ステレオイメージャーの選び方|50%広げて芯が消えたボカロPが、Ozoneの帯域別に落ち着くまで

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昔の私は、ステレオイメージャーの幅を50%近くまで上げていました。

今振り返ると、あの頃の音は、はっきりしない、芯のない音になっていたと思います。

単純に、かけすぎていました。

 

ステレオイメージャーは、音の左右の広がりを調整するプラグインです。

広げれば音が横に散って、狭めれば真ん中に寄ります。

 

今の私は、iZotope Ozone に入っている Imager を、帯域ごとに分けて使っています。

この記事では、そこに落ち着くまでの失敗と今のやり方、そして気になって調べた WIDE・CenterOne 3 との違いをまとめます。

 

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今のやり方:Ozone の Imager をトラックごとに、帯域で分けて挿す

100%で全部を広げていた頃と違って、今は挿す場所と帯域の2つで、かけ方を分けています。

 

1つ目は、挿す場所です。

私は、Imager をステレオアウト(曲全体の出口)にはあまり挿しません。

トラックごとに、個別に挿すことが多いです。

 

2つ目は、帯域で分けることです。

基本は、低い所は狭く、高い所は広く。

下の画面は、コード楽器をまとめたトラックに挿した Imager で、いちばん低い帯域は狭め、上の帯域ほど広げています。

 

コード楽器をまとめたトラック(chord all)に挿したOzoneのImager。4つの帯域のうち、いちばん低い帯域は-79で狭め、上の帯域は9・20・27と広げている

 

特にベース・ピアノ・ボーカルは、それぞれ広げ方を分けて考えています。

コード楽器とボーカルは、サビでは広く、サビ以外では狭くしています。

 

Ozone の Imager は、帯域ごとにイメージャーを分けてかけられるので、私にはそこがすごくありがたかったです。

iZotope の日本語の公式チャンネルに、Imager の使い方の動画があります(画面は前の版のものです)。

 

 

Ozone 全体の使い方や、ほかのモジュールの話は、レビューの記事にまとめています。

 

iZotope Ozone Advanced、結局どのモジュールを使っているか全部書き出してみた

 

ステレオイメージャーは「何を分けて触れるか」で選ぶ

広げる道具は、どれも同じに見えて、触れる場所が違います。

私が使っている Ozone の Imager と、気になって調べた2つ、それに Logic Pro に最初から入っている道具を並べると、こうなります。

 

製品何をする道具か分け方私の見方
Ozone の Imager左右の広がりを帯域ごとに変える最大4つの帯域今使っている・帯域で分けられるのがありがたい
Zynaptiq WIDE広げることと、モノからステレオを作ること帯域では分けず、BIAS で効かせる場所を決める今の Imager で十分
Leapwing CenterOne 3左・真ん中・右に分けて、真ん中の音を上げ下げする低域・中域・高域で別々にImager の強化版のように見えた
Logic Pro の Direction Mixer など左右の広がりと向きを変える帯域では分けない使ったことがない

 

私が選ぶときに見ているのは、帯域で分けて触れるかどうかです。

低い所を狭く、高い所を広くという使い方は、帯域で分けられないとできません。

 

Logic Pro にも、広がりを変える道具は最初から入っています。

ただ、私は使ったことがないので、この記事では比べる対象として名前を挙げるだけにします。

 

お金をかけずに試したい人には、iZotope の無料の Ozone Imager という手もあります。

帯域では分けられませんが、トラックごとに広げたり狭めたりできます。

モノの音をステレオにする「Stereoize」も付いています(iZotope 公式より)。

まずは無料のもので、広げると音がどう変わるかを確かめてから、帯域で分けられるものに進むのもいいと思います。

 

CenterOne 3 は、Imager と EQ が合わさったように見えた

今、ミックスで「センターを空ける」のは、FabFilter Pro-Q 4 の Mid/Side でやっています。

コード楽器をまとめたバスに挿して、Mid(真ん中)だけを広めに削り、ボーカルの居場所を作るやり方です。

 

コード楽器のバスに挿した Pro-Q 4。Mid だけをワイドに削ってボーカルの居場所を作っている

 

Leapwing Audio の CenterOne 3 は、音を左(L)・真ん中(C)・右(R)に分けて、真ん中の音だけを上げ下げできるプラグインです。

公式の説明では、左右の広がりを崩さずに、真ん中だけを操作できるとされています。

 

画面の上が L・C・R の操作、左に EQ、下にボーカルなどに反応して動かすサイドチェインが並んでいます。

 

