VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studioを実際に使った初心者ボカロPの話|どれから始めるべきか
前回、VOCALOID6・Synthesizer V Studio 2・Piapro Studioを実際に使ってきた話を書きましたが、今回はそのどれとも仕組みが違う歌声合成ソフト、ACE Studioが話題になっていたので調べてみました。
まだ使っていません。
気になって調べた段階の記事です。
気になったきっかけは、ボカコレ2026夏の景品になっていたからです。
ACE Studioは何をするソフトなのか
ACE Studioは、開発元TIMEDOMAIN社が出している、AIボーカルとAI楽器を1本にまとめた音楽制作ソフトです(2026年時点。ACE Studio公式)。
歌詞とメロディ(MIDI)を入力するとAIボイスが歌ってくれる、という基本の発想はVOCALOID6やSynthesizer Vと同じです。
ただし範囲がボーカルだけにとどまらず、バイオリンやサックスなどのAI楽器、自分の声を学習させるボイスクローニング、既存曲を分割するステムスプリッターまで、1つのアプリの中に全部入っています。

公式ドキュメントに載っているこの画面ですが、色分けされたトラックが並ぶ様子は、DAWのタイムラインそのものです。
それぞれのトラックに歌詞と簡易的なピッチカーブが乗っているのが、AIボーカル前提のソフトらしいところだと思います。(画像はACE Studio公式ドキュメントより)
ボーカルの編集画面を開くと、音素ごとの区切りや、ブレス・パワーなどのカーブまで細かく調整できるようです。

このあたりの作り込みは、VOCALOID6のニュアンス作りで苦戦した自分からすると気になるところです。(画像はACE Studio公式ドキュメントより)
VOCALOID・Synthesizer Vとの一番の違い:クラウド前提の値段の仕組み
使い方の見た目以上に違うのは、値段の仕組みだと思います。
VOCALOID6もSynthesizer V Studio 2も、買い切りで手元のMacにインストールして、ネットに繋がなくても歌わせられます。
Synthesizer V Studio 2 Proのレビューにも書いたとおり、値段はそれなりにしても、一度買えば追加費用はかかりません。
ACE Studioは違います。
基本は「サブスクを2年払うと、そのあとは買い切り扱いになる」という、いわゆるrent-to-own方式で、レンダリングも基本的にクラウド任せです。
年払いで見ると、Artistプランが月$16.58〜、上位のArtist Proプランが月$22〜となっています(2026年9月時点。ACE Studio公式pricing)。
このぐらいならギリギリ支払っていいかなと思えるラインですね。
Plugin Boutiqueでは、最初から買い切りの「Lifetime License」も売られています。
Artist版が¥61,046、Artist Pro版が¥92,030です(2026年9月時点・ACE Studio | Plugin Boutique)。
ただしこの買い切り版も無条件では使い放題にならず、購入後2年間はプランに応じたAIクレジット(Artist Proなら月5,000)が付与され、それ以降も使い続けるにはサブスクの再契約が必要になる仕組みです。
歌わせるたびにクレジットを消費する、という発想自体、VOCALOID・Synthesizer Vには無いものです。
そのぶん声の数は多く、160以上のAIボイスが日本語を含む8言語に対応しているのは、ACE Studioの強みだと思います。
v2.1.8で追加された「VSTiをそのまま読み込める」機能
2026年9月17日に配信されたv2.1.8で、大きな機能が2つ増えました(ACE Studio公式チェンジログ)。
1つ目は、手持ちのVST3/AUプラグインをそのままACE Studioに読み込めるようになったことです。

公式ドキュメントに載っているこの画面、よく見るとScaler 3の名前があります。
Scaler 3のレビューで紹介した、自分も使っているコード進行のツールです。
読み込んだプラグインは「Instrument Track」という扱いになり、ベロシティやピッチベンド、MIDI CCまで、普通のDAWのピアノロールと同じ感覚で編集できるようです(Third-Party Instruments | ACE Studio Docs)。
これで、AIボーカル・AI楽器・手持ちのプラグインを1つのタイムラインに混在させられることになります。
単体の歌声合成ソフトというより、軽いDAWに近づいている、という印象です。
もう一つの目玉:AIエージェントがACE Studioを直接操作できる(MCP/CLI)
2つ目が、個人的にはこちらのほうが気になりました。
Claude CodeやCodexのようなAIエージェントが、MCP経由でACE Studioのプロジェクトを直接操作できるようになった機能です。
公式ドキュメントには、エージェントが「トラック・クリップ・ノート・歌詞・コードを管理して編曲する」「ボーカルや楽器のパラメータを調整する」「BPMや拍子を設定する」「ボーカルtoMIDIやステムスプリッターなどのツールを動かす」といったことができる、と書かれています(External Agent Access | ACE Studio Docs)。
自分の言葉で「ハモりを足して」「歌詞を埋めて」と指示すると、エージェントが代わりにやってくれる、というイメージのようです。
ただし公式も「実験的機能」「まだ全部の機能をエージェントが触れるわけではない」「アップデートで仕様が変わることがある」と明記していて、現時点では過信しない方がよさそうです。
公式のチュートリアル動画があったので貼っておきます。
使うならどんな場面か
ここまで調べた感じだと、ACE Studioが向いていそうなのは、こういう場面だと思います。
- 1本のソフトでボーカルもAI楽器もまとめて済ませたい人
- 日本語以外の言語(英語・中国語・韓国語など)で歌わせる機会が多い人
- 普段からAIエージェントに作業を任せる使い方に慣れていて、それを音楽制作にも持ち込みたい人
逆に、VOCALOID6・Synthesizer Vの記事で書いたように、ネットに繋がなくても手元で完結させたい、追加費用なく使い倒したい、というタイプには、クラウド前提・クレジット消費というACE Studioの仕組みは合わないかもしれません。
価格・入手(2026年9月時点)
サブスク:Artist $16.58/月〜、Artist Pro $22/月〜(年払い。いずれも2年払うと買い切りに移行するrent-to-own方式)
買い切り(Plugin Boutique):Artist Lifetime License ¥61,046、Artist Pro Lifetime License ¥92,030
買い切り版でも、AIクレジットが無条件で使い放題になるわけではなく、購入後2年間の付与期間が過ぎるとサブスクの再契約が必要になる点は、購入前に確認しておいたほうがよさそうです。
※価格は2026年9月時点。最新は各公式でご確認ください。
ACE Studio を Plugin Boutique で見る →
まとめ
- ACE StudioはAIボーカル・AI楽器・ボイスクローニングまで1本にまとめた音楽制作ソフト
- VOCALOID6・Synthesizer Vと違い、クラウド前提でAIクレジット消費・サブスク(rent-to-own)が基本の値段設計
- v2.1.8でVSTiをそのまま読み込めるようになり、DAWに近い存在になってきた
- もう一つの目玉は、Claude CodeなどのAIエージェントがMCP経由でプロジェクトを直接操作できる機能。ただし公式も認める実験的機能
- 手元完結・買い切り志向ならSynthesizer V Studio 2、多言語・AI楽器込みで幅広く使いたいならACE Studio、という住み分けになりそうです
気になってはいますが、まだまだ使っている人が少なそうなので、もうちょっと情報が出てから考えたいですね。
ボカコレでもらえた人は、多用するのか気になります。






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