ステレオの広がりを作る専用のプラグインが、2026年9月30日に1本増えました。
Zynaptiq の WIDE です。
私はこの製品を、名前も含めてまったく知りませんでした。
まだ持っていませんし、今回は買わないと決めました。
理由は単純で、マスタリングで使っている Ozone の Imager で、今のところ足りているからです。
そのうえで値段も安くはありません。
ただ、有料のステレオイメージャーを1本も持っていない人なら、話は変わると思いました。
持っていないボカロPとして、どんな作りのプラグインなのか、私が見送った理由、どんな人なら買っていいのかをまとめます。
🔥 セール中 ¥17163(通常 ¥25812)〜10/15まで:Zynaptiq WIDE を見る →
WIDEは「広げる」ことだけに絞ったプラグイン
WIDE がやることは2つです。
ステレオの音をもっと広げることと、モノの音からステレオを作り出すことです。
公式の説明では、広げ方のアルゴリズムが4つ用意されています。
3つがステレオをさらに広げるもの、1つがモノをステレオに起こすものです。

画面に大きなつまみは2つだけで、左が広げる量の WIDTH、右が効かせる場所を決める BIAS です。
下に並ぶ A〜D がアルゴリズムの切り替えで、音を聞きながら選ぶ作りになっています。
WIDTH はマイナス側にも回ります。
広げるだけでなく、狭める方向にも、最後はモノになるところまで動かせます。
形式は VST3・AU・AAX で、Windows と Mac に対応しています。
認証には iLok のアカウントが必要で、無料の体験版も配られています。
M/Sでも、左右で違うEQをかけるのでもない
広げるプラグインというと、M/S で Side を持ち上げるものが思い浮かびます。
WIDE はそこが違う、というのが公式のいちばんの主張です。
公式サイトには、M/S による広げ方も、モジュレーションやピッチをずらす方法も、左右で違う EQ をかける方法も使っていない、と書かれています。
元の音はそのままにして、広げるための成分を新しく作り、左右に配る作りだと説明されています。
この作りのいちばんの効き目が、モノにまとめたときの挙動です。

既定では、足した成分がモノに畳んでも打ち消し合わないようになっています。
逆に「モノのときは広がりを消してほしい」人のために、ボタン1つで消える設定も用意されています。
モノにまとめたときに音が消えにくいのは、私も素直にありがたい作りだと思いました。
スマートフォンのスピーカーで聞かれることを考えると、ここが崩れないのは安心できます。
どこを広げるかは、BIASのカーブで決める
もう1つの特徴が、周波数ごとに効き方を変えられることです。
低域は真ん中のままにして中高域だけ広げる、といった分け方を BIAS のカーブで決めます。

カーブはプリセットから選ぶか、EQ のようなスライダーで自分で作ります。
画面を見て最初に目を引かれたのが、この波の形がずらりと並んだプリセットでした。
ただ、形を見ただけでは、それぞれが音にどう効くのかまでは分かりませんでした。
名前と曲線から見当をつけて、実際に鳴らして選ぶ道具なのだと思います。
紹介動画で見た印象
私が見たのは、Production Expert という海外のサイトの紹介動画です。
Zynaptiq 公式チャンネルの動画ではありません。
見た印象は、ちょっと面白そう、です。
つまみを動かしたときに、実際に広がっている感じは動画からでも伝わってきました。
そのうえで、中で何が起きているのかまでは、動画を見ただけでは分かりませんでした。
広がりは曲の音数や帯域で聞こえ方が変わるので、最後は自分の曲で鳴らして決めることになりそうです。
ImagerがあるうえでWIDEを足す意味は、私にはなかった
私がステレオの広がりを触るのは、マスタリングのときです。
Ozone の Imager を使って、帯域ごとに広がりを決めています。

