サチュレーターとエキサイター・ディストーション・クリッパーの違い|どのパートにも挿すボカロPの使い分けと「EQ→コンプ→最後」の順番

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サチュレーター、エキサイター、ディストーション、クリッパー。

プラグインを探していると似たような名前がいくつも出てきて、何が違うのか分からなくなります。

 

しかも「サチュレーションはコンプの前?後?」と調べると、人によって言うことが違います。

結局どれを、どこに挿せばいいのかで手が止まってしまう人も多いと思います。

 

私はボカロ曲を作っていて、サチュレーションはほぼどのパートにも挿しがちです。

この記事では、まず4つの違いを整理してから、私が実際にどう使い分け、どの順番で挿しているかを書きます。

 

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4つの違いは「どれだけ・どこに足すか」と「何のために使うか」

4つとも、音にわざと「ひずみ」を加えるという点では仲間です。

違うのは、かける量と、かける帯域と、使う目的です。

 

  • サチュレーター:テープや真空管を通したときのような、軽いひずみで倍音を足す。音が太くなったり、前に出たりする。かかっていると気づかれないくらいの量で使うことが多い
  • ディストーション:はっきりと歪ませて、音色そのものを変える。ギターの歪みのように「歪んでいる」と分かる音になる
  • エキサイター(エンハンサー):主に高い帯域だけに倍音を足して、明るさや抜けを出す。全体を太くするというより、こもった音を目立たせる方向
  • クリッパー:決めた音量を超えた波の頭を削る。音色づくりよりも、ピークを抑えて音量を稼ぐための道具として使われることが多い

 

ただ、境目ははっきりしていません。

サチュレーターのつまみを大きく回せばディストーションになりますし、1つのプラグインにいくつものモードが入っていることもよくあります。

 

Logic Pro にも、サチュレーションの ChromaGlow のほかに、Exciter や Clip Distortion といった純正のプラグインがあります。

名前で分けるより、「どれくらい変えたいか」で選ぶほうが迷いません。

 

Logic純正ChromaGlowをピアノのトラックに挿した画面。Modern Tube / Colorful / Drive 33% / Mix 60%

 

私の使い分け:基本はChromaGlow、古さはRC-20、大きく変えるならTrash

私が持っているのは、Logic 純正の ChromaGlow と、RC-20 Retro Color、iZotope Trash の3つです。

その中で、基本は ChromaGlowを使っています。

 

上の画面のように、ピアノなどに挿して倍音を少し足す使い方です。

上の4つの分け方でいえば、いちばん「サチュレーター」らしい使い方になります。

 

RC-20 を選ぶのは、アナログ的な古さを入れたいときです。

テープのゆれやレコードのノイズのような質感まで足せるので、単に倍音を足すのとは少し違う役目になります。

 

RC-20 Retro Colorをピアノに挿した画面。Vinyl 1プリセットでNOISE・WOBBLE・DISTORT・MAGNETICが有効

 

画面は、ピアノに Vinyl 1 というプリセットを読み込んだところです。

NOISE や WOBBLE など、いくつかの質感を重ねて足せるのが RC-20 の特徴です。

 

 

Trash は歪みが中心のプラグインなので、サチュレーションで音を大きく変えたいときに使います。

4つの分け方でいえば、ディストーション寄りの使い方です。

 

 

3つをどんなパートで使っているか、もう少し詳しい話はこちらにまとめています。

 

Logicのサチュレーションは純正ChromaGlowで足りる?RC-20とiZotope Trashも実際に使ったボカロPの話

 

それぞれの単体の使い方は、RC-20 のレビューとTrash のレビューに書きました。

 

挿すのはほぼ全部のパート、順番は「EQ→コンプ→最後にサチュレーション」

どのパートに挿すかというと、基本的にはどのパートにも挿しがちです。

アコースティックな楽器以外には全体的に挿しますし、アコースティックな楽器に挿すことも結構あります。

 

「コンプの前か後か」でいうと、私はサチュレーションはコンプの後です。

EQ で整えて、コンプをかけて、最後にサチュレーションという並びが多くなっています。

 

Logicのピアノのチャンネル。Pianoverseの後にPro-Q、Pro-C、SpecCraft、最後にChromaGlowの順で挿している

 

これはピアノのチャンネルです。

音源の Pianoverse の後に、EQ の Pro-Q、コンプの Pro-C、SpecCraft と続き、いちばん下に ChromaGlow が来ています。

 

ベースに Trash を挿したときも、並びは同じでした。

下の画面の左側を見ると、Pro-Q、Pro-C、1176 の後の最後に Trash が入っています。

 

iZotope Trashをベースに挿した画面。左のチャンネルではPro-Q、Pro-C、UADx 1176の後に最後にTrashが入っている

 

サチュレーションをコンプの前に置く人もいて、どちらが正しいという決まりはありません。

迷ったら、私と同じ「最後」から試して、気になったら入れ替えて聞き比べてみてください。

 

かけすぎの失敗:乗ったノイズが、最後のマキシマイザーで大きくなる

サチュレーションをかけすぎて失敗したことは、正直たくさんあります。

いちばん多いのは、ノイズのようなものが乗ってしまうことです。

 

そして、最後に Maximizer で音を大きくしたときに、そのノイズまで大きくなってしまうことが何度もありました。

 

Stereo Outに挿したOzoneのMaximizer。Gain +7.8dB、Soft Clipのつまみも見える

 

これは Stereo Out に挿した Ozone の Maximizer です。

真ん中の下に Soft Clip というつまみがあるように、マキシマイザーの中にもクリッパーの役目が入っていることがあります。

 

マキシマイザーで音を大きくする流れは、マキシマイザーと音圧の記事に書いています。

 

まとめ:違いを覚えるより、「どれくらい変えたいか」で選ぶ

4つの違いを一言ずつにすると、こうなります。

 

  • サチュレーター:軽く倍音を足して、太く・前に
  • ディストーション:はっきり歪ませて、音色を変える
  • エキサイター:高い帯域に倍音を足して、明るく・抜けよく
  • クリッパー:波の頭を削って、ピークを抑える

 

私の場合は、基本は ChromaGlow、古さが欲しいときは RC-20、大きく変えたいときは Trash です。

挿す順番は EQ→コンプ→最後にサチュレーションが多く、かけすぎるとマキシマイザーの段階でノイズが目立ちます。

 

Logic Pro を持っているなら、まずは純正の ChromaGlow から始めれば十分です。

古さや大きな歪みが欲しくなったら、そのとき RC-20 や Trash を足してみてください。

 

この記事で紹介したプラグインです。

 

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