ボカロで作った曲は、どうしてもボーカルが人と似てしまいます。
同じ音源を使っている以上、当たり前ではあるのですが、私はそこがずっと気になっていました。
その「色」の部分に向き合うために導入したのが、Three-Body TechnologyのVO-TTです。
ボーカル専用に作られたOTTスタイルのマルチバンド・ダイナミクスプロセッサーで、同社のSpecCraftとは違い、音量バランスと質感づくりを担当するプラグインです。
SpecCraftについては、こちらの記事に書いています。
先に正直な感想を書いておくと、導入して劇的に声が変わったわけではありません。
ただ、まあまあは変わっていますし、劇的じゃないこと自体が、むしろ良いのかもしれないと今は思っています。
この記事では、購入前後で何が変わったか、満足しているところと物足りなさを感じたところを書きます。
購入前は、Vocal Riderとコンプで音量バランスを整えていた
VO-TTを導入する前、ボーカルの音量バランスはVocal Riderとコンプレッサーで作っていました。
場合によっては手動でコンプ処理をすることもありました。
これらはあくまで音量のバラつきを均す処理で、声の「色」や個性を足す方向の処理ではありません。
バランスは整っても、声の印象そのものは変わらないです。
そこで気になっていたのが、ボカロの声が他の人と似てしまう問題でした。
VO-TTとは?OTTをボーカル専用にした5帯域プロセッサー

VO-TTは、Ableton内蔵のマルチバンドダイナミクスにある「OTT」というプリセットの考え方を、ボーカル専用にチューニングし直したプラグインです。
Air・Pres.・Clear・Warm・Bodyの5帯域に分かれていて、それぞれの帯域でExpander(弱い音をさらに抑える)・Upward Compressor(弱い音を持ち上げる)・Downward Compressor(強い音を抑える)が同時に働きます。
Processing Styleが12種類。用途で選べる

Clean、Bright、Warm、Soul、Pop、EDM、Rock、VoiceOverなど、用途別のスタイルが並んでいます。
曲やパートの方向性に近いものから試せるので、選択肢の多さは素直にありがたいです。
今も音量バランスはVocal Rider任せ。最後にVO-TTで味付けする
VO-TTを導入したあとも、Vocal Riderとコンプは手放していません。
役割を分けて併用しています。

画像は「Warm1」のプリセットを当てた画面です。
まず音量のバラつきはVocal Riderとコンプで整え、最後の仕上げとしてVO-TTを挿して色を足す、という順番で使っています。
普通のOTTよりボーカルに特化している分、扱いやすいと感じています。
Amountで、かかり具合を自分で決められる

中央のAmountノブで、処理の強さをまとめて調整できます。
画像は「Bright」のプリセットでAmountを標準より上げた状態です。
プリセットをそのまま使うだけでなく、曲やパートに合わせて量を加減できるのは、使っていて安心感があります。
曲によってスタイルを切り替える
落ち着いた曲では「Warm」系、ポップス寄りの曲では「Pop」を試すなど、曲の方向性に合わせてスタイルを切り替えています。

12種類のスタイルから選べるので、毎回ゼロから作り込まなくても、曲に近い方向性から始められるのが助かっています。
正直に言うと、劇的に変わるわけではない
ここまで便利な点を書いてきましたが、正直な感想も書いておきます。
VO-TTを挿しても、声の印象がガラッと変わるほどの劇的な変化ではありません。
もっと派手に変わってほしいと思う瞬間も正直あります。
ただ、ボーカルとして変わっていますし、プリセットも複数あってAmountで量も調整できるので、狙った方向には近づけられます。
そして、よく考えると劇的じゃないことは、むしろ良いことかもしれないとも思っています。
ボーカルの色を変える処理が強すぎると、それはそれで不自然になりやすいからです。
ほどよく効いて、それでいて破綻しない。
VO-TTの立ち位置は、そのあたりにあると捉えています。
まとめ:バランスの後に、色を足したい人向け
私の場合、VO-TTは音量バランスを作るプラグインではなく、バランスを作ったあとに声の個性を足すための一手でした。
- 音量バランスは今もVocal Rider・コンプが担当
- 最後の仕上げとしてVO-TTで色を足す
- 普通のOTTよりボーカルに特化していて扱いやすい
- 変化は劇的ではないが、それが自然さにつながっている
ボカロの声が他の曲と似てしまうのが気になっている人には、試してみる価値があると思います。
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Three-Body Technology公式のクイックスタートガイドでも、実際の操作を確認できます。
セールを待つか迷う場合は、プラグインの年間セールカレンダーも参考にしてください。
ボーカル処理の全体の流れは、こちらの記事にまとめています。







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