低域を真ん中に寄せたいときは、個別のトラックに挿して調整することもあります。
今のところ、これで困っていません。
WIDE は、EQ の付いたイメージャーではありません。
広げる・狭めることと、それを周波数で分けることに絞った作りです。
だから私の目には、やれることは Ozone の Imager にかなり近いものに見えました。
真ん中だけを狙って動かしたいなら、CenterOne 3のような EQ の付いたものの方が、持っていない引き出しが増えます。
モノに畳んだときに消えにくいところは、確かにありがたい差です。
それでも、その1点のために2本目を足すほどではない、というのが今の私の答えです。
Imager をマスタリングのどこで使っているかは、こちらにまとめています。
Ozone がどんなプラグインなのかは、iZotope 公式の動画でひと通り見られます。
向くのは、有料のイメージャーを持っていない人
逆に、有料のステレオイメージャーを1本も持っていない人には、使う価値があると思います。
DAW 付属の機能だけで広がりを触っているなら、専用のものが1本あると、できることが増えます。
もう1つは、動画や体験版で音を聞いてみて、広がり方が自分の理想に近いと感じた人です。
広がりの質は好みが出るところなので、ここが合うなら値段に納得できると思います。
反対に、私のように Ozone の Imager や、それに近いものをすでに持っている人は急がなくていいはずです。
体験版があるので、迷ったら自分の曲に挿して、モノに畳んで確かめてから決められます。
発売時の値段と、これからの買い時
WIDE は、音圧を上げる LOUD と同時に発売されました。
どちらも発売に合わせた導入価格が付いています。

ここが、いつものセールと考え方が逆になるところです。
導入価格は期間が決まっていて、終わると通常価格に戻ります。
公式の通常価格は$149で、Plugin Boutique の通常価格は¥25,812です。
発売されたばかりなので、この先どこまで下がるかの記録はまだありません。
参考になるのは、同じ Zynaptiq のほかの製品の動きです。
Zynaptiq のセールの記事にまとめたとおり、WORMHOLE や PITCHMAP は夏の終わりから秋と、11月末のブラックフライデーに下がってきました。
ORANGE VOCODER IVも、発売記念の値段のあとは、その時期に下がっています。
導入価格に間に合わなかった場合は、その流れを見ながら待つのが現実的です。
年末の動き全体は、DTM ブラックフライデー セール 2026 まとめで追っています。
過去のセール
発売が2026年9月30日なので、確認できた値段はまだこれだけです(ドル表記は海外の告知記事の金額)。
- 2026年9月30日〜10月15日:発売時の導入価格で$99(通常$149)。同時発売の LOUD は$49(通常$99)(rekkerd)
- 2026年10月14日:Plugin Boutique で¥17,163(通常¥25,812・33%オフ・10月15日まで)
WIDE は MASTER III と ZAP VI のバンドルにも入っているので、Zynaptiq のプラグインをまとめて狙うなら、バンドルの値段も合わせて見る価値があります。
まとめ:広げる専用機が要るかどうかで決まる
- WIDE は、ステレオを広げることと、モノからステレオを作ることに絞ったプラグイン
- M/S でも左右で違う EQ でもない作りで、モノに畳んでも音が消えにくいのが売り
- BIAS のカーブで、低域は真ん中・中高域だけ広げる、といった分け方ができる
- 私は Ozone の Imager で足りているので見送り。EQ が付いているわけではなく、やれることが近いと感じた
- 向くのは、有料のイメージャーを持っていない人と、音を聞いて広がり方が気に入った人
- 発売時の導入価格は期間限定で、終われば通常価格に戻る
広がりは、足せば足すほど良くなるものではありません。
今の道具で物足りなさを感じていないなら、その感覚を信じていいと思います。
気になる製品の価格を確認する
有料のステレオイメージャーをまだ持っていない人に。
🔥 セール中 ¥17163(通常 ¥25812)〜10/15まで:Zynaptiq WIDE を見る →
広がりも音圧も、マスタリングを1本でまとめたい人に。
iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →







コメントを残す