Logic に最初から入っている Retro Synth と、無料の Dexed は0円です。
有料の FM シンセは、Plugin Boutique の通常価格の目安で FM8 が約1.7万円、DX7 V が約2.6万円、opsix native が約3.5万円と、同じ FM でも値段に3万円以上の幅があります。
私は曲の中で FM の音を使う場面が多いのですが、いま鳴らしているのは無料の Dexed だけです。
初心者の方にも、まずは無料の Dexed から始めて、足りなくなってから有料を選べば十分だと思っています。
この記事では、5つの FM シンセの作りと値段を1つの表で比べて、有料に移るならどれが候補になるかを、私の見方とあわせて書きます。
FM シンセは何をするシンセか
FM シンセは、ある音で別の音の高さを細かく揺らして、新しい響きを作る仕組みのシンセです。
揺らす側を「モジュレーター」、揺らされて実際に聞こえる側を「キャリア」と呼び、その1つ1つの音の元を「オペレーター」と呼びます。
キラッとしたエレピ、ベル、金属っぽい音、硬めのベースが得意で、1983年に出たヤマハの DX7 で一気に広まりました。
アナログシンセのような太く丸い音とは違い、輪郭のはっきりした硬い音が出しやすいのが特徴です。
オペレーターの数と、それをどうつなぐか(アルゴリズム)で音が大きく変わるので、FM シンセ選びは「どんな作りで、どれだけ触りやすいか」を見るのが近道です。
5つの FM シンセを表で比べる
Logic 純正の Retro Synth、無料の Dexed、有料の FM8・DX7 V・opsix native を並べると、次のようになります。
値段は Plugin Boutique の通常価格の目安で、セール中はもっと下がります。
| 項目 | Retro Synth | Dexed | FM8 | DX7 V | opsix native | 値段の目安 | Logic に付属 | 無料 | 約1.7万円 | 約2.6万円 | 約3.5万円 | メーカー | Apple | 個人開発の無料ソフト | Native Instruments | Arturia | KORG | FM の作り | 揺らす音1つと鳴る音1つの簡単な形 | DX7 を元にした作り | FM マトリクスでつなぎ方を自由に組む | DX7 の32のアルゴリズムに波形などを追加 | 6オペレーター・40のアルゴリズムと自作 | DX7 の音色データ | 公式ガイドに記載なし | 読み込み・書き出しができる | DX と TX の音色を読み込める | 読み込める | 公式ページに記載なし | Plugin Boutique | 扱いなし | 扱いなし | 扱いあり | 扱いあり | 扱いあり | 私の立場 | 使ったことがない | いつも使っている | 持っていない | 欲しくない | 余裕があれば欲しい |
|---|
表の下の段ほど値段が上がり、作りも自由になっていきます。
ただ、FM の音を鳴らすだけなら、いちばん上の無料の2つでも足ります。
最初の1つは無料の Dexed でいい
Dexed は、ヤマハの DX7 を元に作られた無料の FM シンセです。
公式サイトでは無料のソフトとして配られていて、DX7 の音色データ(SysEx)も読み込めます。

私は、アナログな曲を作るときには、曲全体で Dexed を使っています。
シンセベースも、Pigments か Dexed のどちらかで作ることが多いです。
FM の音を鳴らす場面は多いのに、有料の FM シンセを買わずに済んでいるのは、Dexed で十分に足りているからです。
不満があるとすれば、たくさんあるプリセットの中から目当ての音を探すのが大変なことくらいです。
初心者の方も、まずは Dexed で FM の音を曲に入れてみて、どんな場面で使えるかを確かめるところからで十分だと思います。
Logic 純正の Retro Synth にも FM がある
Logic を使っている人なら、純正の Retro Synth にも FM のモードが入っています。
Retro Synth は、画面上のボタンでアナログ・シンク・テーブル・FM の4つの鳴らし方を切り替えるシンセです。

