ボカロ曲を作っていて、ピアノの音が気に入らない。
かといって、ピアノ音源は種類が多すぎて、どれを買えばいいか分からない。
私も最初はそうでした。
「いいピアノが欲しい」と思って、ブログで勧められた Addictive Keys を買いました。
ところが、鳴らしてみると、頭の中で想像していたピアノと違いました。
音が悪いわけではありません。
私が欲しかったピアノと、Addictive Keys が得意なピアノが、そもそも別物でしたね。
この記事では、その失敗をふまえて、初心者ボカロPがピアノ音源を選ぶときの考え方を、使いみち別に整理します。
私が持っているのは、Addictive Keys、Pianoverse Black Pearl B200、UJAM の Virtual Pianist(VOGUE と RELIC)です。
欲しいけれど持っていないものは、持っていないと書いたうえで紹介します。
先に結論だけ置いておきます。
ピアノを1本も持っていないなら UJAM の Virtual Pianist、ボカロのポップスの伴奏なら Addictive Keys が無難です。
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私の曲では、ピアノがほぼ主役になる
ピアノ音源の選び方の前に、私がピアノをどう使っているかを書いておきます。
ここが人によってかなり違うので、選び方も変わってくるからです。
私はもともと、40mP さんの曲が好きで、ピアノが前に出てくる曲に惹かれてきました。
久石譲さんの曲も好きです。
そういう好みもあって、自分の曲でも、ピアノは伴奏として全編に入れることが多いです。
ピアノ・ギター・シンセのどれが曲の中心かと聞かれたら、私の場合はピアノになります。
ピアノが前に出る曲が多いほど、ピアノ音源の違いは目立ちやすくなります。
私が最初の1本で「想像と違った」と感じたのも、ピアノを前に出したかったからでした。
逆に、ピアノは後ろでコードを支えるだけ、という曲が多い人なら、そこまでこだわらなくても大丈夫だと思います。
まずは自分の曲で、ピアノがどれくらい前に出ているかを考えてみてください。
最初に買ったAddictive Keysが「想像と違った」理由
私は Logic の純正のピアノを、ほとんど使っていません。
1曲目は純正のピアノで作ったかもしれませんが、2曲目からはもう Addictive Keys を買っていたと思います。
いいピアノが買いたくて、勧められていたのが Addictive Keys でした。
XLN Audio のピアノ音源で、軽くて扱いやすく、初心者向けとしてもよく名前が挙がる製品です。

ただ、使ってみて、あまり好きな音ではありませんでした。
私が想像していたのは、グランドピアノの、久石譲さんが弾いているようなピアノです。
もっとグレードの高い、ピアノそのものが主役になる音を期待していました。
ですが Addictive Keys は、あくまでピアノが主役ではない曲で使うピアノでした。
ほかの楽器と一緒に鳴らすぶんには、ちょうどよく収まります。
その代わり、ピアノ1本で聴かせたいときには、私には物足りなく感じました。
これは Addictive Keys が悪いのではなく、私の期待とのズレです。
ピアノ音源を選ぶときは、「いいピアノかどうか」より先に、自分の曲でピアノに何をさせたいかを決めておくほうがいいと思います。
何に使うかで、選ぶピアノは変わる
ピアノ音源は本当にたくさんあります。
その中から選ぶときに大事なのは、金額と、何に使いたいかの2つです。
クラシックなのか、劇伴なのか、アニメっぽい曲なのか、EDM なのか。
使いたい曲調で、合うピアノは変わります。

私が持っているもの・欲しいものを、使いみちで並べるとこうなります。
| 製品 | 私との関係 | 向いている使いみち | Plugin Boutique | UJAM Virtual Pianist(VOGUE・RELIC) | 持っている | ピアノを1本も持っていないときの最初の1本 | 取扱いあり | Addictive Keys(XLN Audio) | 持っている | ボカロのポップスの伴奏 | 取扱いあり | Pianoverse(IK Multimedia) | 持っている(Black Pearl B200) | ソロ・クラシック・劇伴寄り | 取扱いあり | Noire・Alicia’s Keys(Native Instruments) | 持っていない | 予算があり、ほかにない音色がほしいとき | 取扱いあり | Keyscape(Spectrasonics) | 持っていない | 予算があり、鍵盤の種類がほしいとき | 取扱いなし(公式) | Studio Concert D 1887(VSL) | 持っていない | 予算があり、劇伴のソロを本格的に | 取扱いなし(公式) |
|---|
ここからは、上から順に、私の考えを書いていきます。
ピアノを1本も持っていないなら、UJAMのVirtual Pianist
ピアノ音源を1つも持っていない人の最初の1本なら、UJAM の Virtual Pianist を選ぶのもありだと思います。
私はピアノに関しては、UJAM のものが結構好きです。

