Song Cage Melody Rack を調べてみた|歌ったメロディからコードを逆算するMIDIエフェクトの話

Scaler 3 のレビューで書いたとおり、私は曲を作り始める前にコードでつまずいて、この製品でそこを一つ越えました。

やり方はキーとスケールを選んで、出てきたコード候補から選ぶという、いわばトップダウンな進め方です。

 

そんな中で見つけたのが、Song Cage の Melody Rack という新しい MIDI エフェクトです。

こちらは逆に、先にメロディがあって、そこからコードを逆算するという、ボトムアップな作りになっていました。

 

まだ使っていません。気になって調べた段階の記事になります。

メロから逆算するのは珍しいですね。リハーモナイズ的な感じでしょうか。

 

Melody Rackは何をするプラグインなのか

使い方はシンプルで、旋律を3つの方法で取り込みます。

マイクで歌う(Sing)、MIDIキーボードで弾く(Keys)、既存トラックの音をそのまま通す(Play)です。

取り込んだ旋律はセッションのグリッドにMIDIとして着地し、そこから14個のMIDIエフェクトのラックを通っていきます。

 

エフェクトの中身は、旋律からコード進行を作る Chords、キーやコードから外れた音を補正する In Key、対旋律を足す Harmony、歌唱表現を保つ Expression、骨組みの音を残して新しい旋律を作る Bones、既存の歌唱に呼応するフレーズを作る Reply、2つのテイクを補間する Morph、アルペジエーターの Arp、音列を転回・逆行させる Motif、リズムパターン化する Euclid、コード対応のディレイ Echo、音域調整の Register、確率的にフレーズを作る Chance、スウィングやヒューマナイズの Feel、と多岐にわたります。

売りはすべてのエフェクトがコード進行を認識することだそうです。

 

Song Cage Melody Rack の画面。歌ったメロディのピッチカーブと、自動生成されたコード名、14個のMIDIエフェクトのラックが表示されている

 

これが実際の画面です。

上段に歌ったメロディのピッチカーブ、コード名が小節ごとに表示され、下段に14個のスロットが並んでいます。

この例だと Chords・In Key・Harmony・Feel・Expression の5つが有効になっているようです。(画像は Song Cage 公式サイトより)

 

Scaler 3との違い:トップダウンかボトムアップか

Scaler 3 は、まずキーとスケールを決めて、そこからコード候補を選んでいく道具でした。

曲の土台がまだ何もない状態から始めるのに向いています。

ただレビューにも書いたとおり、ボイシングや転回は結局手動で調整することが多く、コード進行そのものは提案してくれても「自分の曲」にするには手を入れる必要がありました。

 

Melody Rack はスタート地点が逆です。

すでにある旋律(鼻歌でも仮のトップメロディでも)を入力にして、そこに合うコードを後から当てはめます。

旋律が先にあるぶん、出てくるコードは「その旋律のための」ものになりやすいはずです。

一方で、そもそも旋律が思いつかない、白紙の状態から始めたいという場面には向かないと思います。

コード進行の記事で書いた「転回・ボイシング」の作り込みも、Melody Rack がどこまで肩代わりしてくれるかは未知数です。

 

まずは公式のクイックスタート動画を貼っておきます。

うーん。あまりピンと来ませんね。

 

Song Cage本体との連携

Melody Rack は単体で完結する製品で、Song Cage という別売りの作曲アプリを持っていなくても使えます。ただしラックの中に「Send to Song Cage」というボタンがあり、押すと生成したコードとメロディのMIDIデータ(音声ではなく)が Song Cage 本体に送られる仕組みになっています。

歌詞・コード・メロディ・曲構成を1つのタイムラインで扱う本体アプリと、あとから合流できる作りのようです。

 

Song Cage 本体がどんなものかは、公式の紹介動画がわかりやすかったので貼っておきます。

こちらはわかりやすいですね。

 

使うならどんな場面か

ボカロ曲だと、先にトップメロディだけ鼻歌やキーボードでできていて、コードが決まっていない、という順番になることがよくあります。

そういうときに Melody Rack で旋律を通せば、その場でコード候補と対旋律の叩き台ができる、という使い方はできそうです。

逆に、コードから曲を組み立てるタイプの人には出番が少ないと思います。

私はコード優先タイプなので、どうだろう。最初見た時は面白そうだったのですが、ちょっと動画見たら萎えましたね。

 

価格・入手(2026年9月時点)

$59(一度きり、サブスクなし)。

すでに Song Cage 本体を持っている人は $39。

14日間の無料トライアルと30日間の返金保証があります。

対応は macOS 11以降(Audio Unit ユニバーサル・VST3)・Windows 10以降(VST3 64bit)、無料の Song Cage アカウントと、歌唱入力を使うならマイクが必要です。

 

Plugin Boutique の取り扱いは見当たらず、直販のみのようです。

 

Melody Rack を公式サイトで見る →

 

まとめ

「メロディから逆算する」という順番は、Scaler 3 で自分がやってきたのとは逆向きで新鮮でした。

ただ、Chord Detection 系の精度がどこまで頼れるかは、Scaler 3 で経験した「完璧ではない」感覚が引っかかっていて、そこは試してみないと分かりません。

 

1曲目の作り方で書いたとおり、まずは自分でメロディを作れることが前提になる道具だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。