TDR Special Filters Bundleは要る?|30Hzより下は切ってしまうボカロPが、超低音と超高域の4本を見送った理由

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私は曲を書き出す前に、30Hzより下をローカットすることが多いです。

低いところをスッキリさせておきたいからです。

 

TDR Special Filters Bundle は、その「ふだん切ってしまう超低音」や、耳に聞こえない超高域を細かく整えるための4本セットです。

Tokyo Dawn Labs(TDR)が出している、音の「はしっこ」専用のフィルター集だと考えると分かりやすいと思います。

 

公式の動画と説明を見たうえでの私の結論は、私の曲作りには要らないでした。

この記事では、4本がそれぞれ何をする道具なのかと、私が見送った理由を順番に書きます。

 

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TDR Special Filters Bundleに入っている4本

束に入っているのは、Infrasonic・Elliptical・Ultrasonic・Arbiter の4本です。

どれも普通のEQのように音色を作る道具ではなく、ミックスの端っこの困りごとを狙って直すためのプラグインです。

 

TDR Special Filters Bundleの4本(Arbiter・Ultrasonic・Infrasonic・Elliptical)の画面(Tokyo Dawn Labs公式)

 

発売は2023年11月です。

Mac は macOS 10.9 以上で、AU にも対応しているので Logic Pro でも使えます。

 

Infrasonic:ほとんど聞こえない超低音を削る

Infrasonic は、ミックスのいちばん下の、耳ではほとんど聞こえない帯域を削るフィルターです。

削り方の傾きを細かく変えられ、削ったせいで迫力が減ったように感じる分を、倍音を足して補う仕掛けも付いています。

 

TDR Infrasonicの画面。超低域を削るフィルターの傾きと、削った分を補う倍音のスイッチが並ぶ(Tokyo Dawn Labs公式)

 

公式は、レコードやカセット、ライブの PA のように、低い帯域を出し切れない先へ音を渡すときに向いていると説明しています。

 

Elliptical:低音の左右の広がりだけを真ん中に寄せる

Elliptical は、低い帯域で左右に広がっている成分だけを抑えて、真ん中に寄せるフィルターです。

キックやベースのような低音は、左右に散らばるより真ん中にまとまっていた方が扱いやすい、という考え方の道具です。

 

TDR Ellipticalの画面。低い帯域の左右の広がりだけを真ん中に寄せるフィルター(Tokyo Dawn Labs公式)

 

モノラルにまとめたときに迫力が落ちにくくなるよう、補正の仕掛けも入っています。

 

Ultrasonic:耳に聞こえない超高域のたまりを抑える

Ultrasonic は、20kHz より上の、耳に聞こえない帯域を切るフィルターです。

44.1kHz や 48kHz より高いサンプルレートで、ひずみ系のプラグインをいくつも重ねると、この聞こえない帯域がたまっていきます。

 

TDR Ultrasonicの画面。20kHzより上の耳に聞こえない帯域を切るフィルター(Tokyo Dawn Labs公式)

 

それを途中で取り除いておくことで、聞こえる帯域に出るひずみを減らす、というのが公式の説明です。

 

Arbiter:出すぎた帯域だけを抑える

Arbiter は、最大6つの帯域を決めて、その帯域が出すぎたときだけ量を抑える道具です。

入ってくる音の大きさに左右されずに働くので、公式はディエッサー(サ行の耳に痛い音を抑える)や、「パ」行の破裂音を抑える使い方を挙げています。

 

TDR Arbiterの画面。最大6つの帯域で、出すぎた帯域の量を抑えるスペクトルバランサー(Tokyo Dawn Labs公式)

 

4本の中では、ボーカルに挿す場面がいちばん想像しやすいのがこの Arbiter です。

 

公式の動画を見ても、超低音の変化はあまり感じなかった

TDR の公式の紹介動画も見てみました。

 

 

