EQのプラグインは、いまは無料EQで足りる?という記事に書いたとおり、Logic純正のChannel EQ → 無料のEQ、という順で使ってきました。
そのあと、EQ・コンプ・リバーブの3つを良いものに替えようと思って、FabFilterのEssentialsバンドル(Pro-Q 4/Pro-C 3/Pro-R 2)をブラックフライデーのセールでまとめて買いました。
45,000円くらいだったと思います。どのバンドルを選ぶかはFabFilterのバンドルはどれを買えばいい?にまとめたので、ここではPro-Q 4だけを、実際にどう動かしているか記事に書きます。
結論から先に言うと、いまはもう純正のEQも無料のEQも立ち上げていません。
Logic ProのEQですが、くっついている画面がデカくてついつい押してしまいますがね。
今は全部Pro-Q 4です。全トラックに1つずつ挿しています。
まずは公式の紹介動画を貼っておきます。
挿した直後はこういうまっさらな画面です。ここから、たいていは同じ順番で触っていきます。

まず、ローカットから
新しいトラックにPro-Q 4を挿したら、まずローカットから始めることがほとんどです。
値の決め方に決め打ちはあまりしていません。
低音が要らない音(上モノのシンセやパッドなど)は、わりと高いところから思いきって切ります。
低音がある音は、キックやベースとぶつからない位置を探して切ります。
どこで切るかは、次に書くアナライザーを見ながら決めています。
下記画像はプリセットですが、ローカットは似たような感じになります。

上はボーカルに挿したPro-Q 4です。
プリセットから入って、ローカットと、耳につくところを何か所か整えています。
目安として、よく使う値はこのくらいです。
ベース:100Hzくらいから下を整理する
ベースは100Hzあたりから下を、キックと帯域を分けるつもりで整理します。
切りっぱなしにするというより、キックの居場所を空けるための場所づくりです。

キック:ローカットはしない
キックのように低音そのものが主役の音は、ローカットしていません。
キックはプリセットを使うことが多くて、そこから少し整えるくらいです。
低いほうの不要な超低音は、次に書くマスター(ステレオアウト)でまとめて処理します。

ステレオアウト:不要な超低音だけ
マスター(ステレオアウト)にもPro-Q 4を1つ挿していて、そこでは20〜40Hzの、曲に要らない超低音だけを急な傾きで落としています。
ここを整理しておくと、この先の音圧の処理がきれいに効きます。いわゆる聞こえない不要な音を削除しています。
詳しくはマキシマイザーは必要?に書きました。

アナライザーは「見る」より「聴く」
Pro-Q 4のアナライザーはかなり使っています。
ただ、使い方はカーブを見るというより、帯域をソロにして実際に鳴らして聴くほうが多いです。
「この曲のこの音の、この帯域だけ聴くとどうなっているか」を耳で確かめて、そこを動かすかどうか決めています。
昔は、複数のトラックのぶつかりを赤く表示してくれるコリジョン機能もよく使っていました。
いまはあまり使っていません。
そこまでぶつかっていない音まで赤く出てしまうのと、どの音がどの帯域で干渉しやすいかが、曲を作っているうちに感覚で分かってきたからです。
Pro-Q 4になって増えた機能は、正直どれが新しいのか把握できていません。
増えたところを使いこなしているというより、昔から同じ使い方をしている、というのが実際のところです。
Mid/Sideで場所を作る
ここが、Pro-Q 4を単体で取り上げたかった一番の理由です。
Mid/Sideの処理を覚えてから、曲の仕上がりがはっきり変わりました。
特に初心者のうちほど効くと思います。
やっていることはシンプルで、ボーカルはMid(真ん中)を残す。
ボーカル以外のコード楽器(ピアノ・パッド・ギターなど)は、そのMidを中心に削る。
これでボーカルの居場所が空きます。

