1982年に Moog が出した Memorymoog は、回路が複雑で、扱いにくいことでも知られたシンセでした。
その音をパソコンの中で鳴らせるようにしたのが、Arturia の Memory V です。
Memory V は2026年5月に出たばかりの、新しい音源です。
私は Memorymoog という名前も、この製品も、調べるまで知りませんでした。
公式の動画を聞いたうえでの答えは、単品では買わず、V Collection を待つです。
どんな音で、ボカロ曲のどこに使えそうかを順に書いていきます。
Memory V を Plugin Boutique で見る →

Memory V は、Moog の最後のポリシンセを再現したもの
Arturia の説明によると、Memorymoog は Moog が1987年に倒産する前に作った、最後のポリシンセです。
ポリシンセは、和音を弾けるシンセのことです。
Moog の代表作の Minimoog は、1音ずつしか鳴らせませんでした。
その太い音を、和音で鳴らせるようにしたのが Memorymoog だった、と Arturia は紹介しています。

上は、当時の Memorymoog の広告です。
「1音に3つのオシレーター」と、Moog のフィルターが売りだったことが書かれています。

Memory V のメイン画面も、木の枠とつまみの並びまで元の形のままです。
プラグインとしても、単体のアプリ(Standalone)としても動きます。
1音に3つのオシレーターと、元の機種に無かった機能
音の元になるのは、1音につき3つのオシレーター(音のもとの波を作る部分)と、ノイズです。
それぞれ、四角・のこぎり・三角の波形を重ねて選べます。

そこに、Moog らしい「ラダーフィルター」で音の明るさを削っていく作りです。
ここまでが、元の Memorymoog にあった部分です。
Memory V では、元の機種に無かった機能がいくつも足されています。
同時に鳴らせる音を12まで増やすモードや、音を重ねて厚くするユニゾンもその1つです。

上は、Advanced パネルのアルペジエーター(和音を自動で分散して鳴らす機能)です。
Arturia の説明では、4つの層を重ねて、複雑なフレーズも作れます。
ほかに、エフェクトを4つまで挿せる枠(17種類以上から選べる)と、300以上のプリセットが入っています。
操作の全体は、Arturia 公式の使い方の動画で見られます。
公式の動画は、昔感のある懐かしい音だった
Arturia の紹介動画を聞いて、まず昔感があって懐かしいと感じました。
全体としては、アンビエント寄りに聞こえました。
ただ、これはプリセット次第だと思います。
動画で鳴っている音がそうだっただけで、作り方によって印象は変わりそうです。
EDM のボカロ曲なら、D メロを少し太くしたい
ボカロ曲で使うなら、EDM の曲全般に合いそうです。
使い方として考えたのは、D メロだけ少し太くするという入れ方です。
曲全体に使うのではなく、D メロのところだけ音を少し太くします。
もう1つは、ギターのリフのような使い方です。
短いフレーズをくり返すリフを、ギターではなくシンセで鳴らすイメージです。
CMI V・Jura と並べると、気になるのは CMI V
最近、Arturia の CMI V と AIR の Jura も同じように調べました。
CMI V は1980年ごろのデジタルサンプラー Fairlight CMI の再現です。
Jura は、1982年に出た日本の名機シンセの音を再現した音源です。
この3つの中で、私がいちばん気になったのは CMI V でした。
Memory V は、3つの中では一番手ではありません。
CMI V のことは、CMI V の記事にまとめています。
Arturia の別の名機の再現では、ヤマハの CS-80 を再現した CS-80 V も調べています。
そちらはCS-80 V の記事に書きました。
単品の値段なら、V Collection を待つ一択
Memory V を単品の値段で買うのは、私はやめておきます。
単品で買うくらいなら、V Collection を待つ一択です。
V Collection は、Arturia の昔の名機の再現をまとめた束です。
ただ、Arturia 公式の V Collection 11 の紹介ページを見ると、Memory V の名前はまだ入っていません。
なので私の「待つ」は、Memory V が入るかどうかも含めて、次の V Collection を待つという意味です。
V Collection 11 の中身と、これまでの値動きはこちらにまとめています。
Arturia V Collection 11 Introのセールはいつ?過去の値動きと買い時|「2万円以下なら」とBFまで待つボカロPの考え
Arturia 全体のブラックフライデーの動きは、Arturia のブラックフライデーの記事で見られます。
まとめ:太い昔の音が気に入ったら、まず束の中身から
Memory V は、1982年の Memorymoog の太い音を、和音のまま今の DAW で鳴らせるシンセです。
動画の音は昔感があって懐かしく、EDM のボカロ曲なら D メロやリフに出番がありそうです。
それでも単品の値段なら、私は V Collection を待ちます。
Memorymoog の太い音で、EDM のボカロ曲の D メロやリフに厚みを足したい人に。
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Memory V 以外の名機の再現も、束でまとめて使いたい人に。
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