Apple の公式ガイドによると、FM のモードは、揺らす側の音1つが、鳴る側のサイン波1つを揺らす簡単な形です。
Dexed のように6つのオペレーターを組み合わせる作りではないので、FM の仕組みを知る入口と考えるのがよさそうです。
私は Retro Synth を使ったことがないので、音の良し悪しまでは書けません。
Logic のユーザーで、まず追加のインストールなしに FM の音を出してみたい人は、ここから触ってみるのも1つの手です。
有料に移るなら、FM8・DX7 V・opsix native のどれか
Dexed で物足りなくなったときの候補が、有料の3つです。
3つとも私は持っていないので、公式の説明と、動画や画面を見た印象で書きます。
FM8:DX7 より自由に組めて、KOMPLETE にも入っている
FM8 は、Native Instruments の FM シンセで、最初の版は2007年に出ています。
オペレーター同士のつながりを1枚の表(FM マトリクス)で組めるので、DX7 の決まったつなぎ方より自由に音を作れます。

DX と TX の音色を読み込めるので、Dexed で使っていた音色を持っていくこともできます。
公式の動画を見た限り、パラメーターは Dexed より触りやすそうでしたが、Dexed がある私には高いと感じて、買ってはいません。
Dexed で物足りない人や、新しい音源として使いたい人には、買う価値があると思います。
詳しくは、FM8 だけを掘り下げた記事に書いています。
DX7 V:中身は DX7 そのもので、私は欲しくない
DX7 V は、Arturia が DX7 をパソコンの中で再現したシンセです。
Plugin Boutique の説明では、DX7 の32のアルゴリズムと元のパラメーターをそのまま持ち、オペレーターごとに選べる波形やステップシーケンサー、アルペジエーターが足されています。

画面や動画を見て感じたのは、普通に DX7だということです。
画面も昔の DX7 らしい作りで、私が Arturia の製品で好きなデザインのよさは、あまり感じられませんでした。
そのため、私は DX7 V を欲しいとは思いませんでした。
DX7 V は単体のほか、Arturia の音源をまとめた V Collection 11 Intro にも入っているので、ほかの名機もまとめて欲しい人はV Collection 11 Intro の記事も見てみてください。
opsix native:見やすくモダンで、余裕があれば欲しい
opsix native は、KORG のハードのシンセ opsix を、同じ音のエンジンのままプラグインにしたものです。
KORG 公式によると、オペレーターは6つで、40のアルゴリズムに加えて、つなぎ方を自分で作ることもできます。

画面を見ると、6つのオペレーターが横に並んでいて、どこを触れば何が変わるかが見やすい作りです。
デザインもモダンで、動画で聞いた音もモダンに感じました。
3つの中で、私がちょっと欲しいと思ったのは opsix native です。
ただ、いまは Dexed で足りているので、余裕があれば、という位置づけです。
有料に移るタイミングは「足りなくなったら」
FM の音を使う場面が多い私でも、いまは Dexed だけで曲を作れています。
だからこそ、初心者の方が最初から有料の FM シンセを買う必要はないと思っています。
まず Dexed で FM の音を曲に入れてみて、音の作りやすさやプリセットの探しやすさに物足りなさを感じたら、そこで有料を選べば十分です。
有料の中で迷ったら、自由に組みたいなら FM8、見やすさと今っぽい音なら opsix native と、何を求めるかで分けると選びやすくなります。
ほかの種類のシンセも含めて選びたい人は、初心者向けのシンセのおすすめの記事も参考にしてみてください。
まとめ
FM シンセは、Logic の Retro Synth と無料の Dexed から、約3.5万円の opsix native まで幅があります。
私は FM の出番が多くても Dexed で足りていて、有料に移るなら opsix native が候補です。
まずは無料で FM の音を試したい人に。
見やすい画面とモダンな音で、FM の音作りを始め直したい人に。
opsix native を Plugin Boutique で見る →
Dexed で物足りなくなった人や、新しい FM の音源が欲しい人に。
FM8 を Plugin Boutique で見る →







コメントを残す