Logic のオルガンでロータリーの揺れを使っている人が、わざわざ別のロータリーのプラグインを買う意味はあるのでしょうか。
それが最初の疑問です。
Eventide の Rotary Mod の公式動画を見て、私が出した答えは¥16,500 なら、自分はいらないでした。
オルガンにかけたときの揺れは、ちゃんとオルガンらしく聞こえました。
ただ、それはオルガンだから良く聞こえるのであって、エレピやギターにかけた音は、私の好みではありませんでした。
この記事では、Rotary Mod がどんな道具かを整理したうえで、動画を見て感じたこと、Logic のオルガンとの関係、ボカロ曲での使いどころを書きます。
Eventide Rotary Mod を Plugin Boutique で見る →
Rotary Mod は「回るスピーカー」の揺れを作るエフェクト
Rotary Mod は、オルガン用の回転スピーカーの揺れを再現するエフェクトです。
回転スピーカーは、箱の中でスピーカーの向きが回り続け、音が近づいたり遠ざかったりすることで、うねるような揺れが生まれる仕組みです。
その代表がレスリー(Leslie)というメーカーのスピーカーで、ハモンドオルガンと組み合わせた音がよく知られています。
Plugin Boutique の説明では、ビートルズなど60年代の多くの曲で、ギターやシンセ、歌にまで使われてきた音だと紹介されています。

回転スピーカーの中には、低い音を出すローター(ドラム)と、高い音を出すホーンの2つが入っています。
Rotary Mod では、ローターとホーンの回る速さを別々に決めて、2つの混ぜ具合も変えられます。
公式の説明にある、ほかの中身は次のとおりです。
- 2つ目の LFO(決まった周期で揺らす仕組み)で、回る速さそのものをさらに揺らせる
- キャビネットの大きさを「Standard」と「Giant」から選べる
- 高い音を削る Hi-cut
- 曲のテンポに合わせるタップテンポ
- 複数のつまみを一度に動かせる「リボン」と、プリセットを替えても原音との混ぜ具合を保つ「Mix Lock」
画面の下にある FAST/SLOW のスイッチで、回る速さを速い・遅いで切り替えられます。
パソコンでは、リボンを MIDI キーボードのモジュレーションホイールで動かすこともできます。

Mac では macOS 10.14 以降で、Apple Silicon にも対応し、AU・VST2・VST3・AAX で使えます。
iPad や iPhone で動く AUv3 版とスタンドアロン版もあり、iLok は要りません。
動画で聞くと、揺れはちゃんとレスリーの音だった
Eventide の公式動画では、オルガンのほかに、エレピやギター、シンセにかけた音も聞けます。
聞いてみて、レスリーの回るスピーカーの揺れは、きちんと聞こえていました。
オルガンにかけた音には、オルガンらしさがしっかりありました。
一方で、見ていて思ったのは「オルガン以外にかける必要はあるのかな」ということです。
エレピやギター、シンセにかけた音にも揺れは出ていて、少しローファイな、懐かしいテープの揺れに近い感じもありました。
ただ、その揺れ方は、私にはあまり好きな感じには聞こえませんでした。
オルガンに挿すのは良いと思いますが、それ以外の楽器で使いたい場面は、私には思い浮かびませんでした。
Logic のオルガンなら、ロータリーはもう入っている
私がオルガンを使うときは、Logic Pro に入っている Vintage B3 というハモンドオルガンの音源を使っています。
この Vintage B3 には、ロータリーの揺れが最初から付いています。

ロータリーの速さは、曲の場所ごとに分けています。
変化を出したい場所では速く、間奏のように落ち着いて聞かせたい場所では遅くする、というように調整します。
たとえば、サビで速くして、ほかは遅くするといった使い方です。

Vintage B3 の ROTOR CABINET の画面では、左下の ROTATION で SLOW・BRAKE・FAST を切り替えられます。
速さが切り替わるまでの加速の具合(ACCELERATION)や、いちばん速いときの速さ(MAX RATE)も、この画面で変えられます。
オルガンの揺れが欲しいだけなら、Logic ユーザーはまずこの画面を触ってみれば十分だと思います。
Rotary Mod を考えるのは、Logic 以外のオルガン音源に回転スピーカーの揺れを足したいときだと思います。
Logic のオルガンと、有料のオルガン音源5本を聞き比べた記事はこちらです。
ホラー系や、世界観を足したいボカロ曲なら一つの手
ボカロ曲でこの揺れが合いそうなのは、ホラー系の曲だと私は感じました。
回転スピーカーのうねる揺れを、曲の世界観を付け加える音として使うのは、一つの手だと思います。
Rotary Mod は、FAST/SLOW のスイッチやリボンで、曲の途中から揺れ方を変えることもできます。
オルガン以外で使う場面は私には浮かびませんでしたが、ホラー系の曲を作る人なら、使いどころがあるかもしれません。
Rotary Mod の過去のセール
Rotary Mod の値段の動きで、出典つきで確かめられたのは次の1回です。

- 2020年5月(発売時):$39(通常 $99・6月22日まで・Plugin Boutique の発売記念セール・出典は rekkerd.org)
Eventide のほかの製品のセールの傾向は、Eventide のセールの記事にまとめています。
まとめ:オルガンに挿すなら良いが、私には Logic で足りる
Rotary Mod は、レスリーの回転スピーカーの揺れを、ローターとホーンの速さまで分けて作れるエフェクトです。
動画で聞いた揺れはきちんとレスリーの音で、オルガンにかけるとオルガンらしさがありました。
ただ、エレピやギター、シンセにかけた揺れは私の好みではなく、オルガンの揺れは Logic の Vintage B3 で間に合っています。
そのため、¥16,500 なら私はいらないというのが結論です。
Logic 以外のオルガンの音に、回転スピーカーの揺れを足したい人に。
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