「Auto-Tune をかければ、ボカロの声ももっとプロっぽくなるのでは」。
セールの一覧で AutoTune Pro 11 を見かけると、一度はそう考えると思います。
私は Logic で、歌声合成ソフトを使ってボカロ曲を作っています。
ただ、Auto-Tune は使ったことがありません。
今の私は、歌声合成の声にピッチ補正もケロケロ(声をわざとロボットのように揺らす効果)もかけていません。
この記事は、使っていない立場から公式の情報と過去のセールを調べて、「ボカロPが今これを買う必要があるか」を整理したものです。
AutoTune Pro 11(Antares公式サイト) →
先に結論:歌声合成で作るなら、急いで買うものではない
私の答えは、自分には今は要らない、買うとしても半額のときです。
歌声合成の声は、音程を最初からノートで決めて作ります。
録音した人の声のように、音程が大きくずれた状態から始まるわけではありません。
直したいところは、書き出す前の調声で直せます。
一方で、Auto-Tune の公式動画を見ると、良さそうだとも思いました。
お金に余裕があれば欲しい、というのが正直なところです。
AutoTune Pro 11 は、過去に何度か50%オフまで下がっています。
欲しくなったとしても、定価で急いで買うより、その時期を待つほうがいいと考えています。
AutoTune Pro 11 はどんなソフトか:自動で直すモードと、1音ずつ直すモード
AutoTune Pro 11 は、Antares のピッチ補正ソフトです。
歌の音程を、決めたキーとスケールの音に合わせて直します。
使い方は大きく2つあります。
1つは、挿すだけで音程を自動で寄せていく Auto Mode です。
もう1つが、録った歌の音程を画面で見ながら1音ずつ直す Graph Mode です。
緑の線が実際に歌った音程で、青い四角が直す先の音になります。

ケロケロの効果は、音程を寄せる速さ(Retune Speed)をいちばん速くしたときに出る音です。
Pro 11 では、この速さを音ごとに変えられます。
たとえば、サビの1音だけケロケロにして、ほかは自然に寄せる、という使い分けができます。
昔の Auto-Tune の音に近づける Classic の切り替えも入っています。

Logic ユーザーにとって大きいのは、ARA2 に対応していることです。
Logic の中で、トラックを書き出し直さずに Graph Mode で直せます。
11 で新しく入ったのが、4声のハモりを作れる Harmony Player です。
ハモりの音程・左右の位置・音量を1つの画面で決め、MIDI で鳴らすタイミングも指定できます。

いまの AutoTune は3種類:Pro 11・Advanced・AutoTune
調べて意外だったのは、AutoTune の種類が今は整理し直されていることです。
以前あった Artist や Access は終わり、公式サイトに並んでいるのは次の3つになっています。
- AutoTune Pro 11 … Graph Mode で1音ずつ直せる、細かく作り込む人向けの版
- AutoTune Advanced … 新しく出た版。ビブラートを残したまま自然に直すことと、遅れの少ないライブ用のモードが売り
- AutoTune(発売時の名前は AutoTune 2026)… 自動で寄せることに絞り、つまみを減らした版
いちばん下の AutoTune は、Pro 11 を置き換えるものではなく、別の選択肢として出ています。
画面を見ると、大きな Retune Speed のつまみと鍵盤だけの、かなりシンプルな作りです。

「ケロケロの音が欲しいだけ」なら、Pro 11 まで要らないかもしれません。
ほかに、AutoTune 全部とボーカル用のツールを月額や年額で使える AutoTune Unlimited というサブスクもあります。
公式動画を見た感想:簡単そうに見えるが、慣れが要りそう
Antares の公式の紹介動画も見ました。
見た限りでは、とても良さそうです。
ただ、こういう動画は簡単そうに見えても、自分の曲でやると同じようにはならないことが多い、とも感じました。
Auto-Tune も、買えばすぐに曲が良くなるものではなく、使いこなすまでの慣れが要るものだと思っています。
私が歌声合成の声にピッチ補正をかけていない理由
今の私のボーカルのチェーンには、ピッチ補正は入っていません。
合成音声は、そもそも音程がそこまでずれにくいからです。
音程は、歌声合成ソフトのピアノロールでノートを置いた時点で決まります。
直すのは、気になったところだけです。

