Fluid Chords 2 は、コードが切り替わるときに、音程をスーッと曲げながら次のコードへ移っていくプラグインです。
Pitch Innovations の公式動画を見てみて、私の結論は¥17,250 なら、自分はいらないでした。
音程を滑らかにつなぐこと自体は、いい仕組みだと思います。
ただ、毎回そのつなぎ方をすると、つなぎの効果が薄れてしまうのでは、と感じました。
この記事では、Fluid Chords 2 がどんな製品か、持っている Scaler 3 と何が違うのかを整理し、私が使い道を思いつけなかった理由と、逆に向いていそうな人を書きます。
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Fluid Chords 2 は、コードの「移り方」を作るプラグイン
ふつうにコードを弾くと、Cmaj7 から Fmaj7 へは、音がパッと切り替わります。
Fluid Chords 2 は、その切り替わりの間でひとつひとつの音の音程を曲げて、なめらかに次のコードへ運ぶ道具です。
画面の下に並んだパッドにコードを割り当て、鍵盤を押すと、そのコードへ曲がりながら移ります。
公式によると、割り当てられるコードは最大16個で、C1〜D3 の鍵盤で呼び出せます。

曲がり方は、主に2つのつまみで決めます。
Strum は、音を一斉にではなく1音ずつずらして曲げる機能で、ギターをかき鳴らしたような自然さが出ます。
Flow は、それぞれの音が次のコードのどの音へ向かうかを決める機能です。
近い音へ寄せる、離れた音へ広げる、途中で交差させる、といった動き方を選べます。
ほかにも、曲がる長さを決める Glide Time(ミリ秒か、曲のテンポに合わせるか)と、曲がり方のカーブを決める Glide Curve があります。
キーとジャンルを選ぶとコード進行を作ってくれる Harmony Engine や、コード進行の MIDI ファイルをドラッグするだけでパッドに並べてくれる機能も入っています。

Scaler 3 とは、そもそもやっていることが違う
「コードを扱うプラグイン」という点では、私が気に入って使っている Scaler 3 と似て見えるかもしれません。
でも、役割ははっきり違います。
Scaler 3 は、キーを決めると合うコードが並び、次にどのコードを置くかの候補を見るための道具です。
Fluid Chords 2 は、決まったコードをどう鳴らして、どうつなぐかを変える道具です。

Fluid Chords 2 にもコード進行を作る機能はありますが、主役はあくまで「曲がり方」です。
次のコードの候補を探したいときに使うのは、Scaler 3 のような道具の方です。
Scaler 3 で候補を見て、Logic で直していく流れは、使い方の記事にまとめています。
公式の動画を見て感じた「毎回だと効果が薄れる」
公式のウォークスルー動画では、コードが曲がりながら移っていく鳴り方を、いろいろな音色で聞けます。
音程を曲げてつなぐ仕組みは、いいと思いました。
シティポップなどでも、音程をつないで聞かせる場面はたまにあります。
ただ、それは「たまに」だから効くのだと思います。
Fluid Chords 2 はコードが変わるたびに曲げる作りなので、毎回そのつなぎ方をすると、つなぎの効果がなくなってしまうのでは、と感じました。
音程を滑らかにつなぐことは、歌では大事です。
ただ、コードの伴奏でそこまで必要かというと、私には「そこまでいるかな」というのが正直な感想でした。
私はピッチの動きを、オートメーションで足すくらい
こういう音程の動きを、今の私は専用の道具では出していません。
基本は、Logic Pro のオートメーションでピッチを変えるくらいです。
シンセでたまにやることはありますが、毎回ではありません。
曲げたいところだけ書けば足りているので、Fluid Chords 2 のように毎回曲げる道具を、どこに使うかが自分では思いつきませんでした。
Logic のオートメーションの書き方は、オートメーションの操作の記事にまとめています。
音を鳴らすには MPE 対応のシンセが要る
Fluid Chords 2 の「曲げる」仕組みは、MPE という、1音ずつ別々に音程を動かせる仕組みを使っています。
そのため、Plugin Boutique の動作環境には、MPE に対応したシンセやサンプラーが必要と書かれています。
とはいえ、Fluid Chords 2 にはウェーブテーブルシンセと MPE サンプラーを重ねた音源が入っているので、まずは中の音だけで鳴らせます。
ポンプ(サイドチェーン風の揺れ)・リバーブ・ディレイ・コンプも内蔵されています。
外のシンセを中で鳴らすこともできます。
対応表には、Pigments(2以降)・Serum・無料の Vital や Surge XT などが並んでいます。

Logic Pro では、AU とスタンドアロンで使えます。
Mac は Apple シリコンにも対応しています。
ボカロ曲に入れるなら、Dメロや間奏の演出に
ボカロ曲で使うとしたら、Dメロや間奏のような特殊なパートの演出としてなら、ありかなと思いました。
ただ、具体的にどこで使うかまでは、私には浮かびませんでした。
気になったのは、歌声との相性です。
伴奏の音程が動くと耳に強く残るので、曲がっている最中にボーカルのメロディとぶつかるのでは、と感じました。
¥17,250 なら私はいらない、向くのは「飛び道具」が浮かぶ人
¥17,250 なら、私はいらないと思いました。
毎回コードを曲げる作りなので、自分では使い方が思いつかず、持て余してしまいそうだからです。

逆に、飛び道具としての使い方がイメージできる人なら、ありだと思います。
ボカロ曲で、普通とは違う自分の味を出したいときにも使えそうです。
公式サイトには15日間の体験版があります。
気になる人は、自分の曲のどこに入れるかを体験版で確かめてから決めると安心です。
まとめ:コードを「探す」なら Scaler 3、「曲げる」なら Fluid Chords 2
Fluid Chords 2 は、コードの移り方を作るプラグインです。
ただ、毎回曲げる作りなので、使いどころが浮かばないと持て余しやすいと感じました。
次のコードの候補を探す道具が欲しいなら、目的が違うので Scaler 3 の方になります。
曲げる演出を「ここで使いたい」と思える場面がある人は、Fluid Chords 2 を検討してみてください。
コードが曲がる演出で、ボカロ曲に自分の味を出したい人に。
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次に置くコードの候補を見ながら、コード進行を作りたい人に。
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