テープの質感を足すとき、各トラックに1つずつ挿すのと、バスにまとめて1つ挿すのは、同じ音にはなりません。
テープを通るのが「1本ずつの音」か「混ぜたあとの音」かが違うからです。
u-he の Satin は、この「1本ずつ」のほうを、まとめて操作しやすくしたテープのプラグインです。
ただ、調べた私の答えは、私には要らないでした。
まだ持っていない製品なので、中身は u-he 公式と Plugin Boutique の情報で整理しました。
そのうえで、Ozone の Vintage Tape を使っている私が見送った理由を書きます。
u-he Satin を Plugin Boutique で見る →
Satinは、テープの「良さ」と「汚れ」を別々に決めるテープマシン
Satin は、シンセの Diva や Zebra で知られる u-he の、テープの録音機を再現したプラグインです。
スタジオの大きなマルチトラックのレコーダーから、家庭用のカセットデッキまで、テープの歴史の主な方式を組み合わせて選べます。

公式の説明では、音が太くなる・アタックが丸くなる・軽く圧縮されるといったテープの「良さ」を決められます。
それとは別に、揺れやヒスノイズのようなテープの「汚れ」も、どれくらい入れるかを自分で決められます。
テープの速さは1.87〜30ips の間で変えられて、昔のノイズリダクションの方式も5つ入っています。
プリセットは120以上あります。

画面の下の Service パネルを開くと、ヒスの量や揺れ(ワウ・フラッター)、バイアスといった細かいところまで触れます。
どんな画面で、どう操作するのかは、u-he 公式の動画がいちばん分かりやすいと思います。
公式の動画を見て、つまみは分かりやすいと感じた
Satin のことは、この記事のために調べるまで知りませんでした。
公式の動画と画面を見て、まず思ったのは、画面の雰囲気がちょっと古臭いな、ということです。
できること自体は良いのかもしれませんが、見た目は私の好みではありませんでした。
一方で、やっていることは比較的わかりやすく、つまみもシンプルです。
ただ、入力を上げて、テープの種類と速さを選んで、質感を整えるという流れは、ほかのテープ系のプラグインとほぼ同じに見えました。
ディレイやフランジャーとしても使える
テープの質感を足すほかに、Satin にはテープを使ったエフェクトのモードもあります。

Delay モードは、テープの再生ヘッドを2つか4つ使うテープディレイです。
ヘッドごとの距離をスライダーで決めて、左右への振り分けも選べます。

Flange モードは、テープを使った昔ながらのフランジャーで、音をうねらせる効果です。
テープの質感・ディレイ・フランジャーが1本に入っている、というのが Satin の作りです。
ボカロ曲のミックスなら、バスにまとめてかければ足りると思った
Satin の特徴としていちばん大きいのが、Studio モードの Group です。
公式によると、Group の画面を使って、最大8つの Satin をまとめて操作できます。
たとえばドラムの各トラックに Satin を1つずつ挿しておき、同じグループにしておけば、1つの画面からそろえて動かせます。
公式のデモ曲では、21トラックの曲に15個の Satin を使い、その多くを Group でひとまとまりのマルチトラックとして扱っています。
ここが、バスにまとめて1つかけるのとの違いです。
Group では、テープを通るのはあくまで1トラックずつで、それを操作の面だけまとめています。
バスやステレオアウトにかける場合は、混ぜたあとの音が、1つのテープをまとめて通ります。
どちらが良いというより、テープにかける順番が違う、ということです。
そのうえで、私の答えは「自分には要らない」です。
テープでそろえたいなら、Logic ではバスにまとめてかければいいし、ステレオアウトにかけてもいいと思っています。
ボカロ曲のミックスでも、トラックごとにテープを通して、それをまとめて操作するところまでは、私は必要としていません。
私のテープは、OzoneのVintage Tapeで足りている
テープっぽい質感を足す道具は、今の手持ちにもあります。
Logic の ChromaGlow と、iZotope Ozone の中に入っている Vintage Tape、あと揺らす系の RC-20 です。

いちばん使っているのは、この Vintage Tape です。
実は、Vintage Tape を、いずれもっといいテープのプラグインに替えたいという気持ちはあります。
それでも、替える先は Satin ではない、と思いました。
Satin を今の手持ちに足したいとも、思いませんでした。
Ozone をほかにどう使っているかは、Ozone Advanced のレビューに書いています。
以前、UAD FATSO のセールの記事で、テープ系はたくさん持つ必要はないけれど、好きなのでいろいろ集めたい気持ちもある、と書きました。
Satin は、その「集めたい」側にも入りませんでした。
¥22,480は、私には高い
Plugin Boutique の通常価格は ¥22,480 です。
2万2000円と考えると、私には高く感じます。

それに、少し古めの製品なので、もっと新しいテープのプラグインもあるかな、と思っています。
Satin を買う価値があるのは、この機材そのものが本当に気に入った人くらいではないか、というのが私の考えです。
Plugin Boutique の製品ページには、体験版(Free Trial)も用意されています。
まとめ:テープの機材そのものが好きな人の1本
- Satin は、テープの良さと汚れを別々に決められる、u-he のテープマシン
- ディレイとフランジャーのモードも入っている
- Group は、各トラックに挿した Satin を最大8つまとめて操作する仕組みで、バスに1つかけるのとはテープを通る順番が違う
- それでも私は、Logic のバスやステレオアウトにかければ足りるので要らない
- テープは Ozone の Vintage Tape で足りていて、替えるとしても Satin ではない
- ¥22,480 は高く、古めなので、私の中では優先度が低い
u-he のほかの製品と、そのセールは、こちらにまとめています。
u-heのセールはいつ?Uhbik 2・Diva・Hive 2の買い時|「シンセの会社」と見ているボカロPが、BFでも急がない理由
テープ系のプラグインをほかにも見比べたいなら、Softube Tape のセールの記事も参考になると思います。
テープの機材そのものが好きで、各トラックにテープを通して1つの画面からまとめて触りたい人に。
u-he Satin を Plugin Boutique で見る →






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