12本。
これはWaves の Abbey Road Collection に入っているプラグインの数です。
ロンドンのアビー・ロード・スタジオにある卓やテープレコーダー、コンプ、リバーブなどを、Waves がスタジオと一緒にプラグインにしたものが、まとめて入っています。
アビー・ロード・スタジオは、ビートルズが録音したことで知られるスタジオです。
正直に言うと、私はアビー・ロードのプラグインがあること自体、今回はじめて知りました。
持っていない立場から、12本の中身と、どんなボカロPに向きそうかを調べてみました。
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Abbey Road Collection は、スタジオの機材を一式そろえたバンドル
Plugin Boutique の説明では、このバンドルは録音から仕上げまでの流れをまるごと再現した、とされています。
テープレコーダーやマイク、卓、コンプ、声を二重にする効果、リバーブ、歪み、レコードの機材、マスタリングの機材までがそろっています。

12本の中身を、Waves 公式の説明をもとに表にしました。
どれも「昔のスタジオにあった実際の機材」をモデルにしているのが共通点です。
| プラグイン | 種類 | 何をモデルにしているか | EMI TG12345 Channel Strip | チャンネルストリップ | EMI のトランジスタの卓の1チャンネル分 | REDD | 卓のEQ・音の色付け | アビー・ロードの真空管の卓 REDD | RS56 Passive EQ | EQ | 「Curve Bender」と呼ばれたパッシブEQ | RS124 Compressor | コンプ | とても珍しい真空管のコンプ(2種類の音) | The King’s Microphones | マイクの音 | 映画『英国王のスピーチ』で使われた古いマイク | J37 Tape | テープの質感 | 真空管のテープレコーダー J37 | Reel ADT | 声を二重にする効果 | スタジオが作った自動ダブルトラッキング | Abbey Road Chambers | リバーブ・ディレイ | Studio Two の残響室と、そこに組み合わせたディレイ | Abbey Road Reverb Plates | リバーブ | スタジオにある4台のプレートリバーブ | Abbey Road Saturator | 歪み・サチュレーション | 真空管とトランジスタの歪み+EMI TG12321 | Abbey Road TG Mastering Chain | マスタリング | マスタリングの部屋で使われる卓 EMI TG12410 | Abbey Road Vinyl | レコードの質感 | レコードを作る機材と再生する機材 |
|---|
ここからは、12本を使う場面ごとに4つに分けて見ていきます。
録音の入り口:卓・EQ・コンプ・マイク
いちばん数が多いのは、音が録音されるときに通る機材のグループです。
EMI TG12345 Channel Strip は、EMI の卓の1チャンネル分を、EQ やコンプも含めて1つにまとめたプラグインです。

REDD は、真空管の卓を再現したもので、Waves 公式はなめらかな EQ と暖かさ、広がりのあるステレオを特徴に挙げています。
RS56 はパッシブ(電源を使わない仕組み)の EQ、RS124 は真空管のコンプです。
The King’s Microphones は少し変わっていて、映画『英国王のスピーチ』に使われた古いマイクの音を再現しています。
録った声や楽器に、昔のマイクを通したような音の色を足す道具です。
テープと声の二重化:J37 と Reel ADT
J37 Tape は、アビー・ロード・スタジオで使われていた、真空管のテープレコーダー J37 をモデルにしています。
デジタルで作った音に、テープを通したような暖かさを足すためのプラグインです。

Reel ADT は、1本の声を、2回歌って重ねたように聞かせる効果です。
ADT は「自動ダブルトラッキング」の略で、アビー・ロード・スタジオが録音のために考え出した方法を再現しています。
響き:残響室とプレートリバーブ
Abbey Road Chambers は、Studio Two の残響室の響きを再現したリバーブです。
残響室とは、部屋そのものにスピーカーとマイクを置き、本物の部屋の響きを録るための場所のことです。

残響室の前にディレイを組み合わせる、スタジオの昔のやり方も入っていて、自然な響きから、やまびこが重なっていくような音まで作れると説明されています。
Abbey Road Reverb Plates は、スタジオにある4台のプレートリバーブ(鉄の板を揺らして響きを作る機材)をモデルにしています。
仕上げ:Saturator・TG Mastering Chain・Vinyl
最後のグループは、音に色を付けたり、曲全体を仕上げたりする道具です。
Abbey Road Saturator は、真空管とトランジスタの歪みを、うっすらから強めまでかけられるプラグインです。
Abbey Road TG Mastering Chain は、マスタリングの部屋で使われている卓 EMI TG12410 をモデルにしています。
このプラグインだけは、単品のときの中身を Waves Studio Legends のセールの記事 でも紹介しています。
Abbey Road Vinyl は、レコードを作る機材と再生する機材を再現して、曲にレコードらしい音の色を足すプラグインです。

レコードっぽさを足すだけなら、無料の iZotope Vinyl もあります。
私は iZotope Vinyl を使っていて、設定の仕方は iZotope Vinyl の記事 にまとめています。
公式動画を見た印象:ボカロ曲でも全体的に使えそう
Waves の公式動画で、12本がどんな音なのかをひととおり見ました。
見た印象では、ボカロの曲でも全体的に使ってよさそうだと感じました。
古い機材のプラグインだからといって、ボカロ曲で使わない理由も特に見当たりません。
割引されていても、私には高めに感じる
ただ、自分が買うかと考えると、割引されていても高めに感じます。
私は機材がもうたくさんそろっている、というのも大きいです。
Waves の製品はセールがよくあるので、私は定価では買わず、セールのときに選ぶようにしています。
ある程度機材がそろっている人には、Gold や Platinum のような大きなバンドルは要らない、とも考えています。
Abbey Road Collection も同じで、すでに手元に機材がそろっている人には、12本まとめて買う必要はなさそうです。
12本はどれも Waves の単品のプラグインとしても売られているので、気になるものが1〜2本なら、単品の値段と見比べてから決めることもできます。
Waves がどのくらいの間隔で安くなるのかは、こちらの記事で確かめられます。
向くのは、アビー・ロードが好きな人と、昔の機材でそろえたい人
反対に、このバンドルに買う価値がありそうなのは、こんな人だと思います。
- アビー・ロードやビートルズが好きで、あのスタジオの機材を自分の曲で使ってみたい人
- 古い機材の音が好きで、昔の機材を集めたい人
- 初心者のボカロPでも、ビートルズに憧れがある人
- まだ機材がほとんどなく、どうせなら昔の機材で面白くそろえたい人
卓・EQ・コンプからテープ、リバーブ、マスタリングまで、1つのスタジオの機材で通せるのが、このバンドルならではの特徴です。
逆に、私のようにひととおり機材がそろっている人は、無理に買わなくていいバンドルです。
まとめ:好きな人と、これからそろえる人のためのバンドル
Abbey Road Collection を調べて分かったことをまとめます。
- アビー・ロード・スタジオの機材をモデルにした、Waves のプラグイン12本のバンドル
- 卓・EQ・コンプ・マイク・テープ・声の二重化・リバーブ・歪み・レコード・マスタリングまでそろう
- 公式動画を見た印象では、ボカロ曲でも全体的に使えそう
- 機材がそろっている私には、割引されていても高めに感じる
- アビー・ロードやビートルズが好きな人、昔の機材でそろえたい人に向く
Waves のセールでほかに何が狙い目かは、Waves のブラックフライデーの記事 でも書いています。
過去のセール
- 2026年10月26日:¥39,837(通常¥208,990・80%オフ・11月1日まで。Plugin Boutique)
アビー・ロードが好きな人や、昔の機材で一式そろえたい人に。
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