ギターのバッキングは入れられる。
しかし、ソロは自分では作れない。
私は、ボカロ曲にギターを入れるとき、しばらくそんな状態が続いていました。
以前はUJAMのVirtual Guitaristでコード伴奏を作っていました。
ただ、ソロのリアルさには物足りなさがあり、ギターが目立つパートは避けていました。
今は、ボカロ曲でギターを使う曲はほぼAmple Guitar TCを使っています。
クリーンも歪みも出せて、ギターがバッキングだけでなく、メインのパートとしても使えるようになったのが一番の変化です。
先に書いておくと、Ample Guitar TCはテレキャスター(TC)モデルなので、出るのはクリーン〜軽めのドライブのテレキャス的な音です。激しいロック・メタル系で太いハムバッカーの音が欲しい場合は、記事後半で触れているTC以外のモデルを検討したほうがいいと思います。
一方で、慣れるまで難しく感じた部分もありました。
この記事では、購入前後で何が変わったか、便利だったところと難しかったところを正直に書きます。
購入前はUJAMでバッキングのみ。ソロは作っていなかった
UJAMのVirtual Guitaristを使っていたときは、コード伴奏を鳴らすのがメインでした。
プリセットを選んでコードを鳴らせる手軽さは便利でしたが、ソロやチョーキングのリアルさには届きませんでした。
そのため、ギターソロを聴かせたい曲では、ギター自体を諦めることもありました。
Virtual Guitaristでの使い分けは、こちらの記事に詳しく書いています。
そこから乗り換えたのが、Ample Guitar TCです。

Ample Guitar TCは、Fender Telecaster(John English Masterbuiltモデル)のサウンドを再現したギター音源です。
見た目の通り、鍵盤を弾くとテレキャスの音が鳴る、というシンプルな作りが基本にあります。
Rifferでソロが弾けるようになった。ただし操作は簡単ではない
Ample Guitar TCに移って一番大きかったのは、ギターソロを自分で作れるようになったことです。
ソロ用のMIDIエディタは「Riffer」と呼ばれる機能で、ピアノロールとは別に、弦ごとの動きを見ながら打ち込めます。

画像は、実際にソロを打ち込んであるRifferの画面です。
上部にコード進行、下段にBendやVelocityなどのMIDI CCが並んでいます。
弦の動きが見える分、ギターらしいフレーズを組み立てやすいと感じています。
また豊富なプリセットもあり、そこから改変することも可能です。
ただ、正直に言うと、Rifferの操作は簡単ではありません。
弦ごとの割り当てや運指を意識しながら打ち込む必要があり、最初は戸惑いました。
慣れれば慣れるほどギターらしいフレーズが作れる一方、覚えることが多い機能だとも思います。
それでも、ソロが「弾けない」から「時間をかければ作れる」に変わったのは大きな違いでした。
Ample Sound公式のデモ動画で、Ample Guitar TCの音を確認できます。
私自身めちゃくちゃいいですね。
10年前は、Real Guitarというプラグインを買いましたが、あれよりもかなりいいですね。
コード伴奏は「Strummer」。当てはめには少し慣れが必要
コード伴奏を作るときに使うのが「Strummer」という機能です。
コードはダイアログで個別に組み立てる
コードを選ぶダイアログでは、ルート・タイプ・拡張・オルタレーションなどを個別に指定できます。

細かく作り込める分、選択肢は多めです。
指定したコードをどのタイミングでどう鳴らすかは、細かく打ち込めます。
ただ、ギターは低弦で濁りやすいので、メジャー7thなどは音の管理が非常に大事に感じました。
特に他のコード楽器との兼ね合いですね。
ストロークの質感はパラメータで調整する

