EastWest Hollywood ChoirsとFantasy Voices、ボカロ曲でクワイアを使うならどっちを選ぶ?

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ボカロ曲でクワイア(合唱)が入る曲は、正直そんなに多くありません。

ただ、サビなど重要な場面や、ファンタジー風の劇伴っぽい曲では使うことがあります。

 

そういうとき、私は曲によってHollywood ChoirsHollywood Fantasy Voicesのどちらかを使っています。

この記事では、それぞれ何が違うのか、実際に使ってみて難しいと感じている点まで、正直に書きます。

 

Hollywood Choirs:WordBuilderで実在の言語を歌わせる、必殺のプラグイン

OPUSのBROWSE画面。EW Hollywood Choirs Diamondを選択、Mens Choir/Womens Choirのサブフォルダとコンソナント(MEN b・breath・d等)のパッチ一覧

 

Hollywood Choirsは、WordBuilderという機能で英語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ラテン語などの単語やフレーズをテキストで入力すると、コーラス全体がそれを歌ってくれる音源です。

 

Mens Choir・Womens Choirのパートがあり、母音だけでなく子音(consonants)まで細かくパッチが分かれています。

 

Hollywood ChoirsのPLAY画面。左上にWORDBUILDERボタン、中央に13人分の合唱団の配置図、右にREVERB(St. Mary LR)とMIXESセクション

 

画面左上の「WORDBUILDER」ボタンから、実際に歌わせたい言葉を入力できます。

 

実際にWordBuilderで単語を入力してみる

WordBuilder 2のTEXT EDITOR画面。「u nO bE gin ing」と入力し、WORD/SYLLABLE/LETTERの各パネルとTIME EDITORで発音の時間配置を調整している

 

TEXT EDITORに単語を打ち込むと、音節(SYLLABLE)や文字(LETTER)ごとに分解され、TIME EDITORで発音のタイミングまで細かく調整できます。

 

打ち込んだ通りに歌ってくれるのは面白いのですが、1音ずつタイミングを詰めていく作業なので、それなりに手間がかかります

なかなか思い通りには歌ってくれませんね。ボカロに慣れていると尚更です。

 

選択肢が多すぎて、選ぶのが大変

WordBuilderのPHRASESメニュー。English Phrasesを開いた状態で、Glory and honorやHallelujah、The Dragon Is Hereなど大量のフレーズプリセットが並ぶ。Spanish/Latin/German/Italian Phrases、Backup Singersのカテゴリも選べる

 

自分で1から単語を打ち込まなくても、英語・スペイン語・ラテン語・ドイツ語・イタリア語ごとに大量のフレーズプリセットが用意されています。

「Glory and honor」「Hallelujah」「The Dragon Is Here」のような、いかにも劇伴向けのフレーズがずらっと並んでいて、見ているだけでも楽しいです。

Englishが豊富ですね。やはり。

 

ただ、正直に言うと、母音だけではなく選択肢自体は豊富にあるのですが、その中から曲に合うものを選ぶのがなかなか大変です。

梶浦由記さんの楽曲にあるような、完全に独自の言葉(造語)を作れるわけではないので、既存の言語やプリセットの中から近いものを探す、という作業になります。

 

Diamond版はミキシングまで作り込める

Hollywood ChoirsのMIX画面。Legend AmpやSSL Channelstrip・SSL Transient Shaper・SSL Bus Compressorなどミキシング用のインサートが並ぶ

 

MIX画面を開くと、Legend AmpやSolid State LogicのチャンネルストリップなどがインサートとしてOPUSエンジンに内蔵されています。

このあたりまで自分で作り込めるのは、Diamond版ならではだと思います

 

Hollywood Fantasy Voices:ソロボーカリスト+コーラスで雰囲気重視

OPUSのBROWSE画面。EW Hollywood Fantasy Voicesを選択、ソロボーカリストMerethe Soltvedtと男女コーラスの公式説明文が表示されている

 

Hollywood Fantasy Voicesは、ソロボーカリストMerethe Soltvedtの声に、男女コーラスを組み合わせたシリーズです。

WordBuilderのように実在の言葉を歌わせるタイプではなく、戦闘シーンや失われた王国のような、エーテリアル(幽玄)で雰囲気重視の声を作ることに特化しています。

イメージは、ロードオブザリングに出てきそうな感じでしょうかね。謳い文句もそうあるので。

 

Hollywood Fantasy VoicesのPLAY画面。MOOD・PERFORMANCE・REVERB(St. Mary LR)・MICROPHONESの各セクションと、ファンタジー風のカバーアート

 

操作画面自体はHollywood Choirsと共通のレイアウトで、迷わず使えます。

 

Fantasy Voicesはシンプルな母音ベース

Fantasy VoicesのARTICULATIONS画面。Full Choir Ah・Ee・Oh・Ooの4種類の母音アーティキュレーションが並ぶ

 

Full Choirのアーティキュレーションを見ると、Ah・Ee・Oh・Ooという4種類の母音がベースになっています。

WordBuilderのような言葉の作り込みはできませんが、その分シンプルで、雰囲気重視の場面にはむしろ合わせやすいと感じています。

 

作曲家の和田貴史さんが実際にFantasy Voicesを使っている動画が分かりやすかったので、貼っておきます。

このかたの動画はどれも面白いですね。

 

正直なところ:精度高くは使えていないが、雰囲気は出る

正直に書くと、私はHollywood ChoirsもFantasy Voicesも、そこまで精度高く使いこなせているわけではありません。

 

WordBuilderで単語を作り込むのも、フレーズプリセットから選ぶのも、Fantasy Voicesの母音を選ぶのも、毎回「これでいいのか」と手探りな部分があります。

 

それでも、曲に乗せると、ちゃんとそれらしい雰囲気は出てくれます

精度より雰囲気、という付き合い方をしています。

特にFantasyの方が好きですね。

 

どちらを選ぶか:曲によっての使い分け

私の場合は、こう使い分けています。

  • 何か言葉を歌わせたい、実在の言語感が欲しい → Hollywood Choirs(WordBuilder)
  • 言葉よりも、幽玄でファンタジー的な雰囲気を重視したい → Hollywood Fantasy Voices

 

2つを同じ曲でレイヤーするというより、曲によってどちらか一方を選ぶ使い方をしています。

やはり言葉の方がハードルが高いので、Fantasyの方を多用してしまいますね。

 

まとめ:クワイアは「言葉」か「雰囲気」かで選ぶ

Hollywood ChoirsとHollywood Fantasy Voicesは、どちらも合唱系の音源ですが、性質はかなり違います。

  • Hollywood Choirs:WordBuilderで実在の言語を歌わせる。選択肢は豊富だが選ぶのが大変
  • Hollywood Fantasy Voices:ソロボーカリスト+コーラスで、母音ベースの雰囲気重視
  • どちらも精度高く使いこなせているわけではないが、曲に乗せれば雰囲気は出る

 

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EastWestのオーケストラ音源全体の選び方はこちらの記事にまとめています。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。