正直なところ、私には内容が少し難しく、何をどう変えているのかを動画だけではつかみきれませんでした。

超低域を調整しているという説明でしたが、聞いていて変化はあまり感じられなかったです。

 

値によっては低音があまり動かないように見えた場面もあり、逆にはっきり変わる場面もありました。

変わるところは少し面白いと感じました。

 

30Hzより下は切ってしまうので、超低音の道具が要らない

いちばん大きな理由は、私の曲には超低音を整える場面がほとんどないことです。

クラブミュージックは作らないので、30Hz より下はローカットしてスッキリさせることが多いです。

 

ローカットは手持ちのEQでできるので、Infrasonic や Elliptical のようなベースまわりの専用の道具も、そこまで必要だと思いませんでした。

ローカットのやり方は、Pro-Q 4の使い方にも書いています。

 

同じように「低域を細かく触る道具を、ローカットで済ませる」と判断した記事はこちらです。

 

Mastering The Mix BASSROOMは要る?20Hz・40Hzまで触る低域EQを、ローカットで切るボカロPが見送った理由

 

左右の広がりはOzoneでできている

低音の左右の広がりを整える部分も、私は持っている Ozone で足りると考えています。

Ozone のイメージャーで、帯域ごとに左右の広がりを調整できるからです。

 

Ozone のどのモジュールを使っているかは、Ozone Advancedのレビューにまとめました。

左右の広がりの道具を選ぶときの考え方は、ステレオイメージャーの選び方が参考になると思います。

 

歌声合成のサ行は、SpecCraftで抑えていて困っていない

ボカロPとして気になるのは、4本の中でボーカルに使えそうな Arbiter です。

ただ、歌声合成の声のサ行が気になることは、私の場合そんなにありません。

 

今は SpecCraft というプラグインを、ディエッサーのような使い方で挿しています。

重音テトのボーカルのチャンネルでは、Pro-Q 4 と Pro-C 3 の後に SpecCraft を入れています。

 

重音テトのボーカルのチャンネル。Pro-Q 4とPro-C 3の後にSpecCraftを2回挿している

 

これでサ行は特に気にならないので、Arbiter のためだけに束を買う理由はありませんでした。

SpecCraft を使ってみた感想は、SpecCraftのレビューに書いています。

 

 

歌声合成の声にディエッサーが要るかどうかは、ディエッサーはボカロに要る?で詳しく書きました。

 

8,000円くらいでも、私は買わない

私はヘッドホンもあまり使わず、超低音や超高域を細かく聞き分けて整える作業をしていません。

そのため、8,000円くらいでも要らない、というのが私の判断です。

 

Plugin BoutiqueのTDR Special Filters Bundleの製品ページ(2026年11月4日時点で¥7,750・通常¥17,430)

 

逆に言えば、私が要らない理由は「クラブミュージックを作らない」「30Hz より下は切ってしまう」という自分の作り方にあります。

超低音まで鳴らす曲を作る人や、低音の左右の広がりを細かく管理したい人は、私とは事情が違うはずです。

 

TDR の製品では、ダイナミックEQの Nova GE を含む束についてもTDR Production Bundleは要る?で考えています。

 

過去のセール

  • 2023年11月24日:発売記念で各プラグインが40%オフ(Infrasonic・Elliptical は €18・出典:Sound On Sound)
  • 2026年11月4日:¥7,750(55%オフ・11月19日まで・通常 ¥17,430)

 

まとめ

TDR Special Filters Bundle は、超低音・低音の左右・超高域・出すぎた帯域という、ミックスの端っこを整える4本セットです。

30Hz より下を切ってしまい、左右の広がりは Ozone、サ行は SpecCraft で済んでいる私には、今は要らない束でした。

 

超低音まで作り込む曲を作っていて、低音の左右の広がりまで細かく整えたい人に

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歌声のサ行や、出すぎた帯域を目で見つけて抑えたい人に

SpecCraft を Plugin Boutique で見る →

 

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