上はコード楽器をまとめたバスに挿したPro-Q 4で、真ん中の帯域を広めに1つ削っているだけです。
派手なことはしていません。
低音は逆で、ベースなどはMidを上げて、代わりに低い帯域のサイド(左右に広がっている成分)を削ってモノラルに寄せます。
ドラムの低いところも同じで、サイドを削ります。
高い帯域は反対に、Midを少し削ってサイドを上げると、曲全体が広がって聞こえます。
ダイナミックEQは「痛いところ」に
Pro-Q 4のダイナミックEQも普段からよく使いますが、メインの用途はボーカルのダッキングです。
歌っている間だけコード楽器の帯域が少し下がるようにしておくと、濁らずに歌が前に出ます。
この手順は無料EQで足りる?に細かく書いたので、そちらへどうぞ。
ダッキング以外だと、ピアノなどで4000Hzあたりが耳に痛くなることがあって、そこにダイナミックのバンドを1つ置いて、痛い瞬間だけ叩く、という使い方をします。
気になる音が出てきたら、そこをピンポイントで動的に抑える、という感じです。
これはフラットモニターを使った方がより分かりやすいかと。PCのスピーカーとかだと、あまり痛くないことも多いですね。

プリセットはむしろ積極的に使う
Pro-Q 4は、プリセットから入って、そこから少し動かすのが基本の使い方です。
ゼロからカーブを描くより速いし、プリセットの名前(Bass、Vocals、Drums…)を見れば、だいたいどのあたりを触ればいいかの当たりがつきます。

前に書いたとおり、いまは純正のChannel EQも無料のEQも立ち上げていません。
EQは完全にPro-Q 4だけになりました。
ボーカル1本のインサートの並びはボーカルの処理についてにまとめてあります。
正直な話:不満はほぼない
使っていて困っているところは、ほとんどありません。
強いて言えば、プリセットがもう少し増えてくれるとうれしいのと、説明の表記が英語なので、日本語話者の自分には読むのが少しめんどう、というくらいです。
操作そのものは分かりやすいと思います。
競合として気になっていたものはあります。ひとつはThree-Body TechnologyのKirchhoff-EQで、これは値段が安かったので迷いました。
もうひとつはoeksoundのsoothe2です。
耳につく帯域を勝手に見つけて抑えてくれるタイプで、これも評判で気になっていました。
完全なEQとは異なるかと思いますがね。よく名前は聞いていましたね。
それでも結局Pro-Q 4にしたのは、プロのほとんどがPro-Qを使っていたからです。
作った曲について人に相談したり、解説記事を読んだりするときに、みんなが使っているものだと話が早い、というのが大きかったです。
Pro-Q 4は買うべきか
初心者ほど、入れると変わると思います。
たとえるなら、プリセットが用意されている道具と、ゼロから自分で組み立てる道具の違いです。
EQに詳しい人なら、Logic純正のChannel EQでも十分に戦えます。
しかし、まだEQで何をどうすればいいか手探りの段階だと、カーブが目で見えて、プリセットもあるPro-Q 4のほうが、明らかに時間の節約になります。
そのうえで、もしプラグインにお金を出す順番を1つだけ選ぶなら、まずEQだと思っています。
コンプは最悪、純正のCompressorでもいい(Logicのコンプは純正で足りる?)。
ですが、EQは、良いものを1つ入れると全トラックの底上げになるので、最優先で買っていい場所です。
音は波長であるので、それをいじるEQは最優先でいいかと。
価格は2026年時点でPlugin Boutiqueの表示が¥34,680(セールなし)。
EQだけを単体で買うか、EQ・コンプ・リバーブをまとめて良くしたいならEssentialsバンドルのほうが1つあたりの単価は下がります。
円・ポイント・まとめ買いの条件で見比べてください。
どちらにしても、いちばん安いのはブラックフライデーです(DTMのブラックフライデー2026/プラグインのセールは待つべき?)。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
まとめ
Pro-Q 4は、全トラックの土台として1つずつ挿しておくものです。
純正のEQでも曲は完成しますが、まずローカット、次にMid/Sideで場所を作るという一連の作業が、速く・正確に決まるのがPro-Q 4を使う一番の価値だと感じています。
もちろんどのEQでも、ほとんどの操作はできます。
Mid/Sideは、覚えるまでは何をしているか分かりにくいですが、覚えると曲の見通しが本当に変わります。
まずはボーカルのMidを残して、コード楽器のMidを削るところからで十分です。





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