A-Class Vocalの発売記念セールは買い?|VO-TTで足りているボカロPが見た、ボーカルに「空気感」を足すプラグイン

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ボーカルの高いところに、もう少し空気感がほしい。

ミックスをしていると、そう感じる場面はけっこう多いと思います。

 

そんなボーカルの「空気感」を足すためのプラグインとして、2026年10月に Bogren から A-Class Vocal が発売されました。

古いスタジオ機器の使い方を再現した、高域のためのプラグインです。

 

私はまだ持っていないので、このページは使った感想ではありません。

公式の説明と動画を見た印象と、自分の手元の道具とくらべて考えたことを書きます。

 

先に答えを書くと、エキサイターなど高域を足す道具をまだ持っていない人や、ボーカルだけ質を上げたい人には、セールのタイミングで候補になると思います。

一方で、私のように近い役目の道具をすでに持っている人は、急いで買わなくてよさそうです。

 

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A-Class Vocal はどんなプラグインか:古いノイズリダクション機器の「使い方」を再現

A-Class Vocal は、ギターのアンプシミュレーターなどで知られる Bogren(旧 Bogren Digital)の新しいプラグインです。

もとになっているのは、テープの雑音を減らすために使われていた「Type-A」と呼ばれるノイズリダクション機器です。

 

A-Class Vocal の画面。入力メーター、In/Out・Rec・MOD のボタン、Drive・Mix・Output の3つのつまみ(Bogren 公式サイトより)

 

本来この機器は、録音するときに音を「エンコード」し、再生するときに「デコード」して元に戻す仕組みです。

公式の説明によると、1966年ごろからエンジニアたちは、エンコードだけを通してデコードしないという「誤用」で、ボーカルの高域に独特のつやと空気感を出していたそうです。

 

A-Class Vocal は、スウェーデンのソングライターのスタジオにあった改造機をもとに、その音を再現しています。

ただ明るくするだけでなく、音色の変化・倍音・ダイナミクスがまとめて加わるのが特徴だと公式では説明されています。

 

Bogren 公式サイトの A-Class Vocal の説明。ノイズリダクション機器のエンコードだけを通す1966年からの使い方

 

私は正直なところ、仕組みまではよく分かっていませんでした。

公式の説明を読む前は「ボーカル専用のエキサイターのようなもの」という印象で、高域を足すための道具という点では、その理解も大きくは外れていなかったと思います。

 

操作は DRIVE・MIX・MOD の3つだけ

画面を見て最初に思ったのは、とてもシンプルで使いやすそうだということです。

主に触るつまみとボタンは、次の3つだけです。

 

  • DRIVE:効果のかかり具合。上げていって、ちょうどいいつやを探す
  • MIX:元の音と混ぜる割合。控えめにも、前に出すようにもできる
  • MOD:もう1つの音のキャラクター。倍音が増え、まとまり(グルー感)も加わる

 

Bogren 公式サイトの A-Class Vocal の操作の説明。DRIVE・MIX・MOD

 

公式によると、ボーカルだけでなく、アコギやドラムのオーバーヘッド、シンセ、さらにミックスバスにも使えるそうです。

「まずボーカルから試して、空気感がほしいところに広げていく」という使い方が想定されています。

 

Bogren 公式サイトの A-Class Vocal の説明。アコギ・オーバーヘッド・シンセ・ミックスバスにも

 

実際の音や画面の動きは、Bogren 公式の紹介動画で確かめられます。

 

私がボーカルに空気感を足すときのやり方

ボーカルに空気感を足したいと思うことは、私もよくあります。

今は、基本的にエキサイターで足すことが多いです。

 

それ以外では、EQ のハイシェルフで高域を持ち上げるくらいのシンプルなやり方をしています。

エキサイターとサチュレーターなどの違いは、サチュレーターとエキサイターの違いをまとめた記事に書いています。

 

A-Class Vocal を「ボーカル専用のエキサイターのようなもの」と考えると、役目は私がふだんエキサイターでしていることに近いです。

そのため、すでに高域を足す道具で足りている人と、まだ道具が無い人とで、価値が大きく変わるプラグインだと思います。

 

私には VO-TT で十分だと感じる理由

A-Class Vocal は、ボーカルの高域専用の道具だと考えても、価格はちょっと高いかなというのが正直な感想です。

 

もう1つの理由は、手元にある VO-TT です。

VO-TT はボーカルに色付けをするプラグインで、私の印象では、A-Class Vocal に近い効果を出してくれると感じています。

 

VO-TTのメイン画面。Cleanプリセット、5帯域のExpander・Upward・Downward表示

 

もちろん、仕組みも音も同じというわけではありません。

それでも、私にとっては VO-TT があれば十分 だと思っています。

 

VO-TT を実際にボカロの声に使ってみた話は、こちらにまとめています。

VO-TTレビュー|ボカロの声が人と似てしまう問題に、色付けで向き合ってみた話

 

VO-TT がどんな画面で、どう操作するのかは、開発元の Three-Body Technology 公式の動画が分かりやすいです。

 

どんな人に向くか:高域を足す道具がまだ無い人と、ボーカルだけ磨きたい人

私には VO-TT がありますが、A-Class Vocal が合う人は多いと思います。

特に向いていそうなのは、次のような人です。

 

  • エキサイターなど、高域に空気感を足すプラグインをまだ持っていない人
  • 曲全体ではなく、ボーカルだけ質を上げたい・ブラッシュアップしたい人

 

私もすべてのプラグインを使っているわけではありません。

自分に本当に合う便利なプラグインは世の中にまだまだあると思うので、公式の動画を見て「欲しい」と感じた人には、買う価値があるはずです。

 

反対に、すでにエキサイターや VO-TT のような道具でボーカルの高域に満足している人は、急がなくていいと思います。

気になる人は、公式サイトから体験版を試してから決めるのが安心です。

 

Plugin Boutique の A-Class Vocal のページ(2026年10月10日時点で¥15,517)

 

過去のセール

A-Class Vocal は2026年10月に出たばかりで、これまでのセールは発売記念の1回だけです。

 

  • 2026年10月8日(発売):発売記念価格 $89(通常 $119・10月25日まで)(rekkerd)
  • 2026年10月10日:Plugin Boutique で¥15,517(通常¥20,689・25%オフ・10月25日まで)

 

発売記念の値引きが終わったあと、次にいつ安くなるかはまだ分かりません。

 

まとめ:近い道具を持っているかどうかで決める

A-Class Vocal は、古いノイズリダクション機器の使い方を再現した、ボーカルに空気感を足すためのシンプルなプラグインです。

DRIVE・MIX・MOD の3つで決められるので、迷わず使えそうなところが魅力だと感じました。

 

私は VO-TT で近いことができていると感じているので、今のところ必要はなさそうです。

一方で、高域を足す道具がまだ無い人や、ボーカルの質だけを上げたい人には、セールで安いときがいいきっかけになると思います。

 

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