ボカロ曲の音域はどう決める?|サビは高く、でもhihiA(A5)の手前まで。ハモリと聞く人のために余裕を残すボカロPの目安

ボカロのメロディは、どこまで高くしていいのか。

私の目安は、hihiA(A5)のあたりです。

 

サビはなるべく高くしたいのですが、hihiAまで行くと「ちょっと上げすぎかな」「かなりギリギリだな」と感じます。

なので、メロディを作るときは、そこまで高くなりすぎないように余裕を残しています。

 

この記事では、ボカロPの私が、メロディの音域をどう決めているかをまとめます。

上限の目安、余裕を残す理由、そして初心者のうちはどう決めると迷わないか、の順に書いていきます。

 

まず「hihiA」がどの音かをそろえておく

音域の話は、音の呼び方がいくつかあるので、最初にそろえておきます。

hihiAは、カラオケなどでよく使われる呼び方で、国際式の書き方ではA5、周波数は880Hzの「ラ」です。

 

hihiA の呼び方の対応表。hihiA は国際式で A5、Logic の表示では A4、周波数は880Hz

 

ややこしいのが、DAWによって数字が1つずれることです。

私が使っているLogic Proは、真ん中のドを「C3」と表示する設定になっていて、この表示だとhihiAは「A4」と出ます。

 

Logicの設定(「ディスプレイ」の中にある、中央のCの表示の項目)で、真ん中のドをC4と表示するようにも変えられます。

この記事では、国際式(真ん中のド=C4、hihiA=A5)で書いていきます。

 

声ごとに、音域はあまり変えない

ミク、GUMI、重音テトと声を変えるたびに、メロディの高さを作り直しているかというと、そうでもありません。

ボカロは、大体同じぐらいの音域になります。

 

参考までに、クリプトンの公式ページでは、初音ミク(VOCALOID2)の「得意な音域」はA3〜E5と書かれています。

同じページに「得意な音域は目安であり、実際は非常に広い音域で歌えます」という注記もあります。

 

なお、同じクリプトンの初音ミク V4X のページでは、ORIGINAL の得意な音域が「A2〜E4」と、1オクターブ低い数字で書かれています。

こちらは真ん中のドをC3とする書き方(Logic の初期設定と同じ)と見られ、指している音の高さは VOCALOID2 の A3〜E5 と同じと考えてよさそうです。

 

鍵盤の図。初音ミク(VOCALOID2)の公式の得意な音域 A3〜E5 と、私が上げすぎと感じる hihiA(A5)の位置

 

図にすると、私の「上げすぎ」の目安のhihiAは、公式の得意な音域のE5より、さらに上にあります。

目安より上でも歌えてしまうぶん、どこで止めるかは、作る側が決めることになります。

 

サビはなるべく高く、AメロとBメロとは変える

私は、コードを先に作ってから、コードに沿ってメロディを作ります。

そのとき、サビはなるべく音域を高くすることと、Aメロ・Bメロとはっきり変わる感じにすることを意識しています。

 

Aメロ・Bメロ・サビの音域のイメージ図。サビの中心を一段高い所に置いている(説明用で実際の曲ではない)

 

図のように、サビの中心を一段高い所に置いて、Aメロ・Bメロと変えるイメージです。

サビの作り方そのものは、ボカロ曲のサビの作り方の記事に分けて書いています。

 

ただ、この「なるべく高く」には上限があります。

それが、最初に書いたhihiAのあたりです。

 

hihiAまで上げると、聞く側も辛くなる

サビを高くしたい気持ちのまま上げていくと、どこかで「上げすぎ」になります。

私の場合は、hihiA(A5)あたりまで行くと、ちょっと上げすぎ、結構ギリギリだと感じます。

 

余裕を残す理由の1つ目は、単純に高すぎると、聞く側も辛いからです。

ボカロ自体は高い音も出せますが、聞いている人にとっては、高すぎる音が続くと辛くなります。

なので、基本的には、そこまで高くなりすぎないようにしています。

 

上3度のハモリを付ける余地を残しておく

余裕を残すもう1つの理由が、ハモリです。

サビにメロディの上3度のハモリを付けたいとき、メロディがすでに一番上まで行っていると、ハモリを付けられなくなってしまいます。

 

メロディの最高音が E5 なら上3度のハモリは G5、最高音を A5 にするとハモリは C6 まで上がることを示した図

 

たとえばキーがCメジャーで、メロディの最高音がE5なら、上3度のハモリはG5で、まだhihiAの下に収まります。

でも、メロディをhihiA(A5)まで上げると、その上のハモリはC6まで上がり、さらに高い所に行ってしまいます。

 

ハモリの付け方は、VOCALOIDの公式の解説動画でも紹介されています。

 

私がハモリを付けるときのやり方(3度上・3度下・オクターブ下の使い分けや、失敗したこと)は、こちらにまとめています。

ボカロのハモリの作り方|「3度下」をそのまま下げて不協和音だらけだったボカロPが、今はオクターブ下と3度から入れる理由

 

余裕があると、転調しても直さずに済む

余裕を持って作っておくと、転調のときにも助かります。

私は大サビで、MIDIを半音上げる「+1」の転調をよく使いますが、移調したあとでボーカルを直すところは、基本的にありません。

 

大サビで +1 したときの最高音の図。E5 で作った曲は F5 で収まり、A5 で作った曲は A#5 になって目安を超える

 

最初から余裕を持って作っているので、半音上げても、歌えなくなる(音域を超える)ことはないからです。

逆に、最高音をhihiAぎりぎりに置いた曲だと、+1しただけでA#5になり、目安を超えてしまいます。

 

大サビの+1のやり方や、ほかの転調の使い分けは、ボカロ曲の転調のやり方の記事にまとめています。

 

初心者は「自分が歌える音域」で作るのがいちばん分かりやすい

音域で迷ったときに、初心者の人に1つだけ言うなら、自分が歌えるぐらいの音域で作るのがいちばん分かりやすいと思います。

自分が歌えると、どんな曲なのかも自分で分かりやすいので、それで作るのがベストだと思っています。

 

曲のキーをどう決めるかは、こちらの記事に書いています。

 

ボカロ曲のキーの決め方|暗い曲ならCマイナー。歌声に合わせて上げるやり方をやめたボカロPが「キーは何でもいい」と言える理由

 

まとめ:上限を決めて、そこから少し下に置く

私がボカロ曲のメロディの音域を決めるときの考え方をまとめます。

  • サビはなるべく高くして、Aメロ・Bメロとはっきり変える
  • ただし、hihiA(A5)のあたりが「上げすぎ」の境目。Logicの表示(真ん中のド=C3)ではA4と出る
  • 声(ミク・GUMI・テトなど)ごとに、音域はあまり変えない
  • 余裕を残すのは、聞く側が辛くならないためと、上3度のハモリを付けられるようにするため
  • 余裕があれば、大サビで+1しても直さずに済む
  • 初心者のうちは、自分が歌える音域で作るのがいちばん分かりやすい

 

歌声合成は、思い切り高い音も出せてしまいます。

だからこそ、最初に「ここまで」と上限を決めて、そこから少し下にサビの一番高い音を置くと、ハモリも転調もあとから自由に足せます。

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