Sunoで曲は作れた。
でも、「サビのメロディだけ、もう少しこうしたい」「この歌詞のここだけ変えたい」が、なかなか思いどおりになりません。
私もSunoで、ボカロ調・ポップ・EDM・インストと、100曲近く作りました。
それでも、自分のボカロ曲は今も自分の手で作っています。
もしSunoで「思いどおりにならない」ともどかしくなっているなら、自分の手で作り始めるタイミングかもしれません。
この記事では、自分で作ると何が違うのか、始める前に知っておきたいこと、最初にそろえるもの、最初の1曲の順番をまとめます。
Sunoでは「思ったように」作れない
Sunoは、テキストで指示するだけで、歌詞もメロディも伴奏も歌声も、まるごと生成してくれるサービスです。

クオリティは高いです。
普通にアニメでかかっていてもおかしくない曲も出てきます。
ただ、思いどおりにしようとすると、やることは基本的に「作り直して、出てきた候補から選ぶ」になります。
部分的に作り直す機能もありますが、最後に決めているのは自分ではなく、候補の中からどれを取るか、です。

私が100曲近く作ったときも、バッキングの質感、イントロやアウトロの展開、サビの盛り上がり方まで、どれも「よくある感じ」に着地しました。
悪くはないけれど、ほとんどは印象に残りません。
友達に見せたら、つまらんと一蹴されました。
AI作曲の話は、こちらに詳しく書いています。
自分の手で作ると、何が違うのか
自分で作ると、メロディの1音、歌詞の1文字、ドラムを入れるタイミングまで、全部を自分で決められます。
「サビの最後の音を半音上げたい」なら、その音をずらせばいい。
「ここの歌詞だけ変えたい」なら、その文字を打ち直せばいい。
Sunoで何度作り直しても届かなかった「こうしたい」に、自分の手なら直接届きます。
もちろん、最初はSunoより下手です。
ですが、思ったとおりに作れる曲と、選んだだけの曲とでは、作った本人にとっての手ごたえがまったく違います。
差が出るのは、たぶんそこじゃないかと。
それに、私にとって作曲は、面白いから続けているものです。
全部をAIに渡してしまうと、続ける理由そのものが薄くなる気がしています。
「思いどおりに作りたい」と感じた時点で、自分の手でやる意味はもうあるのだと思います。
始める前に知っておきたいこと:Sunoの曲を下敷きにしない
自分で作り始めるとき、「Sunoで作った気に入った曲を、DAWで直して仕上げよう」と考える人もいると思います。
ただ、私はおすすめしません。
理由は配信のときの権利です。
私はボカロ曲をTuneCoreで配信していますが、TuneCoreでは、Sunoを少しでも使った曲はAI生成として扱われ、申請が必要になります。

たとえば、Sunoで作った気に入ったメロディが5音だけあって、残りを全部人の手で作っても、AIを使った曲になります。
そしてAI申請をすると、YouTubeのコンテンツIDが付かず、誰かに勝手にアップロードされても守りにくくなります。
レーベルに所属していない個人のボカロPにとって、これはかなり痛い条件です。
自分の手で作るなら、最初から自分の手で作る。
Sunoの曲は下敷きにしないほうが安全です。
特にバズった後で文句を言われても大変ですので。
(配信サービスのルールは変わることがあります。配信する前に、各サービスの最新のガイドラインを確認してください。)
始めるのに必要なもの:DAWと歌声合成ソフト1つ
Sunoと違って、自分で作るボカロ曲には「歌わせるソフト」と「曲を組み立てるソフト」が要ります。
- DAW(曲を組み立てるソフト):Macなら最初から入っているGarageBandで1曲作れます。続きそうならLogic Pro。私はLogicで作っています
- 歌声合成ソフト:メロディと歌詞を置くと、その通りに歌ってくれるソフト。まず1つで十分です

オーディオインターフェースやMIDIキーボードは、歌を録らないボカロPなら最初は要りません。
機材の話はボカロPの始め方|本当に必要だったもの・要らなかったものに書きました。
歌声合成は、Synthesizer Vから
私がいまメインで使っているのは、Synthesizer V Studio 2 Proです。
音符を置いて歌詞を入れるだけで、かなり自然に歌ってくれます。

Sunoとの一番の違いは、どの音で、どの言葉を、どう歌わせるかを自分で決められることです。
語尾だけ伸ばす、ここだけ強く歌わせる、といった「こうしたい」を、1音ずつ直せます。
どんな画面で何ができるかは、Dreamtonics公式の動画が分かりやすいです。
お金をかけたくないなら、無料のSynthesizer V Studio 2 Basicからでも始められます。
有料のPro版は、Plugin Boutiqueではスターター用の声が1つ付く形で売られています(重音テトは入っていません)。
Synthesizer V Studio 2 Pro を Plugin Boutique で見る → 🎁 Plugin Boutique では、有料の買い物で無料ギフトを1つ選べます:StereoSavage 2 Elements/Gorilla Drive(¥4,480以上で ChordAXE Lite、¥14,980以上で Melodyne 5 Essential) ※9/26確認。ギフトは入れ替わります
VOCALOID6やPiapro Studioとの違いは、VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studioを実際に使った話にまとめています。
最初の1曲は、この4つを押さえる
Sunoは全部を一度に作ってくれますが、自分で作るときは1つずつ積み上げます。
私が最初の1曲で押さえたのは、この4つです。
- コード:どのコードを置けばいいか分からなかったので、Scaler 3で候補から選びました
- ドラム:キックを1・3拍目、スネアを2・4拍目。Logic純正のDrummerで十分です
- ベース:そのとき鳴っているコードのいちばん低い音を、8分音符で刻むだけ
- メロディと歌詞:歌声合成ソフトに置いて、歌わせる
一番止まりやすいのは、たぶんコードです。
私はコードがまったく分からず、Scaler 3でようやく1曲を最後までつなげられました。

キーを決めると、合うコードの候補が並ぶので、そこから選ぶだけで進行になります。
「選ぶ」のはSunoと同じに見えますが、選んだコードの上に、メロディも歌詞も自分で乗せていけるのが違いです。
Scaler 3 を Plugin Boutique で見る →
最初の1曲を完成させるまでの具体的な手順は、こちらに書きました。
AIを使うなら、作曲以外の手伝いに
AIを一切使うな、という話ではありません。
私も、歌詞で気に入らない言葉があるときは、その類義語をAIでざっと出してもらっています。
私の中で、それはAI作曲だとは思っていません。
言葉を選んで、メロディに乗せて、歌わせるのは自分だからです。
辞書を引くような使い方なら、自分の手で作ることの邪魔にはならないと思います。
まとめ
- Sunoは作り直して「選ぶ」ことはできても、思ったとおりにするのは難しい
- 自分の手で作ると、メロディの1音、歌詞の1文字まで自分で決められる。差が出るのはそこ
- 配信を考えるなら、Sunoの曲は下敷きにしない。少しでも使うとAI扱いになる
- 必要なのはDAWと歌声合成ソフト1つ。無料のGarageBandとSynthesizer V Basicからでも始められる
- 最初の1曲は、コード・ドラム・ベース・メロディと歌詞の4つを押さえる。コードで止まるならScaler 3
- 歌詞の類義語探しのような、辞書代わりのAIは使っていい
「思いどおりにならない」ともどかしくなった時点で、もう自分で作る準備はできていると思います。
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