キックとベースがぶつかるので、ダッキングをしたい。
そう思って調べると、よく名前が出てくるのがCableguysの Kickstart 2 と ShaperBox 3 です。
同じメーカーで、どちらもダッキングができます。
しかし、値段はかなり違います。
私はこの2つを両方使ってきました。
先に結論を書くと、ダッキングだけが目的なら、Kickstart 2で十分です。
ShaperBox 3は、ダッキング以外の演出もやりたい人向けです。
最初はLogic純正のサイドチェインでやっていた
実は、プラグインを買う前は、Logic純正のコンプレッサーのサイドチェインでダッキングしていました。
キックの音をトリガーに、ベースの音量を下げるやり方です。
ただ、当時は初心者だったこともあって、ポンピング(音量が不自然に上下する感じ)がかかりすぎていたと思います。
今のように綺麗にはできていませんでした。
単純に強かったんですね。コンプが。
コンプのサイドチェインは、どれくらい下げて、どれくらいで戻すかをパラメーターで決める方式です。
狙った形に下げるには多少は慣れが要ります。
一方でKickstart 2やShaperBox 3は、下げて戻す形そのものを、カーブで見ながら決められます。
ここが専用プラグインを使ういちばんの理由です。
Kickstart 2:カーブを選ぶだけでダッキングできる
Kickstart 2は、ダッキング専用のプラグインです。
Logicに挿すとこんな画面になります。

できることはシンプルです。
- カーブ:下に並んだ16種類から選んで、長さを調整する
- トリガー:SYNC(テンポに合わせる)・MIDI・AUDIO(キックの音に合わせる)の3つから選ぶ
- BAND:オンにすると、低域だけを下げて中域より上はそのまま残せる
- MIX:かかり具合を大きなノブ1つで調整する
カーブを自由に描くことはできませんが、ダッキングで使う形は16種類で十分に足ります。
操作に迷うところもほとんどありません。
Nicky Romero(Kickstartの共同開発者)の公式チャンネルの紹介動画です。
価格は公式サイトで€14/$16(2026年9月時点)です。
Plugin Boutiqueでは取り扱いがないので、買うならKickstart 2の公式サイトからになります。
ShaperBox 3(VolumeShaper):カーブを描けて、帯域も細かく分けられる
ShaperBox 3でダッキングを担当するのは、中に入っている VolumeShaper です。
私が毎曲やっているベースのダッキングはこんな感じです。

Kickstart 2との違いは2つです。
- カーブを自由に描ける:下げ始めの角度や、戻るまでの長さを、点を動かして細かく作れる
- 帯域を3つに分けられる:低域・中域・高域で、それぞれ別の動きをさせられる
私は100Hzあたりから下だけを沈めて、上はそのままにしています。
全帯域を一律に下げると、ベースが引っ込みすぎて不自然になりがちだからです。
とはいえ、「低域だけ下げる」ことはKickstart 2のBANDでもできます。
3つに分けて別々に動かしたい、というところまでこだわらなければ、差はそれほど大きくありません。
プリセットも、SIDECHAINのカテゴリにダッキング用がまとまっています。

VolumeShaperは単体でも買えて、Plugin Boutiqueで¥5,050です(2026年9月時点)。
Logicで使うなら、どちらもMIDIトリガーが確実
ここは両方に共通する注意点です。
私の環境のLogicでは、Kickstart 2もShaperBox 3も、キックの音をきっかけにする(AUDIO)モードがうまく同期しませんでした。
公式FAQにはLogicでの設定手順も載っているので、環境によっては動くのかもしれません。
おそらく、appleシリコンは不具合が出ると思われます。
私はMIDIモードに切り替えて、キックのMIDIをきっかけにダッキングさせています。
MIDIならキックの拍にきっちり合います。
Kickstart 2にもMIDIモードがあるので、VolumeShaperと同じようにできます。
Logicでの具体的な手順(バスの作り方など)は、ShaperBox 3のレビューにまとめています。
ShaperBox 3 レビュー|セールで買ったEDM用の多機能モジュレーター、結局ベースのダッキングだけ使っているボカロPの話
ダッキング以外もやるなら、ShaperBox 3
ShaperBox 3を選ぶ理由があるとすれば、ダッキング以外の演出です。

音量だけでなく、フィルター・歪み・パン・リバーブなど、全部で11種類のShaperが入っています。
私がダッキング以外で多用しているのは、フィルターが開いていくライザーです。

ただ、正直に言うと、ダッキング以外はそこまで出番がありません。
EDMのようにリズミックな演出をたくさん使う人でなければ、全部入りは持て余すと思います。
どれを選ぶか
- Kickstart 2が向く人:ダッキングだけできればいい人。いちばん安く、操作も迷わない
- VolumeShaperが向く人:カーブを自分で描きたい人、帯域を3つに分けて細かく動かしたい人
- ShaperBox 3が向く人:ライザーやフィルターの動きなど、ダッキング以外の演出もやりたい人
- まだ買わなくていい人:ダッキングを試したことがない人。まずはLogic純正のコンプのサイドチェインで、キックとベースを分ける感覚をつかんでからでも遅くありません
まとめ:ダッキングだけならKickstart 2で十分
- Kickstart 2は、16種類のカーブから選ぶだけのダッキング専用プラグイン。低域だけ下げるBANDもある
- VolumeShaper(ShaperBox 3の中身)は、カーブを描けて、帯域を3つに分けられる
- Logicでは、どちらもMIDIトリガーで使うのが確実だった
- ShaperBox 3は、ダッキング以外の演出もやりたい人向け
私は今ShaperBox 3でダッキングしていますが、ダッキングだけのためにこれから買うなら、Kickstart 2で十分だと思います。
キックとベースの関係でベース音源から見直したい人は、MODO BASS 2のレビューも参考にしてください。Plugin Boutiqueでの買い方は、Plugin Boutiqueの使い方にまとめています。
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