自分の曲を聞いていて耳が痛くなるとき、私の場合は4000Hz 付近が出すぎていることがほとんどです。
ローファイ寄りの加工をしたときや、デジタル系の音に寄せたときにも、耳がキンキンしやすくなります。
直し方はシンプルで、まず EQ で削り、それで足りなければダイナミック EQ を使います。
ボカロの声が刺さるときも、基本は高いところを下げるだけです。
この記事では、Logic Pro でボカロ曲を作っている私が、刺さる音をどこで見つけて、どう削り、最後にどう確かめているかを、実際の画面でまとめました。
なお、「サ」「シ」「ス」の音がチクチクする歯擦音は、別の記事で詳しく書いています。
ここでは、それ以外の高い音のきつさと、聞いていて耳が疲れる問題に絞ります。
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耳に刺さるのは、4000Hz 付近が出すぎているとき
「刺さる」「聞いていて疲れる」と感じたことは、私にもあります。
多いのは、4000Hz 付近が高くなっているときです。
人の耳は、このあたりの帯域を大きく感じやすいと言われています。
同じ音量でも、ここが少し出ているだけで、急にきつく聞こえることがあります。

上は Stereo Out に挿している iZotope の Tonal Balance Control です。
4000Hz は、右から2つ目の High-Mid の帯域に入ります。
刺さりやすくなるのは、音作りでわざと高いところを汚したり、硬くしたりしたときです。
ローファイ寄りの加工をしたときや、デジタル系の音にしたときは、耳がキンキンすることが多々あります。
まずは EQ で削る。足りなければダイナミック EQ
刺さると感じたとき、私がやることはEQ で削るのが一番です。
出すぎている帯域を見つけて、そこを少し下げるだけで、耳の痛さはかなり和らぎます。

EQ は FabFilter の Pro-Q 4 を使っています。
普通の EQ で削ると、その帯域は曲のあいだずっと下がったままです。
それで音がこもってしまうときに使うのが、ダイナミック EQ です。
ダイナミック EQ は、決めた帯域の音が大きくなったときだけ下がり、静かなときは元のまま残ります。
つまり、きつく出た瞬間だけを削れるので、高いところの明るさを全部失わずに済みます。
Pro-Q 4 は、このダイナミック EQ を同じ画面のまま使えます。
低いところだけ、高いところだけを抑えたいときも、私は Pro-Q のダイナミック EQ でやっています。
ほかに、Sonnox が無料で配っていたプラグインも、きついところを少し削る用途で使っています。
Pro-Q 4 の使い方そのものは、Pro-Q 4 のレビューに書いています。
ボカロの声が刺さるときは、ハイを下げる
SynthV や VOCALOID の声が刺さると感じたときも、やることは同じです。
基本的にはハイ(高いところ)を下げるようにしています。

これはボーカルのトラックに挿した Pro-Q 4 です。
プリセットのものですね。
右のほうにある赤い帯が高い帯域で、下げる方向に動くようにしてあります。
帯の幅は、ダイナミック EQ として下がる範囲を表しています。
ボーカルのチャンネル全体は、次のような並びです。

Pro-Q 4 が2つ入っていて、その間にある SpecCraft がディエッサーの役をしています。
高いところのきつさは EQ、サ行の痛さは SpecCraft、と役割を分けているわけです。
サ行のチクチクが気になる人は、こちらから読んでください。
ディエッサーはボカロに要る?|初音ミク・GUMI・テトでサ行に困らなかったボカロPが、それでもEQとコンプの後ろに1つ挿している理由
刺さりはその場で気づく。最後はモニターと車で確かめる
刺さる音は、作業中にその場で気づくことがほとんどです。
聞いていて耳が痛いので、基本的には分かります。
ただ、まれに、フラットなモニタースピーカーで聞かないと分からないこともあります。
そこで、耳だけに頼らず、目でも確かめています。

Stereo Out には Insight 2 と Tonal Balance Control を挿していて、帯域のバランスを見ながら調整します。
そして最後は、車の中で、カースピーカーで聞きます。
ほかの曲と自分の曲を続けて流し、そこで聞き比べて微調整しています。
Stereo Out の Ozone や音圧の話は、音圧が上がらない原因とマキシマイザーの記事にまとめています。
初心者がまず気をつけたいのは「EQ の管理」
耳が痛いミックスにならないために、ひとつだけ伝えるなら「EQ の管理」です。
高い音は削る、低い音は伸ばす、というバランスを意識するだけで、聞き疲れはかなり減ります。
特に気をつけたいのが、デジタル系の音です。
シンセなどのデジタル系の音に寄せたり、ローファイ寄りの加工を足したりしたら、ときどき全体を聞き直してみてください。
逆に、削りすぎて曲が寂しくなったときは、曲がスカスカに聞こえるときの直し方が参考になると思います。
ミックス全体の流れはボカロ曲のミックスのやり方に、EQ の選び方はEQ プラグインのおすすめに書いています。
まとめ:削ってから、別の場所で聞き直す
ミックスが耳に刺さるときは、まず 4000Hz 付近を疑い、EQ で削ります。
それでこもるなら、きつく出た瞬間だけを抑えるダイナミック EQ に切り替えます。
ボカロの声も、基本はハイを下げるだけです。
刺さりの多くはその場で気づけますが、最後はモニターや車など、普段と違う場所で聞き直すのが確実です。
特別なプラグインがなくても、手元の EQ で十分に直せるので、まずは今ある EQ で削るところから始めてみてください。
この記事で紹介したプラグインです。
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SpecCraft を Plugin Boutique で見る →
iZotope Tonal Balance Control 3 を Plugin Boutique で見る →







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