Immerse Virtual Studioは要る?ヘッドホンで有名スタジオの鳴りを再現する道具を、スピーカーで作るボカロPが調べて見送った理由

本記事はアフィリエイトプログラム(Plugin Boutique 等)を利用しています。リンク経由の購入で売上の一部が当サイトに還元されますが、価格は変わりません。

 

大きな音を出せない部屋で、スピーカーで鳴らしたときの音を確かめる方法はあるのか。

その答えの1つが、Embody の Immerse Virtual Studio です。

 

ヘッドホンをつけたまま、海外の有名なスタジオのスピーカーの前に座っているように聞こえる、というプラグインです。

調べてみた私の答えは、スピーカーで作っている私には要らないでした。

 

まだ持っていない製品なので、中身は Plugin Boutique の製品ページの情報で整理しました。

そのうえで、7万円近いこの道具が、どんな人に向くのかを書きます。

 

Embody Immerse Virtual Studio All Access を Plugin Boutique で見る →

 

Immerse Virtual Studioは、ヘッドホンの中にスタジオを作るプラグイン

ヘッドホンで聞く音は、左右の耳に直接届くので、部屋の響きがありません。

Immerse Virtual Studio は、そこにスタジオのスピーカーと部屋の響きを足して、スタジオのいちばん良い位置で聞いているような音にする道具です。

 

Immerse Virtual Studio の画面。左に Echo Bar Studio A・B、Diamond Control Room、Spitfire Studio、Music Friends Studio が並び、スピーカーと Ambience を選べる(Plugin Boutique の製品画像)

 

All Access 版で選べるのは、ロサンゼルス周辺の4つのスタジオです。

ノースハリウッドの Echo Bar(Studio A と B)、SSL の大きな卓がある Diamond Control Room、Spitfire Studio、Music Friends Studio が入っています。

 

スタジオごとにスピーカーを切り替えたり、部屋の響き(Ambience)の量を変えたりできます。

1つのスタジオだけで作るのではなく、いくつかのスタジオで聞き比べて、どこで鳴らしても大丈夫かを確かめる使い方を、製品ページでは勧めています。

 

 

右耳の写真1枚から、自分の耳に合わせる

この製品のいちばんの特徴は、聞く人の耳の形に合わせるところです。

耳の形が違うと、同じ音でも聞こえ方が少し変わります。

 

スマートフォンで右耳を撮影し、耳の形から自分用の聞こえ方のデータを作るイメージ図(Plugin Boutique の製品画像)

 

Immerse Virtual Studio では、スマートフォンで自分の右耳の写真を1枚撮ると、AI がその形から自分用の聞こえ方のデータを作ります。

Plugin Boutique の手順では、プラグインの画面に出る QR コードをスマートフォンで読み、案内どおりに耳を撮ってから有効化します。

 

DAW の上で Immerse Virtual Studio を開き、ヘッドホンの機種を選ぶ画面と、スマートフォンでの耳の撮影の確認画面(Plugin Boutique の製品画像)

 

使うヘッドホンの機種も選べて、ヘッドホン用の補正をどれくらいかけるかも調整できます。

ほかに、RMS と LUFS のメーターも付いています。

 

製品ページと動画を見て、ちょっとややこしそうだと感じた

バーチャルスタジオという道具があること自体、この記事のために調べるまで知りませんでした。

製品ページと動画を見て、最初に思ったのは「ちょっとややこしそう」ということです。

 

耳の写真を撮って、スタジオを選んで、スピーカーを選んで、と、PA さんやエンジニアの仕事に近い世界だと感じました。

曲を作る側の私としては、そこまでやらなくてもいいのでは、というのが実際の気持ちです。

 

スピーカーで作る私には、使う場面がほとんどない

私はふだん、ヘッドホンやイヤホンで曲を作っていません。

作っている間はパソコンのスピーカーで、2ミックスの前に、オーディオインターフェースにつないだフラットなスピーカーで確かめています。

 

棚の上にコルクの台を敷いて置いたiLoud Micro Monitor2台。間にFocusrite Scarlett 2i2

 

ヘッドホンを使うのは、2ミックスが終わったあとの最後の確認で、AirPods Pro で聞くときくらいです。

なので、ヘッドホンの中でスタジオを再現する、という場面がそもそもありません。

 

夜に音を出せないときに使う、というのは1つの手だと思います。

ただ、私はそこまでこだわって作ってはいないので、その用途もありませんでした。

 

ヘッドホンの聞こえ方のクセを補正するだけなら、Sonarworks の SoundID Reference という道具もあります。

Immerse Virtual Studio は、この SoundID Reference と一緒に使えると製品ページに書かれています。

 

 

ただ、私は SoundID Reference も、パソコンのスピーカーと iLoud で満足しているので使っていません。

その理由は、SoundID Reference の記事に書いています。

 

¥69,540は、私には高すぎる

Plugin Boutique の通常価格は ¥69,540 です。

7万円は、私にはすごく高く感じます。

 

Plugin Boutique の Immerse Virtual Studio All Access の製品ページ(2026年10月30日時点で¥69,540)

 

値段だけでなく、手間の面でも、ここまでやらなくていいかな、と思いました。

正直、自分がこれをどう使うのかが見えなかった、というのもあります。

 

向いているのは、本当はスピーカーで大きな音を鳴らして確かめたいのに、大きな音を出せない家に住んでいて、それでもこだわって作りたい人だと思います。

買う価値があるのは、本当にこだわって作る人ではないか、というのが私の考えです。

 

Plugin Boutique の製品ページには、体験版(Free Trial)も用意されています。

 

再生を伸ばしたいボカロPが、先に7万円をかける道具か

再生がまだ少ないボカロPが、スピーカーより先にこの道具へ7万円近くかける価値があるかというと、私はないと思っています。

伸びているボカロPは、音質というより、作曲のギミックや世界観で売れていると思うからです。

 

ボカロPとして売れたい人がまず力を入れるのは、こういうところではない気がします。

ただ、趣味として、こういう音を出したい、もっとこだわって作りたいという人なら、買う価値はあると思います。

 

私なら、7万円あれば、別の音源や面白い音を買うか、Splice に使うほうを選びます。

Splice をどう使っているかは、Splice の使い方の記事にまとめています。

 

まとめ:大きな音を出せない家で、こだわって作りたい人の道具

  • Immerse Virtual Studio は、ヘッドホンで有名スタジオのスピーカーの鳴りを再現する Embody のプラグイン
  • All Access 版は4つのスタジオ入りで、右耳の写真1枚から自分の耳に合わせる
  • スピーカーで作る私には使う場面がほとんどなく、仕組みもややこしそうに感じた
  • ¥69,540 は高く、再生を伸ばしたいボカロPが先にかける道具ではないと思う
  • 向くのは、大きな音を出せない家で、それでも音にこだわって作りたい人

 

ヘッドホンがそもそも要るのか、から考えたい人は、こちらの記事を読んでみてください。

DTMにヘッドホンは要る?|一度もヘッドホンでミックスしていないボカロPが「最初はPCのスピーカーかイヤホンで十分」と考える理由

 

スピーカーをいつ買うかは、モニタースピーカーの記事に書いています。

 

大きな音を出せない家で、ヘッドホンでもスタジオのスピーカーの鳴りを確かめながら、こだわって作りたい人に。

Embody Immerse Virtual Studio All Access を Plugin Boutique で見る →

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。