Logicのかけどり(バウンス・イン・プレイス)を初めてやってみた|ふだんはフリーズのボカロPが、WAVになって便利だと思ったことと元に戻す方法

Logic 以外の DAW を使っているプロの人の動画を見ていると、MIDI のトラックをその場でオーディオにしている場面がよく出てきます。

どうやっているんだろう、と前からずっと気になっていました。

 

私はふだん、M1 Mac が重くなったらフリーズで済ませています。

なので、Logic で言う「かけどり」(バウンス・イン・プレイス)は、今回が初めてでした。

 

やってみた感想は、WAV になるので便利。

逆再生や分割がしやすくなります。

 

ただ、ひとつだけ困ったのが「元に戻し方が分からない」ことでした。

この記事では、私が実際に選んだ設定と一緒に手順を書き、戻し方とフリーズとの違いは Apple の説明で確かめてまとめます。

 

かけどりは「その場でオーディオにする」こと

Logic Pro では、かけどりのことを「所定の場所にバウンス」と呼んでいます。

 

Apple の説明では、トラックやリージョンを所定の場所にバウンスすると、作られたオーディオファイルが元と同じ位置に置かれます。

使えるのは、オーディオトラックとソフトウェア音源トラック、そのトラックの上のリージョンです。

 

Apple公式のLogic Proユーザガイド:所定の場所へのバウンスとフリーズの違い(2026年10月20日時点)

 

同じページには、フリーズとの違いも書かれています。

どちらもプラグインを音にしてしまうことで、CPU の負担を減らせるのは同じです。

 

違うのは、元の状態に戻りやすいのはフリーズの方だという点です。

私がふだんフリーズを使っているのも、ここが理由に近いです。

 

ふだんの私は、重くなったらフリーズしている

M1 Mac で音源やプラグインを重ねていくと、再生が苦しくなる場面があります。

そういうとき、私はそのトラックをフリーズしています。

 

フリーズの良いところは、MIDI のまま、あとで調整しやすいことです。

解除すれば元のトラックに戻るので、気軽に使えます。

 

Apple公式のLogic Proユーザガイド:トラックをフリーズする手順(2026年10月20日時点)

 

Apple の手順では、トラックヘッダの「Freeze」ボタンを押して、再生すればフリーズされます。

もう一度「Freeze」ボタンを押すと、ロックが解除されます。

 

一方で、フリーズしている間はそのトラックを編集できません。

音を逆にしたり、切り分けたりといった「状態を変えたい」ときは、かけどりの出番だと思っていました。

 

初めてのかけどりの手順

今回かけどりしたのは、ソフトウェア音源のトラックに打ち込んだ短い MIDI のリージョンです。

 

かけどりの前:Logicのピアノロールに打ち込んだMIDIのリージョン

 

1. リージョンを選んで「所定の場所にバウンス」を開く

トラック領域でリージョンを選び、メニューの「ファイル」>「バウンス」>「リージョンを所定の場所に」を選びます。

リージョンを Control キーを押しながらクリックして、出てくるメニューの「所定の場所にバウンス」からでも開けます。

 

2. ダイアログで設定を選ぶ

開くと「リージョンを所定の場所にバウンス」のダイアログが出ます。

私が選んだのは、この設定です。

 

Logicの「リージョンを所定の場所にバウンス」ダイアログ:指定先は新規トラック、ソースはミュート

 

それぞれの意味を、Apple の説明で確かめておきます。

  • 名前:最初に選んだリージョンの名前の後ろに「_bip」が付きます
  • 指定先:新規トラック:選んだトラックの下に新しいオーディオトラックができて、そこに置かれます
  • 1ファイル:選んだ範囲が1つのオーディオファイルになります
  • ソース:ミュート:元のリージョンは消えずに、ミュートされます
  • ファイルにオーディオテールを含める:範囲の終わりを過ぎても、音が消えるまで書き出します
  • ボリューム/パンのオートメーションを含む:オートメーションの動きもファイルに反映されます
  • ノーマライズ:オーバーロード保護のみ:0 dB を超えてクリップしそうなときだけ、レベルを下げます