私が持っているのは、グランドピアノの VOGUE と、アップライトピアノの RELIC の2つです。
特に RELIC は、少しくぐもった、味のあるアップライトの音で、アップライトが欲しいときは今でも開いています。
結構ホラー系の曲で使うことは多いですね。ボカロでも流行りのスタイルです。
UJAM を勧める理由のひとつは、セールで大きく下がることが多いからです。
たとえば VOGUE は、2026年2月に Plugin Boutique の14周年のセールで、通常 $129 のところ $9 まで下がっていました(rekkerd)。
2026年4月にも、Virtual Pianist のシリーズが Plugin Boutique で最大80%オフになっています(rekkerd)。
通常の値段で買うより、こうしたセールを待って買うほうがいい製品です。
RELIC がどんな音かは、UJAM の日本公式の動画で聴けます。
UJAM はコードを押さえるだけでフレーズを弾いてくれる仕組みなので、ピアノが弾けない人でも鳴らしやすいです。
ほかの UJAM の製品も含めた使い心地は、UJAM のレビューにまとめています。
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ボカロのポップスの伴奏なら、Addictive Keysが無難
想像と違ったと書きましたが、ボカロのポップスで伴奏に使うなら、Addictive Keys はちょうどいい厚さです。
初心者に1つ勧めるなら、無難なのは Addictive Keys だと思います。
厚すぎず薄すぎず、ほかの楽器と一緒に鳴らしたときに収まりがいい音です。
ピアノが主役でない曲が多い人なら、私のようなズレは起きにくいはずです。
Addictive Keys には、グランドピアノの Studio Grand のほかに、アップライトの Modern Upright、エレピの Mark One などがあり、1台ずつ買えます。
ボカロのポップスの伴奏なら、まずは Studio Grand の1台で足ります。

画面や中身は、XLN Audio の公式動画で確かめられます。
どの音色をどう使っているかは、Addictive Keys のレビューに書いています。
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ピアノが主役の曲なら、Pianoverse
Addictive Keys で足りなかった「ピアノ1本で聴かせる音」を埋めてくれたのが、IK Multimedia の Pianoverse です。
私が持っているのは、Black Pearl B200 というグランドピアノです。

ソロや、クラシック寄り・劇伴寄りの曲で、ピアノを前に出したいときに使っています。
私と同じように、ピアノが曲の中心になる人なら、こうしたピアノが主役の音源も比べてみてください。
Pianoverse は、ピアノを1台ずつ買う形と、まとめた MAX があります。
Addictive Keys とどう使い分けているかは、こちらの記事で比べています。
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予算に余裕があるなら、Noire・Alicia’s Keys・Keyscape・VSL
ここからは、私は持っていない製品です。
使ったことはないので、どんな製品かと、私がどう見ているかだけ書きます。
Native Instruments の Noire は Nils Frahm のコンサートグランドを、Alicia’s Keys は Alicia Keys さんのヤマハのグランドピアノを録った音源です。
さらにお金に余裕があるなら、Spectrasonics の Keyscape や、Vienna Symphonic Library(VSL)のピアノも選択肢に入ります。

Keyscape は、ピアノだけでなくエレピなども含めて、たくさんの鍵盤楽器が入った音源です。
VSL の Studio Concert D 1887 は、1887年製のコンサートグランドを録った音源で、劇伴のソロをいちばん本格的に鳴らしたいときの候補です。
どれも、初心者の最初の1本として買うものではないと思います。
自分の曲で何が足りないかがはっきりしてから、その穴を埋めるものとして選ぶほうが失敗しません。
私がこの中のどれを、なぜ欲しいと思いながら買わずにいるかは、こちらにまとめています。
Pianoverseがあっても、劇伴用のピアノがもっと欲しい|VSL 1887・Keyscape・Noire、ボカロPが買わずに我慢している理由
結局、どれを選べばいいか
最後に、私の考えをまとめます。
- ピアノを1本も持っていないなら、UJAM の Virtual Pianist をセールで1本
- ボカロのポップスで、ピアノを伴奏に使うなら Addictive Keys
- ピアノを曲の主役にしたいなら、Pianoverse
- 予算に余裕があり、足りない音がはっきりしているなら、Noire・Alicia’s Keys・Keyscape・VSL
私の失敗は、「いいピアノ」を探して、自分の曲でピアノに何をさせたいかを考えないまま買ったことでした。
ピアノが伴奏なのか主役なのかを決めてから選べば、同じズレは避けられるはずです。
ほかのパートの音源の選び方も、同じシリーズで書いています。
ベース音源・ドラム音源・ギター音源・シンセもあわせてどうぞ。
この記事で紹介したピアノ音源は、こちらから選べます。
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