STRUM TIMEやSEPARATION、VELOCITYといったパラメータでストロークの質感を調整し、下段のグリッドでコード進行を並べていきます。
ここも、UJAMのようにプリセットを選んで即座に鳴らす感覚とは少し違います。
自分の曲のコード進行をStrummerに当てはめる作業は、思っていたより時間がかかりました。
コード検出やストラムの細かい設定に慣れるまでは、簡単ではないというのが正直な感想です。
内蔵アンプとEQで音作りが完結する
Ample Guitar TCには、アンプシミュレーターも内蔵されています。
アンプは「65-Twang」

画像は「65-Twang」というアンプモデルです。
VOLUMEやTREBLE、MIDDLE、BASSに加えて、DRIVEやMASTERも独立して調整できます。
アンプもかなりあるので、私はここで全て解決しています。別のアンプシュミレータなどは、まだ活用していません。
プリセットはジャンルやタイプで探せる
アンプのプリセットもジャンルやタイプで分かれていて、ここから音の方向性を選べます。

EQも内蔵、音作りがここで完結する
EQも内蔵されていて、周波数ごとにカーブを描きながら音を作れます。

外部のアンプシムやEQを別途立ち上げなくても、Ample Guitar TCの中だけである程度の音作りが完結するのはいいですね。
EQの良いものを持っていない人はいいのではないでしょうか。
プリセットにはアーティスト名がついているものもある
プリセット一覧を見ていて面白かったのが、曲名やアーティスト名がタグとしてついているプリセットがあることです。

「Adventure of a Lifetime」や「Do not Stand so Close to Me」など、有名曲を意識したと思われる名前が並びます。
作りたい曲の雰囲気に近いプリセットから探せるのは、地味に便利なポイントです。
TCモデルなので、太い音は出ない
音の特性として書いておきたいのが、Ample Guitar TCはテレキャスターのモデルだということです。
TCで出せるのはテレキャスの音であって、太いハムバッカーのような音は出ません。
これはAmple Guitar TCに限った話ではなく、Ample SoundのギターシリーズはLP(レスポール)やSC(ストラト)など、モデルごとに実機が固定されています。
1本でどんなギターの音も出せる、という設計ではありません。
欲しい音のキャラクターに合わせて、TC・LP・SCなどから選ぶ前提の製品だと捉えています。
一応、定番のSCをなぜ選ばなかったですが、SCは実機を持っていますので、最悪私が演奏すればいいかと思っています。
簡単な曲では、実際に演奏しましたが、ボカロ系は高速BPMが多いので、プラグインがあった方が便利ですね。
実際の制作は、Logic ProとRifferを行き来しながら
実際の制作では、Logic Pro上でトラックを組みながらRifferで打ち込む、という流れが多いです。

DAWのトラックとRifferの画面を並べ、実際の曲に合わせながらソロを詰めていく作業が多いです。
買って変わったのは、ギターがメインパートとして使えるようになったこと
Ample Guitar TCに買い替えて一番変わったのは、ギターがバッキングだけでなく、曲のメインパートとしても使えるようになったことです。
UJAMの頃はソロを避けていましたが、今はRifferで時間をかければソロも作れます。
ただし、万能というわけではありません。
- Rifferは弦の動きまで意識する必要があり、操作に慣れるまで時間がかかる
- Strummerでのコード当てはめも、プリセットを鳴らすUJAMほど手早くはない
- TCモデルなので、太い音が欲しい曲には向かない
こうした難しさはありますが、それでもソロまで含めてギターを自分で作れるようになった変化は大きいです。
ボカロ曲でギターを使う曲では、今はこのAmple Guitar TCが基本の選択肢になっています。
ポップス〜軽めのロックで、ソロまで自分で作り込みたい人向けです。激しい歪み・太い音が欲しい曲がメインなら、TC以外のモデルを検討してください。
Ample Guitar TCの最新価格を見る(Plugin Boutique) →
セールを待つか迷う場合は、プラグインの年間セールカレンダーも参考にしてください。
UJAMのVirtual Guitaristを含め、他のUJAM音源との使い分けをまとめた記事はこちらです。






コメントを残す