公式動画を聴いて最初に浮かんだのは、『クロノ・トリガー』の中で流れていそうな音でした。
AudioThing が2026年10月に出した新しいシンセ、Materia(マテリア)です。
読み込んだ音を細かい成分に分けて、鍵盤で弾ける楽器に作り直す、少し変わったシンセです。
私は持っていないので、公式の情報と動画を見て調べました。
先に結論を書くと、独特で面白い音だけれど、私は今の値段なら待つと考えています。
もう少し安くなったら、買ってもいいと思っているシンセです。
AudioThing Materia を Plugin Boutique で見る →
Materia はどんなシンセか
音は、高さの違ういくつもの細かい音(倍音)が重なってできています。
Materia は、読み込んだサンプルをその倍音に分け、最大96本の倍音の組として作り直すシンセです(AudioThing 公式)。
分けた倍音は、鍵盤で弾ける音になります。
公式は「加算合成のリシンセサイザー」と呼んでいて、倍音を足し合わせて音を組み立て直す仕組みです。

画面の左上が読み込んだサンプルで、右上の棒グラフが、分けた倍音の1本ずつです。
その下にフィルター、エフェクト、音の立ち上がりや消え方を決めるエンベロープ、鍵盤が並んでいます。
バージョン1.0は2026年10月12日に出ていて、発売から1か月もたっていない製品です(AudioThing 公式の更新履歴)。
Mac・Windows・Linux で使え、Logic で使える AU にも対応しています。

Plugin Boutique でも扱っていて、製品ページには体験版(Free Trial)の案内もあります。
倍音を1本ずつ動かして、音を作り変える
Materia の中心は、分けた倍音を1本ずつ触れるところです。
公式によると、倍音ごとに周波数・音量・位相を変えられます。

上の PARTIALS が倍音の棒グラフで、下の ENVELOPES が、その倍音が時間とともにどう変わるかの線です。
エンベロープは倍音ごとに128の点で描け、長さやループする範囲も決められます。
すべての倍音に同じ時間の動きをつけることも、Advanced Analysis で倍音ごとに別々の動きを持たせることもできます。

音の入っていない空の倍音を足して、そこから新しい音を描くこともできます。
解析した音はプリセットやプロジェクトに一緒に保存されるので、元のサンプルのファイルが無くても開き直せます(AudioThing 公式)。
公式の紹介動画では、読み込んだ音が弾ける楽器に変わっていく様子を聴けます。
フィルターと4つのエフェクトで仕上げる
作り直した音は、フィルターとエフェクトでさらに形を変えられます。
フィルターは、ローパス・ハイパス・バンドパス・ノッチ・フォルマントなど10種類です(AudioThing 公式)。

エフェクトは、RESONATOR・ECHO・PHASER・SHAPER の4つです。
RESONATOR は、パイプや板、ゴング、バネといった素材の響きをまねるエフェクトだと公式は説明しています。
ほかに、音を揺らすためのエンベロープ2つと LFO 2つもあります。
公式動画を見た感想:クロノ・トリガーに流れていそうな雰囲気
公式動画を見て、まず思ったのは「新しい製品だな」ということでした。
AudioThing には古い機材寄りの製品が多い印象があり、これまでは私の好みとは少し違っていました。
Materia は、そうした製品とは違う、新しい作りのシンセです。
音は、かなり独特です。
私のイメージでは、『クロノ・トリガー』に流れていそうな曲の雰囲気がありました。
動画の音のすべてが好みだったとは言えません。
それでも、好きな音もありましたし、ほかではあまり聴かない珍しい音がしていて、面白く感じました。
音の雰囲気は、公式の「Spectral Drift」の動画で聴けます。
ボカロの声を読み込んだら、どんな音になるか
私がいちばん気になったのは、ボカロの声を読み込んで、別の音色にする使い方です。
これは、面白そうだと思いました。
ただ、どのくらいのことができるのか、実際にどんな音になるのかは、自分で使ってみないと分かりません。
印象としては悪くなく、面白く使えそうですが、仕上がりは実験音楽に近いニュアンスになるのかな、と考えています。
もう1つ期待しているのは、サンプラーに近い使い方もできそうなところです。
読み込んだ音を鍵盤で弾けるという点では、Logic の Quick Sampler でボイスチョップを作るのと同じ方向の道具です。
サンプラーそのものを1つ足すならどれがいいかは、こちらで比べています。
サンプラーを1つ足すならどれ?|Quick Samplerだけで作ってきたボカロPが、Avenger 2・HALion 7・Falcon・Kontaktを調べて比べた
今の値段で買うか
今の値段なら、私は待つか、買わないかのどちらかです。
もう少し安くなったら、買ってもいいと思っています。
迷っている理由は、ボカロの曲で使ってどういう音になるかを試してみないと、自分の曲で使えるか判断できないからです。
一方で、サンプラーに近い使い方ができそうなところには、期待が大きいです。
公式には無料の体験版があり、45秒ごとに3秒音が止まることと、保存ができないことのほかは試せます(AudioThing 公式)。
ライセンスは3台のパソコンまで使え、iLok は要りません。
過去のセール
- 2026年10月(発売記念のセール):¥6,789(43%オフ・10月31日まで・Plugin Boutique)
AudioThing のほかの製品のセールの来かたは、miniBit のセールの記事にまとめています。
まとめ
Materia は、読み込んだ音を96本の倍音に分けて、弾ける楽器に作り直す新しいシンセです。
公式動画の音は独特で、私には『クロノ・トリガー』のような雰囲気に聞こえました。
ボカロの声から別の音色を作る使い方は面白そうですが、どこまでできるかは使ってみないと分かりません。
だから私は、今の値段なら待って、もう少し安くなったら買ってもいいと考えています。
読み込んだ音から、ほかでは聴かない珍しい音色を作ってみたい人に。
AudioThing Materia を Plugin Boutique で見る →






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