Vengeance Q4ntum を調べてみた|ディレイを3層重ねる、Avengerの会社の新型マルチエフェクトの話

本記事はアフィリエイトプログラム(Plugin Boutique 等)を利用しています。リンク経由の購入で売上の一部が当サイトに還元されますが、価格は変わりません。

 

Cableguys の ShaperBox 3 を、私はいまベースのダッキングくらいにしか使えていません。

買ったときは「多機能なエフェクトラックがあれば色々できそう」と思ったのですが、実際に定番化したのは1つだけでした。

 

そんな中で Vengeance(シンセ Avenger で知られる会社です)が Q4ntum という新しいマルチエフェクトを出したのを見かけました。

ShaperBox 3 と同じ「1台で何でもできるエフェクトラック」枠に見えたのですが、中身を調べてみると軸になっている考え方がだいぶ違いました。

 

まだ使っていません。気になって調べた段階の記事となります。

買うかな。悩みますね。

 

Q4ntumは何をするプラグインなのか

中心にあるのは3つの独立したディレイエンジンです。

それぞれのエンジンにディレイタイムやフィードバックだけでなく、最大3つのインサートエフェクトを挿せます。

そこにマスターレイヤーが加わり、追加のエフェクト3つ・専用リバーブ・リミッターが乗る、という4層構造です。

 

エフェクトの種類は27種類、それを12個のFXスロット(ディレイ3層×3+マスター3)から選んで組みます。

プリセットは673個。

ディレイを完全にオフにして「FXのみ」で使うモードもあり、その場合は普通のマルチエフェクトとしても機能するようです。

 

Vengeance Q4ntum のマスターレイヤー画面。3系統のディレイエンジンを束ねるマスターセクションが表示されている

 

これがマスターレイヤーの画面です。

こういう画面を見るとワクワクしますね。

3つのディレイエンジンから出てきた音を、ここでリバーブとリミッターにまとめて通します。(画像は Vengeance Sound 公式サイトより)

 

3層のディレイ+モジュレーションという設計

もう一つの軸が、モジュレーションです。全パラメータを、テンポ同期のステップシーケンサーか、フレキシブルなn点エンベロープでアニメーションできる、と説明されています。

フィードバックループの中でエフェクトを処理する仕組みもあるようで、ディレイの返しを重ねるたびに音色が変わっていくような使い方ができそうです。

 

Vengeance Q4ntum のディレイレイヤー2の画面。インサートエフェクトとモジュレーションのステップシーケンサーが並ぶ

 

これがディレイレイヤーの1つです。

左側にインサートエフェクトのスロット、下にステップシーケンサーが見えます。

1つのディレイに対して、ここまで作り込めるプラグインは私が知っている範囲では多くありません。(画像は Vengeance Sound 公式サイトより)

 

ShaperBox 3との違い

ShaperBox 3 は、描いたLFOの形をエフェクトにそのまま反映するプラグインです。

ボリューム・フィルター・パンなど11種類の「シェイパー」があり、リズミックなダッキングやゲート、パンピングを作るのが得意でした。

私が定番にしているベースのダッキングも、まさにこの仕組みです。

 

Q4ntum は違う入り口から同じ「多機能エフェクトラック」に行き着いています。

ディレイエンジンを重ねて音を空間的に配置していくのが軸で、リズミックなダッキングよりは、広がりのあるアンビエントなテクスチャーやサウンドデザイン寄りの使い方に向いていそうです。

Portal の「飛び道具枠」に近い立ち位置かもしれません。

 

どちらも「1台で何でもできる」系ですが、ShaperBox 3 は既存の音を波形で加工する道具、Q4ntum はディレイという素材そのものを作り込んでいく道具、という理解でいます。

 

まずは公式の紹介動画を貼っておきます。開発者本人が機能を一通り説明している動画です。

私は人なしで、画面の説明が好きなので、画面だけだとありがたい。

4分20秒ぐらいが画面ですね。

 

使うならどんな場面か

ボカロ曲だと、サビ前の一瞬とか、Aメロからサビへの繋ぎ目に「ワンフレーズだけ違う質感を足したい」ことがよくあります。

Q4ntum のディレイを3層重ねて、それぞれ違うタイミング・違う音色で鳴らせば、そういう一瞬の飛び道具を1台で作れそうです。

ボーカルのアドリブフレーズにだけ薄くかけて奥行きを出す、という使い方も試してみたいですね。

 

Vengeance Q4ntum のディレイレイヤー3の画面

 

3層目のディレイレイヤーです。

エンジンごとに別の設定を持たせられるので、3つ同時に鳴らすと単純なディレイとはだいぶ違う音になりそうです。(画像は Vengeance Sound 公式サイトより)

 

逆に、ミックス全体を整えるような場面には向いていないと思います。

あくまでディレイ・空間系の飛び道具として見ています。

 

価格・入手(2026年9月時点)

公式サイトでは €89、Plugin Boutique の日本語ページでは ¥17,378 と表示されていました(導入価格か通常価格かの記載は見当たりませんでした)。対応フォーマットは VST3 / AU / AAX(64bit)、Windows 11・macOS 10.14 以降。

 

Q4ntum を Plugin Boutique で見る →

 

まとめ

「ディレイエンジンを重ねて空間を作る」という軸は、ShaperBox 3 とも Portal とも違う切り口で面白いと感じました。

ただ、いま自分が本当に欲しいのはベースのダッキング以上の何かなのか、ワンポイントの飛び道具なのか、そこがまだはっきりしていません。

デモ版が出たら、まずはサビ前の一瞬に使う用途で試してみようかと。ボカロでワンポイントで使えると思うのですが。どうでしょうね。

 

Plugin Boutiqueの買い方セール全体の話もあわせてどうぞ。

 

Q4ntum を Plugin Boutique で見る →

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。