ボカロ曲の転調のやり方|大サビで「+1」するだけで印象が変わる。転調をよく使うボカロPの3つの使い分け

曲の最後のサビまで来て、なんとなく1番と同じに聞こえる。

盛り上げたいけれど、転調と聞くと音楽理論が必要そうで手が止まることがあるかもしれません。

 

私は、ボカロ曲で転調をわりとよく使っています。

といっても、やっていることはシンプルで、いちばん多いのは大サビでキーを半音1つ上げる「+1」です。

 

このページでは、私がよく使う3つの転調と、実際のやり方、移調したあとに直すところ、そして初心者が最初に試すならどこからか、を順番に書きます。

 

私がよく使う転調は3種類。いちばん多いのは大サビの「+1」

転調といっても、使っているのは大きく分けて3つです。

 

よく使う転調3種類(大サビの半音+1・ブリッジやCメロの半音−1/+1・平行調)の図

 

1つ目は、大サビでキーを半音上げる+1です。

シンプルで分かりやすいので、大サビではこの+1をよく使います。

 

2つ目は、ブリッジやCメロで少し形を変えて、半音下げる−1や半音上げる+1を入れるやり方です。

大サビほど毎回ではありませんが、ちょこちょこ使っています。

 

3つ目は、平行調への切り替えです。

たとえばAマイナー(Am)からCメジャーへ、という形で使うこともあります。

 

半音の+1・−1は「全体の高さを上げ下げする」もの、平行調は「同じ音のまま明るさを切り替える」もの、と種類が違うので、分けて考えています。

転調にはほかにも全音上げや3度上げなどたくさんの種類があり、パターンごとに整理した動画が分かりやすいです。

 

 

やり方は「MIDIを半音ずつ上げ下げする」だけ

私の転調のやり方は、かなり物理的です。

MIDIのノートを半音上げる(+1)、半音下げる(−1)、これだけで転調させています。

 

半音を1つ上げるというのは、鍵盤でいうと、となりの鍵盤へ1つずつずらすことです。

白鍵か黒鍵かは気にせず、すべての音を同じだけ動かします。

 

半音+1の図。Cの和音(ド・ミ・ソ)が C# の和音(ド#・ファ・ソ#)に上がる

 

たとえばCの和音(ド・ミ・ソ)を+1すると、C#の和音(ド#・ファ・ソ#)になります。

和音の種類はそのままで、高さだけが半音上がるのがポイントです。

 

実際にLogicのピアノロールで、コードの3つの音を半音上げたのが次の画面です。

左の濃い緑が元のC、右の明るい緑が+1したC#です。

 

Logic のピアノロールで、コードの3つの音を半音上げた画面(C から C# へ)

 

コードだけを上げてメロディーをそのままにすると、当然ぶつかって合わなくなります。

転調したい範囲は、コードもメロディーも同じだけ動かす、というのが基本です。

 

平行調は、同じ音のまま明るさを切り替える

平行調への切り替えは、半音の上げ下げとは考え方が違います。

AマイナーとCメジャーは、使う音がまったく同じ組み合わせです。

 

平行調の図。CメジャーとAマイナーは同じ白鍵の7音を使う

 

どちらも白鍵の7音(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)でできていて、ドを中心にするとCメジャー、ラを中心にするとAマイナーになります。

そのため、音をずらさずに、曲の明るさだけを変えられるのが平行調の特徴です。

 

Amの暗めの雰囲気からCメジャーの明るい雰囲気に移ると、同じキーのままでも、場面が変わったように聞こえます。

コード進行そのものの考え方は、コード進行の記事にまとめています。

 

移調したあとに直すところは、基本的にない

転調すると、シンセやボーカルの声を直す作業が増えるのでは、と思うかもしれません。

私の場合、移調したあとに直すところは基本的にありません。

 

理由は、メロディーを作る段階で、ある程度余裕を持った音域にしていることが多いからです。

そのため、半音上げても歌えなくなる(声の上限を超える)ことは、まずないと思っています。

 

ただ、楽器によってはその音域が使えなくなることもあるので、楽器の最高音がだいたいどのぐらいかは把握しておいたほうがいいですね。

 

メロディーの音域に余裕を残しておけば、半音上げても声の上限を超えにくいことを表した図

 

転調を使うつもりなら、メロディーの最高音に少し余裕を残しておくのがコツです。

 

メロディーの作り方はボカロ曲のメロディの作り方、歌わせたあとの調声については調声はやりすぎないほうがいいという記事に書いています。

 

初心者が最初に試すなら「大サビだけ+1」

初心者の人にも、転調はおすすめです。

最初に試すなら、いちばん分かりやすい大サビから始めるのがいいと思います。

 

曲の構成図。大サビ(と好みでアウトロ)だけ半音+1する

 

やることは、大サビだけを+1するか、大サビとアウトロをまとめて+1するか、のどちらかです。

それだけでも、曲の最後の印象はかなり変わります。

アウトロは下げないと楽ですね。

そのまま上げて終わりなので。

 

ブリッジでの−1や平行調への切り替えは、大サビの+1に慣れてからで十分です。

まずは1曲、いつもどおり作ったあとに、大サビの範囲のMIDIを半音上げて聴き比べてみてください。

 

サビそのものを「サビらしく」する作り方は、こちらの記事に書いています。

 

ボカロ曲のサビの作り方|今はAメロから作るボカロPが、サビで気をつけている「高く」と「変える」の2つ

 

まとめ:転調は、MIDIを半音動かすところから

私がよく使う転調は、大サビの+1、ブリッジやCメロの−1・+1、平行調への切り替えの3つです。

やり方は、MIDIを半音ずつ上げ下げするだけです。

 

メロディーの音域に余裕を持たせておけば、移調したあとに直すところもほとんどありません。

理論を全部覚えてからでなくても、大サビを+1するだけで、曲の最後は変わります。

 

次の曲では、最後のサビだけ半音上げてみるところから試してみてください。

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