ケロケロも、今の曲ではかけていません。
もしかけるとしたら、すでに持っている iZotope の VocalSynth 2 でやるくらいだと思います。
VocalSynth 2 は、声にボコーダーやトークボックスのような色を足すプラグインです。
私は間奏や Dメロで、声の飛び道具として使っています。

iZotope VocalSynth 2 を Plugin Boutique で見る → 🎁 この商品を Plugin Boutique で買うと、無料ギフトを1つ選べます:StereoSavage 2 Elements/Gorilla Drive/ChordAXE Lite/Melodyne 5 Essential ※9/29確認。ギフトは入れ替わります
声の飛び道具をどこで使っているかは、ボカロの声に飛び道具をかけるなら間奏とDメロ に書いています。
同じピッチ補正ソフトの Melodyne について、歌声合成で作るなら今は要らないと考えた理由は、こちらにまとめました。
Melodyneのセールはいつ?過去の値動きと買い時|歌声合成で作るボカロPが、ピッチ補正ソフトを「今はいらない」と思う理由
過去のセール
AutoTune Pro 11 は、確認できた範囲で次のように半額まで下がっています。
- 2025年2月27日〜3月16日:Plugin Boutiqueで$229.50(通常$459・50%オフ)
- 2025年5月:Antares の春のセールで、AutoTune Pro 11 を含む買い切りの製品が50%オフ
- 2025年11月(ブラックフライデー):$250(通常$500・50%オフ)。AutoKey 2 と Vocodist が付いた
出典:rekkerd(2025年2月)・rekkerd(2025年5月)・rekkerd(2025年11月)
2月〜3月、春、ブラックフライデーと、1年に3回は半額のセールが来ています。
私が買うとしても、50%オフくらいまで下がったときがありがたいです。
なお、2026年10月6日の時点では、Plugin Boutique で AutoTune の製品ページが見つかりませんでした。
買うときは、Antares の公式サイトかほかの販売店で、その時のセールを確かめてください。
向いていそうな人と、急がなくていい人
ここからは、私が使った感想ではなく、製品の作りから見た整理です。
向いていそうなのは、自分や人の歌を録音して曲を作る人です。
録った歌は音程がずれるので、Graph Mode で1音ずつ直せる Pro 11 の良さが生きます。
ケロケロをはっきりした音として曲に入れたい人や、ハモりを手早く作りたい人にも合いそうです。
ケロケロの音だけが目的なら、シンプルな AutoTune を候補に入れてもいいと思います。
急がなくていいのは、私のように歌声合成だけで曲を作っている人です。
音程は調声で決められるので、まずはそちらを詰めたほうが曲は良くなります。
調声のやり方は、ボカロの調声のやり方 に書いています。
まとめ
AutoTune Pro 11 は、録った歌を自動でも手でも直せて、ケロケロもハモりも作れるピッチ補正ソフトです。
いまは Pro 11・Advanced・AutoTune の3種類があり、細かく直したい人向けが Pro 11 です。
公式動画は良さそうでしたが、使いこなすには慣れが要りそうです。
歌声合成で作っている私は、今は買う必要がないと考えています。
買うなら、春やブラックフライデーの50%オフを待つのがいいと思います。
声の飛び道具や、ピッチ補正のほかの選択肢も、下に並べておきます。
AutoTune Pro 11(Antares公式サイト) →
iZotope VocalSynth 2 を Plugin Boutique で見る →
Celemony Melodyne 5 Essential を Plugin Boutique で見る →







コメントを残す