた線が、いまつながっているケーブルです。
中身は、u-he 公式の説明によると次のとおりです。
- 音を出す VCO が2つ、フィルターが2つ、LFO が2つ、ADSR が2つ
- LFO は耳に聞こえる高さまで上げられるので、2つ目、3つ目の音源としても使える
- 同時に鳴らせるのは最大16音で、1音に最大8つの声を重ねて厚くできる
- コーラス、ディレイ、低音と高音の調整の3つのエフェクト付き
Mac は Intel と Apple シリコンの両方に対応していて、AU で動くので Logic でも使えます(Plugin Boutique の動作環境より)。
単体のアプリではなく、DAW の中で開くプラグインです。
アナログの「ずれ」まで、つまみで足せる
ACE の音を出す部品は、アナログの回路をまねて作られていて、音程や音色が少し揺れる性質も入っています。
その揺れを強めるつまみが、tweak という画面にまとまっています。

左下の circuit bending には、slop(ずれ)、crosstalk(音の混ざり)、osc cap failure(部品の不調)の3つがあります。
どれも、古いアナログの機材で起きていた「くせ」を、わざと足すためのものです。
真ん中の mapping generator は、自分で描いた形の値を音に送る仕組みです。
左上では、重ねた8つの声の音程を1つずつずらせます。
公式の動画を見て、聞いた印象
ACE は、調べるまで知りませんでした。
u-he 公式の紹介動画は4回に分かれたシリーズで、どれも少し前に作られたものです。
この動画で見た画面は、私にはかなり古そうに見えました。
聞いた音も、よくある古いシンセの音、という印象を受けています。
ケーブルをつなぎ直して音を作れるのは、このシンセのいちばんの特徴です。
ただ私は、つなぎ直せるかどうかより、出てくる音で決めたいと思いました。
動画で聞いた範囲では、少し古い音に感じたので、あまりいい印象は持てませんでした。
これは、私が動画で見て聞いた印象で、ACE を自分で鳴らしたわけではありません。
プリセットと、Plugin Boutique だけの ACE+ Bundle
自分でケーブルをつながなくても、プリセットから音を選べます。
フォルダーは、ベース、リード、鍵盤、パッド、コード、打楽器、リズムのある音などに分かれています。

Plugin Boutique では、ACE 本体に別の会社のプリセット集を3つ付けた ACE+ Bundle も売られています。
Plugin Boutique だけのセットで、付いてくるのは Resonance Sound の CFA CableDance、CableForce、CableSphere です。

CableDance は、太いベースやシーケンス、アナログ風のドラムの音を集めたもので、エレクトロやハウス向けとされています。 3つを別々に買うより安くなる組み合わせです(Plugin Boutique の表示より)。
u-he ACE+ Bundle を Plugin Boutique で見る →
Pigments を使う私が、ACE を買わない理由
私がふだんシンセで使っているのは Pigments です。
u-he のシンセは、ほかにも Bazille と Hive 2 を調べたことがあります。
Bazille のときは、デザインが少し古く見えて、私はモダンな見た目の方が好きなので、Pigments で十分と考えました(Bazille を調べた記事)。
Hive 2 は、音が Pigments に結構近く、役割も近いと感じています。
ACE も、今の値段なら私はいらないです。
古いシンセなので、今ならもっといいシンセがたくさんあると思うからです。
Pigments をどう使っているかは、こちらに書いています。
Pigments レビュー|Dexed・Vitalが合わず流れ着いた、ボカロ制作のファーストチョイスにしているシンセの話
再生がまだ少ないボカロPが、新しいシンセにお金をかける意味
私は、音楽で成功している方ではありません。
それでも、いちばん大事なのは、成功するまで続けることだと思っています。
続けていると、どうしても飽きが来ます。
その飽きをなくすために、新しくて面白い機材を使うのは、続けるためにもある意味で大切です。
だから、ACE の音が気に入ったのなら、買っていいと思います。
ただ、新しい音楽はどんどん出てきているので、私は新しい機材を買う方が ACE より得だと感じています。
u-he のシンセがセールでいつ下がるかは、u-he のセールの記事で分かります。
まとめ:古い音が好きなら、つなげるシンセは面白い
u-he ACE は、最初から配線ができていてそのまま鳴り、ケーブルをつなぎ直して音を変えられるセミモジュラーのシンセです。 アナログのずれを足す仕組みや、ACE+ Bundle のプリセット集もあります。
Pigments を使っている私は、今の値段なら買いません。
古いシンセより、新しい機材にお金をかけた方が得だと感じたからです。
それでも、ACE の音が気に入ったなら、飽きずに曲を作り続けるための1台として買う意味はあると思います。
動画で ACE の音を聞いて、気に入った人に。
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モダンな見た目のシンセを1本で済ませたい人に。
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