Leapwing CenterOne 3 の画面。上にL・C・Rに分かれたビジュアライザーと帯域ごとの音量、左に2つのEQ、下にサイドチェインの設定が並ぶ(Leapwing公式の画像)

 

Pro-Q 4 があっても欲しいと思ったのは、M/S の調整と EQ の調整を同時にできるのが面白くて便利そうだったからです。

私には、Ozone の Imager と、プロ級の EQ の真ん中の操作が合わさった、Imager の強化版のように見えました。

 

公式の動画を見た限りでは、欲しいと思いました。

今はお金に余裕がないので、余裕ができたら買いたい1本です。

 

 

機能の詳しい話は、CenterOne 3 を調べた記事に書いています。

 

WIDE は広げる専用。私は今の Imager で十分だった

Zynaptiq の WIDE は、ステレオの音をさらに広げることと、モノの音からステレオを作ることに絞ったプラグインです。

大きなつまみは、広げる量の WIDTH と、効かせる場所を決める BIAS の2つです。

 

モノにまとめたときに広げた音を残すか消すかを選ぶ、CANCEL ON MONO という切り替えも付いています。

 

Zynaptiq WIDE の画面。左に WIDTH と DECORRELATE、真ん中に BIAS CURVE の表示とプリセット、右に BIAS と CANCEL ON MONO が並ぶ(Zynaptiq 公式の画像)

 

動画を見て、プリセットがたくさんあって面白そうだと思いましたし、実際に広がっている感じも伝わってきました。

モノにまとめたときに音が消えにくいのも、ありがたい作りだと思います。

 

それでも、私はもう1本持つ意味はないと判断しました。

CenterOne 3 のように EQ が付いているわけではないので、やれることが今の Imager にかなり近いからです。

そのうえで値段も安くはないので、今は Imager で足りています。

 

 

見送った理由と過去の値段は、WIDE の記事にまとめました。

 

似て見えて別物:Energy Panner 2 は「広げる」ではなく「動かす」

調べているうちに、Sound Particles の Energy Panner 2 も目に入りました。

名前と画面だけ見ると広げる道具に見えますが、これは音の大きさに合わせて、音の位置を動かすプラグインです。

 

強く鳴った瞬間だけ右へ動いて、元の位置に戻ってくる、といった動きを、オートメーションを書かずに作れます。

 

Energy Panner 2の画面。真ん中の円に音の位置と動く道すじが表示され、下にTHRESHOLD・RATIO・ATTACK・RELEASEのつまみが並ぶ(Sound Particles公式の画像)

 

今どの位置で鳴っているかが立体的に表示されて、視覚的に分かりやすいので、少し使ってみたいとは思いました。

ただ、値段は高く感じています。

 

左右の広がりを整えたいなら、選ぶのはイメージャーの方です。

音を動かす演出がしたいときに、別の道具として考えるのがいいと思います。

 

 

動き方のモードや、同じ会社の Brightness Panner 2 との違いは、Panner 2 を調べた記事に書いています。

 

どれを選ぶか:持っている道具から決める

私の考えをまとめると、こうなります。

  • Ozone を持っている人:まずは Imager を帯域で分けて使ってみる。私はそれで足りています
  • 真ん中の音と EQ を一緒に触りたい人:CenterOne 3。Pro-Q 4 の Mid/Side でセンターを空けている人ほど気になると思います
  • 有料のイメージャーを1本も持っていない人:WIDE も選択肢。動画や体験版で音を聞いて、広がり方が理想に近ければ価値はあると思います

 

どれを選んでも、昔の私のように100%まで回さないことだけは気をつけてください。

私は今、低い所は狭く、高い所は広くを基本にしています。

 

ボーカルを主役にしたミックス全体の流れは、ボカロ曲のミックスの記事にまとめています。

 

まとめ:広げ方を分けられる道具が、いちばん失敗しにくい

昔の私は、全部を100%で広げて、芯のない音にしていました。

ステレオイメージャーは、かけすぎると逆効果になる道具です。

 

今は Ozone の Imager をトラックごとに挿して、帯域で分け、サビとそれ以外で広さを変えています。

選ぶときは、どこを分けて触れるかを見るのがいちばん分かりやすいと思います。

 

低い所は狭く、高い所は広く、帯域ごとに広げ方を分けたい人に。

iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →

 

真ん中の音を上げ下げしながら、EQ も一緒に触りたい人に。

CenterOne 3 を Plugin Boutique で見る →

 

有料のイメージャーを持っておらず、音を聞いて広がり方が好みに合った人に。

Zynaptiq WIDE を Plugin Boutique で見る →

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。