曲が最後までできて、Logic のミキサー画面を開いたところで何をしていいかわからない。
どのトラックから、何を触って仕上げていいか理解不能。
という人もいるかもしれません。
この記事では、私がボカロ曲を作り終えたあと、Logic のミキサーで実際に触っている順番をそのまま書きます。
フェーダーで音量をそろえるところから、Stereo Out(マスター)に挿しているもの、仕上がりの確かめ方までです。
ボーカルの音作りや、ステムを書き出したあとの 2mix の話は、ボカロ曲のミックスのやり方 にまとめています。
こちらはその手前、作曲用のプロジェクトでやっていることです。
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ミックスに入るのは、曲を作り終えてから
私は、曲を作り終えてからミックスに入ることが多いです。
作りながら少しずつ整えるのではなく、最後まで並べてからミキサーを開きます。
ただ、パンだけは別です。
パン(左右の位置)は、作曲しながら決めています。
そうじゃないと、そもそも楽器を足した時点で、その音源が聴こえないことが多いからです。

上は、ある曲のミキサー画面です。
バイオリンの Vln1 と Vln2 は左右に 32 ずつ、ビオラは −17、チェロは +19 と、作曲の段階で振り分けてあります。
なので、ミックスに入った時点でやることは、基本的には音量をそろえることになります。
最初にやるのは、フェーダーで音量をそろえること
作曲が終わったら、まずフェーダーで音量をそろえます。
目安は、Stereo Out のメーターがマイナス5(−5dB)くらいになるまでです。
具体的には、ソロで音源を聴いていき、ドラムから随時足していきます。
最終的に-5dB付近になればOKです。
厳密ではなく、初期の頃は、-3dBぐらいになったこともありましたね。
ここで全体を下げておくと、このあと EQ やコンプを挿しても、天井に余裕が残ります。
パートごとに見ると、下げる量はかなり違います。
上の画面でも、ピアノは −15.0、シンセパッドは −24.0 までフェーダーを下げています。
音量がそろったら、そのあとは EQ で削ります。
足すより、いらないところを削る、さらに削るという順番です。
EQ は FabFilter の Pro-Q を、ほとんどのチャンネルに挿しています。
触る順番は、ドラム→ベース→ボーカル→コード→楽器→メロ→FX→マスター
パートを触る順番は、だいたい決まっています。

最初はドラム、次にベースです。
曲の土台はキックとベースなので、まずここから整えます。
ドラムのミックスでやっていることは、Logicでドラムをミックスする に書きました。
その次がボーカルで、ボーカルを置いてからコード、ほかの楽器、メロ、FX と進み、最後にマスターです。
ボーカルは、ドラムとベースのすぐあとです。
ボーカルの処理そのものは、冒頭で紹介した記事のほうにまとめています。
楽器が多くて真ん中が埋まらない、逆にスカスカに聞こえるといった場合は、曲がスカスカに聞こえるときの直し方 も参考にしてください。
Stereo Out に挿すのは、基本は EQ だけ
マスターにあたる Stereo Out には、基本的に EQ だけを挿しています。
この段階ではステムを書き出して、そのあと別の Logic のプロジェクトで 2mix を仕上げるからです。

右側が Stereo Out です。
いちばん上の Pro-Q で、30Hz くらいをローカットして、低域のふくらみをなくすことが多いです。
そうするとすっきりするので、私は削りますね。これで音圧も出やすくなるかと。
ちなみにマスタリングの方でやることもありますね。正直、気分です。
その下の Insight 2 と Tonal Balance Control は、音を変えるものではなく、音量や帯域のバランスを目で見るためのメーターです。
左側はこの曲のピアノのチャンネルで、音源の後ろに EQ、コンプ、サチュレーションの順で挿してあります。
Pro-Q を実際にどう使っているかは、FabFilter Pro-Q 4 のレビュー にまとめました。
最近は、最後に Ozone の Vintage Tape を少しだけ
最近はテープの質感が気に入っていて、iZotope Ozone の Vintage Tape を最後にかけることが多いです。
挿す場所は Stereo Out です。

個別のトラックに挿していたこともありますが、今は基本的に Stereo Out です。
かけ方は、ほんの少しだけがいいと思っています。
Ozone はほかのモジュールも含めて使っていて、どれを使っているかは Ozone のレビュー に全部書き出しました。
アナログっぽい曲のときは、RC-20 のようなものを
アナログ寄りの曲のときは、EQ のほかに XLN Audio の RC-20 Retro Color のようなプラグインを Stereo Out に挿すこともあります。
そうでない曲は、EQ だけです。
RC-20 は、ノイズや揺れ、歪みなどで古い機材のような質感を足せるプラグインです。
ただ、マスターに挿して曲全体にかけると、ノイズが目立ちすぎることがあります。

私も以前、マスターに挿してノイズが強くなりすぎた失敗があり、その話は RC-20 Retro Color のレビュー に書いています。
曲を選んで使うくらいがちょうどいいプラグインです。
仕上がりは、古い iPhone とカーステレオで聞く
仕上がりの確認は、古い iPhone と、車のカーステレオで聞くのが基本です。
iPhone は、確認用に別に買った古いものを使っています。
とくにカーステレオは、車の中で聞くと各音の大小がよく分かります。
この2つで聞いてみて、気になったところをまた直します。
いちばん時間がかかるのは、最後の音量調整
今でもいちばん時間がかかるのは、最後の音量の調整です。
うるさくなりすぎず、それでいてちゃんと主張できるところが、一発では決まりません。
特に、コード楽器、上物、ボーカル、ソロ楽器とかが混雑する大サビとかで、各楽器が主張するように調整するのが大変ですね。
なので、何回も書き出して、聞いて、少しずつ直します。
早くても数日はかかります。
音量を上げるマキシマイザーの考え方は、マキシマイザーと音圧の記事 にまとめています。
まとめ
私が Logic でやっているミックスの流れは、次のとおりです。
- 曲を作り終えてからミックスに入る(パンは作曲中に決めておく)
- まずフェーダーで音量をそろえる。目安は Stereo Out のメーターが −5dB くらい
- EQ で削る、さらに削る
- ドラム→ベース→ボーカル→コード→楽器→メロ→FX→マスターの順で触る
- Stereo Out は基本 EQ だけ。30Hz くらいをローカット
- 最近は最後に Ozone の Vintage Tape を少しだけ。アナログ寄りの曲は RC-20 のようなものも
- 古い iPhone とカーステレオで確かめる
- 最後の音量は、何回も書き出して数日かけて決める
ミキサーを開いて手が止まったときは、この順番を一つの目安にしてみてください。
全部を一度に整えようとせず、土台から一つずつで大丈夫です。
ステムを書き出したあとの 2mix と、ボーカルの処理はこちらに続きます。
この記事で紹介したプラグインです。
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