Synthesizer V 2の調声のコツ|AIのピッチはそのまま使う重音テト派のボカロPが、最初に触る4つの順番

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「Synthesizer V 調声」と調べると、パラメータの説明がずらりと並びます。

ブレス、テンション、ジェンダー、ピッチの描き方など。

 

全部を覚えてから調声しないといけないのか、と身構えた人もいると思います。

ですが、Synthesizer V Studio 2 を使っている私の実感は少し違います。

 

打ち込んだだけ(ベタ打ち)の時点で、歌はほとんど完成しています。

なので私は、AI が付けたピッチは基本そのまま使い、触る場所と順番を決めています。

 

この記事は、重音テトをメインに使っている私が、SynthV 2 の画面でどこを、どの順番で触っているかの話です。

調声をやりすぎない考え方そのものは、別の記事に書きました。

 

私が使っているのは有料の Pro 版です。

 

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まず前提:AIのピッチは描き直さない

SynthV 2 のいちばんありがたいところは、自動で付く歌い方をそのまま使えることです。

ベタ打ちの段階で、発音もピッチの動きも、ほぼ聞ける形になっています。

 

VOCALOID6 も使っていますが、比べると SynthV 2 は本当に楽です。

難しいと感じたところは、正直ありません。

 

いまは VOCALOID6 より SynthV 2 をメインにしていきたいと思っているくらいです。

VOCALOID6 のほうの話は VOCALOID6 のレビュー に書いています。

 

なので、この記事の調声は「直す」より「方向を決めて、少し足す」作業です。

1音ずつピッチを描き込む話は出てきません。

 

①ボーカルスタイルで、曲の方向を先に決める

最初に触るのは、右のパネルにあるボーカルスタイルです。

この曲のボーカルは、しっとり歌わせたいのか、強めに張らせたいのか。

 

Synthesizer V Studio 2 のボーカルスタイル。Joyful・Cute・Power・Mellow・Low・Mini・Rock のつまみを回して、声の方向を混ぜて決める

 

Joyful・Cute・Power・Mellow・Low・Mini・Rock のつまみがあり、それぞれの量を回して混ぜられます。

1つだけ選ぶのではなく、「やわらかめに、少しだけ明るく」のように寄せていけるのが便利です。

 

ここを後回しにすると、あとで触るピッチやテンションの基準がぶれます。

曲の方向は、いちばん最初に決めておくのがおすすめです。

 

ボーカルスタイル(英語では Vocal Modes)の効き方は、Dreamtonics 公式の動画が分かりやすいです。

 

②表現コントロールで、しゃくり・フォール・ビブラートの動きを決める

次はピッチの動きです。

といっても、ピッチカーブを手で描くわけではありません。

 

ノートを選ぶと、右のノートパネルに表現コントロールという四角い枠が出ます。

角には「ダイナミック」「リファイン」「ストレート」「アクティブ」と書かれていて、中の丸を動かすとピッチの動き方の傾向が変わります。

 

Synthesizer V Studio 2 のノートパネル。表現コントロールの枠(ダイナミック・リファイン・ストレート・アクティブ)と、その下にビブラートの強度のスライダー、AIリテイクのボタンが並ぶ

 

その下には、ビブラートの強度のスライダーもあります。

しゃくり・フォール・ビブラートの付き方は、ほぼこの枠とスライダーで調整しています。

 

私は、しゃくりとフォールは結構大げさに付けます。

ここは控えめにせず、はっきり聞こえるくらいにしています。

 

ビブラートは、伸ばす音で揺れすぎていないかを聞いて、スライダーで加減します。

設定は選んだノートごとに変えられるので、フレーズ全体を同じにしなくても大丈夫です。

 

③音素のタイミングは、オンタイムからあえてずらす

ピッチの次は、発音のタイミングです。

下のパネルを「音素タイミング」に切り替えると、子音と母音がどこで鳴っているかが見えます。

 

Synthesizer V Studio 2 の音素タイミング編集。ピアノロールの下に a・e・o・a の母音の帯が並び、子音と母音の長さや発音位置を調整できる

 

全部をグリッドぴったり(オンタイム)で鳴らすと、どうしても機械っぽく聞こえます。

なので、発音のタイミングをずらすことはよくあります。

 

基準にしているのは伴奏です。

子音が伴奏とかみ合う位置になるように、少し前や後ろに動かしています。

 

前に書いた調声の記事でも、ここをいちばん大事な場所に挙げました。

 

④テンションとラウドネスを少し動かし、ブレスは切る

最後に、下段のパラメータを触ります。

最近は、テンションとラウドネスを変えるくらいで終わることが多いです。

 

Synthesizer V Studio 2 の下段パラメータ「ラウドネス ↔ テンション」。フレーズの後半だけ線をゆるく持ち上げている

 

フレーズの盛り上がりに合わせて、線をゆるく持ち上げる程度です。

細かくギザギザに描くことはしていません。

 

逆に、よく下げるのがブレス(息の成分)です。

私はかすれた声が気になるので、ブレスは結構切ることが多いです。

 

息っぽさが合う曲もあるので、ここは好みが分かれると思います。

聞いていて「声がかすれて聞き取りにくい」と感じたら、まずブレスを下げてみてください。

 

重音テトは「自分の歌わせ方」を毎回変える

AHS公式サイトのSynthesizer V 2 AI 重音テトの製品ページ

 

テトの声だから特別に気をつけている、ということは特にありません。

ただ、1つだけ意識していることがあります。

 

テトは使っている人が多い声です。

ベタ打ちのままだと、ほかの人の曲と区別がつきません。

 

なので、ボーカルスタイルの混ぜ方や、しゃくり・フォールの付け方を、曲ごとに変えるようにしています。

上の4つの順番は同じでも、それぞれの量を変えるだけで「自分の曲のテト」に寄っていきます。

 

Pro 版にするか、もっと安い版や無料版で始めるかで迷っている人は Synthesizer V Studio 2 の Core と Pro の違い にまとめています。

 

調声は「全部」より「順番」

SynthV 2 の調声で私が触っているのは、まとめるとこの4つです。

 

  1. ボーカルスタイル … しっとりか強めか、曲の方向を先に決める
  2. 表現コントロールとビブラートの強度 … しゃくり・フォールは大げさに、揺れは伸ばす音で加減
  3. 音素タイミング … オンタイムから、伴奏に合わせて少しずらす
  4. テンションとダイナミクス、ブレス … ゆるく動かし、かすれが気になればブレスを切る

 

AI のピッチを描き直さなくていいので、浮いた時間を曲作りに回せます。

パラメータを全部覚える前に、まずはこの順番で1曲やってみてください。

 

調声で触りすぎて失敗した話や、VOCALOID6 での手順は、こちらに書いています。

ボカロの調声はやりすぎないほうがいい|Synthesizer V Studio 2 ・VOCALOID6で実際にいじっている場所

 

調声のあとの EQ やコンプといった処理は ボーカルの処理(チェーン)の記事 にまとめています。

 

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