Aux もセンドも作らずに、トラックに1つ挿すだけでパラレルコンプができる。
Baby Audio の IHNY-2 は、そういうコンプレッサーです。
私は今回、Baby Audio 公式の動画を見るまで、この製品を知りませんでした。
見たあとの印象は、簡便で、楽そうというものです。
パラレルコンプは、元の音と、強く潰した音を混ぜて、音に力を足すやり方です。
IHNY-2 は、その2つの音をプラグインの中で作って混ぜてくれるので、Logic で道筋を組む必要がありません。
Baby Audio IHNY-2 を Plugin Boutique で見る →
IHNY-2は、元の音と潰した音を中で混ぜるコンプ
IHNY-2 は、Baby Audio が最初に出したプラグイン「I Heart NY」の2作目です。
Plugin Boutique の説明によると、初代はイギリスの音楽制作誌 Sound On Sound の賞にも選ばれていました。

挿した音は、中で2つに分かれます。
1つは手を加えない元の音、もう1つは IHNY-2 で強く潰される音です。
公式の説明では、ドラムやボーカル、曲全体のマスターにまで使うことを想定しています。
Plugin Boutique の説明にも「控えめな音ではない」とあり、はっきり力を足すための道具という作りです。
真ん中の点1つで、潰す量と混ぜる量を同時に動かす
操作の中心は、画面の真ん中にある四角い XY パッドです。

点を横に動かすと、潰す側の音をどれだけ強く潰すかが変わります。
縦に動かすと、元の音と潰した音を混ぜる割合が変わります。
つまり、点を1回動かすだけで、コンプの深さと混ぜる量が両方決まる作りです。
動かしても音量がそろうように、オートゲインも中で働いています。
画面には「AGR」という数字も出ます。
潰す量と混ぜる割合を合わせた、実際の効き具合の目安で、Baby Audio は -10〜-20 あたりから始めるのを勧めています。
細かく決めたいときは、下のTweakパネルを開く
XY パッドだけでも使えますが、下の Tweak パネルを開くと、潰し方を細かく変えられます。

アタックやリリース、レシオといった、普通のコンプと同じつまみもここにあります。
そのほかに、IHNY-2 ならではのものが並んでいます。
- Punch:強く潰すと消えやすい音の頭(アタック)を、潰した側の音で立たせる
- Harmonics:強く潰れた所ほど、倍音(音の厚み)が多く足される
- Shape:低い音と高い音を持ち上げる「スマイル型」の EQ をかける
- Tilt:低い側と高い側の、どちらを強く潰すかを傾ける
- Lo / Hi Preserve:決めた高さより低い音・高い音を潰さずに残す
Plugin Boutique の説明では、Lo Preserve を使うと、ドラムのバスでキックだけ潰さずに残せるとされています。
潰した側だけを聴ける Solo もあるので、普通の挿すだけのコンプとして使うこともできます。
Logicのセンドでやる私のやり方と、どこが違うか
私はパラレルコンプを、Logic のセンドで組んでいます。
入れるのは基本的にスネアで、声が前に出てこないときはボーカルにも使います。

センドで送った先の Aux に FabFilter の Pro-C を挿し、レシオをかなり高くして潰します。
設定はプリセットから始めて、少し整えるくらいです。
混ぜる量は、センドのつまみで決めています。
やり始めの頃は送りすぎて、パンチが強くなりすぎたこともありました。
IHNY-2 なら、この「Aux を作る・センドを送る・コンプを挿す」が、1つのプラグインの中で済みます。
混ぜる量も、センドのつまみの代わりに XY パッドの縦で決める形です。
センドでのやり方は、FabFilter 公式もこの動画で説明しています(英語)。
Logic でのセンドの組み方と、混ぜすぎたときの話は、こちらに手順ごと書いています。
公式の動画を見て、性能と使い道は良さそうだと思った
私が見たのは、Baby Audio 公式の使い方の動画です(英語)。
見た印象では、性能は高そうで、聞こえてくる音も良いと思いました。
センドを組まずに挿すだけで済むのは、やはり楽そうです。
私はパラレルコンプをスネアやボーカルに使っているので、用途としては結構気になりました。
ボーカルや、ほかの強い音を前に出したいときに、パラレルコンプ専用のものが1つあってもいいと感じています。
ただ、こういうコンプは、実際に自分の曲で使ってみないと分かりません。
動画だけでは何とも言えない、というのが正直なところです。
¥17,250は、私にはそこまでして欲しい値段ではない
IHNY-2 の今の値段は、Plugin Boutique で見るとこのくらいです。

1万7千円は、私にはかなり高く感じます。
性能と使い道は良さそうでも、この値段を出してまでは、今はいらないと思っています。
Plugin Boutique のページには「Free Trial」の表示もあるので、気になる人は先に試せます。
IHNY-2の過去のセール
IHNY-2 は、ブラックフライデーのあとのサイバーウィークで、大きく下がった年があります。
Baby Audio のほかの製品の値段の動きは、Baby Audio のセールページにまとめています。
- 2025年12月(サイバーウィーク):Plugin Boutique で $39。出典:MusicTech
IHNY-2が向いている人・急がなくていい人
IHNY-2 が向いているのは、ボーカルや強い音を、もう一段前に出したい人です。
センドと Aux を組む手間をなくして、1つ挿すだけで済ませたい人にも合っていると思います。
逆に、私のように Logic のセンドと手持ちのコンプでパラレルコンプを組めていて、この値段を高く感じる人は、急いで足さなくていいと思います。
コンプそのものを見直したい人は、私が普段使っている Pro-C の記事も参考にしてください。
まとめ:挿すだけで済む便利さに、いくら払えるかで決める
IHNY-2 は、元の音と潰した音を中で混ぜてくれる、パラレルコンプ専用のプラグインです。
点を1つ動かすだけで、潰す量と混ぜる量がいっぺんに決まります。
動画で見る限り、性能も使い道も良さそうでした。
ただ、Logic のセンドで同じことを組める私には、今の値段はそこまで出す額ではありません。
買うかどうかは、Aux とセンドを組む手間を省くことに、いくら払えるかで決めるのがいいと思います。
ボーカルやスネアを前に出したいとき、1つ挿すだけで済ませたい人に。
Baby Audio IHNY-2 を Plugin Boutique で見る →
Logic のセンドでパラレルコンプを組み、潰し方を見ながら決めたい人に。
FabFilter Pro-C 3 を Plugin Boutique で見る →







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