 

ソースは「保持」「ミュート」「削除」から選べます。

私は、元を消さない「ミュート」を選びました。

 

なお、OK を押すとこの設定は保存されて、次に開いたときも同じ状態で出てきます。

 

3. OK を押すと、下に「_bip」のトラックができる

OK を押すと、元のトラックのすぐ下にオーディオのトラックができました。

元の MIDI のリージョンは、ミュートされて灰色になっています。

 

かけどりのあと:元のMIDIはミュートされ、下に_bipのオーディオトラックができた

 

波形になったので、あとはふつうのオーディオと同じように扱えます。

 

画面の動きで確かめたい人は、英語ですがこちらの動画が分かりやすいです。

所定の場所へのバウンスを、ほかの編集の機能と一緒に説明しています。

 

 

やってみて便利だと思ったこと

一番の感想は、やはり WAV になるので便利 だということです。

MIDI のままだと、音そのものを逆にしたり、途中で切ったりはできません。

 

オーディオになれば、逆再生や分割がしやすくなります。

私がかけどりを使うとしたら、こういう「音の状態を変えたいとき」がメインになりそうです。

 

オーディオを細かく切って鳴らす使い方は、Quick Sampler でボイスチョップを作る記事にも書いています。

 

もうひとつ、MIDI の音源は重くなりやすいのも気になっていたところです。

できることが増えると、プロの人のやり方に一歩近づける気がしています。

 

元に戻す方法

私がつまずいたのは、かけどりしたあと「どうやって元に戻すのか」でした。

Apple の説明をもとに、戻し方を2つに分けて書いておきます。

 

やった直後なら「取り消す」

Apple の説明では、リージョンの新規作成を含むほとんどの編集は、「編集」>「取り消す」(Command+Z)で取り消せます。

かけどりした直後なら、まずこれを試すのが早いです。

 

時間がたっていたら、ミュートを外して _bip のトラックを消す

ほかの作業をしたあとは、手で戻します。

ソースを「ミュート」にしていれば、元の MIDI のリージョンは残っています。

 

元のリージョンを選んでミュートを外し、下にできた「_bip」のトラックを消せば、かけどりする前の状態に戻ります。

ソースを「削除」にしていた場合は、元のリージョンが残っていないので、この方法では戻せません。

 

フリーズとかけどり、私はこう使い分ける

やってみたことを並べると、私の使い分けはこうなりそうです。

  • 重いだけで、あとで MIDI を直すかもしれない:フリーズ
  • 逆再生や分割など、音の状態を変えたい:かけどり

 

フリーズは解除すれば元のトラックに戻せるので、ふだんの「重い」はこれで足ります。

かけどりは、音として扱いたいときの道具です。

ボカロPのプロの人は、かけどりしている人が多いので、WAVの波形で編集していくのがメインかと思います。

 

ミックスの全体の流れは、こちらの記事にまとめています。

 

Logicのミックスの手順|作曲が終わったらフェーダーから。ドラム→ベース→ボーカルの順で整えて、最後の音量調整に数日かけるボカロPの作曲の流れ

 

まとめ:重いだけならフリーズ、音として扱うならかけどり

Logic のかけどりは、「所定の場所にバウンス」で MIDI をその場の WAV にする機能でした。

逆再生や分割がしやすくなるので、音の状態を変えたいときには便利です。

 

一方で、元に戻すのはフリーズの方が楽です。

重いだけならフリーズ、音として扱いたいならかけどり、と分けて使うのが今の私の結論です。

 

私は短いリージョンで、ソースを「ミュート」にして試しました。

これなら元の MIDI が残るので、戻し方さえ知っていれば落ち着いて試せます。

 

ピアノロールの基本の操作は、Logic のピアノロールの使い方にまとめています。

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