キックを前に出すプラグインには、大きく分けて2つの考え方があります。
キックに別の音を重ねて「足す」か、キックの音そのものを「直す」かです。
キックが前に出なくて困っていたころ、私が買ったのは足す方の Snapback でした。
でも今回 DECAP の KNOCK を知って、あのころの自分に勧めるなら KNOCK だと思いました。
この記事では、Snapback を持っているボカロPの目線で、2つの違いと、どちらがどんな人に向くかをまとめます。
KNOCK は持っていないので、そちらは公式の説明と動画を見た印象までです。
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先に結論:足したいなら Snapback、直したいなら KNOCK
2つの違いを表にすると、次のとおりです。
| 項目 | KNOCK | Snapback | 作り手 | DECAP(プロデューサー・サウンドデザイナー) | Cableguys | 考え方 | キックやドラムの音そのものを加工する | 鳴った瞬間に別の音を重ねる | 主な操作 | PUNCH・SATURATE・SUB・AIR・CLIP の5つのつまみ | TRIGGER で鳴った瞬間を決め、SNAPBACK と TRANSIENT の2つの層から重ねる音を選ぶ | 得意なこと | アタック・歪み・低音・高音・クリップを1画面でまとめて整える | キックやスネアに音を重ねて、手早く厚みを出す | 私の立場 | 持っていない(動画を見た印象) | 持っている(今は出番が減った) | PB の通常価格 | ¥25,970 | ¥8,540 |
|---|
どちらもキックを前に出すための道具ですが、手を入れる場所が違います。
Snapback は「元のキックはそのままで、上に何かを足す」、KNOCK は「元のキックの鳴り方を変える」道具です。
KNOCK は、キックの音そのものに手を入れる5つのつまみ
KNOCK は、プロデューサーの DECAP が作ったドラム用のプラグインです。
彼の人気のドラム素材集「DRUMS THAT KNOCK」の音を作るのに使った機能を、1つにまとめたものだと説明されています。

画面に並ぶつまみは5つで、それぞれ役割はこうなっています(PB と公式の説明より)。
- PUNCH:アタックを強くして、ドラムを歯切れよくする
- SATURATE:聞こえる音量をそろえたまま歪みを足す。soft・medium・hard の3つから選べる
- SUB:キックが鳴ったのを見つけて、低い音を重ねる。音の高さを曲のキーに合わせられる
- AIR:耳に痛くならないように高い音を足す。vintage と clean の2つ
- CLIP:音を割らずに強く押し込む。かかり方は硬め・柔らかめを選べる

SUB だけは低い音を足す機能ですが、ほかの4つはどれも、今鳴っているキックの音を加工するものです。
キックのトラックに挿して、その音を直接いじっていく形になります。
KNOCK のことは、今回まで知りませんでした。
DECAP の公式動画を見た印象は、UI がかなり好みで、つまみが少なくて分かりやすいということです。
オンとオフで音もしっかり変わっていて、使いやすそうに感じました。
Snapback は、鳴った瞬間に別の音を重ねる道具
Snapback は、私が持っている方のプラグインです。
買ったのは、キックがうまく前に出なくて不便だったころで、その対策でした。

仕組みは、ドラムが鳴った瞬間を見つけて、そこに用意された別の音を重ねるというものです。
重ねる音は、下に並んだ SNAPBACK と TRANSIENT の2つの層から選びます。
私は主に、キックにアタックを加えるのに使っていました。
昔はサビのキックに重ねて、キックの音を強くする役として入れていたこともあります。

KICK・SNARE & CLAP などの楽器ごとにプリセットがあるので、迷ったらそこから選べば音が変わります。
使い心地は、私にはかなり使いやすいものでした。
ただ、慣れてくるとキックも普通に前に出せるようになり、今は使う回数が減っています。
画面ごとの使い方や、私が使わなくなった流れは、Snapback の記事に詳しく書いています。
キックが前に出なかったころの私なら、KNOCK を選ぶ
今の目で比べると、あのころの自分に合っていたのは KNOCK の方だったと思います。
理由は、KNOCK がキックの音そのものに直接かけるプラグインだからです。
私がやりたかったのは「キックをもっと良い音にすること」でした。
Snapback は、あくまで音を付け足す、追加するという考え方の道具です。
使えば確かにキックは強くなりますが、私のやりたかったこととは少しずれていました。

キックの鳴り方そのものを良くしたいなら、直接音をいじれる KNOCK の方がまっすぐな答えだと感じます。
逆に、元のキックは気に入っていて、厚みだけ足したいなら Snapback で十分です。
KNOCK の値段は、正直かなり高い
気になるのは値段です。
KNOCK の PB の通常価格は ¥25,970 です。
1万7千円ほどに下がっていたとしても、私にはめちゃくちゃ高いと感じます。
キックで悩んでいた当時の私なら、この値段では手が出なかったと思います。
中身は有用だと思っているので、もう少し安ければ使いやすいのに、というのが正直なところです。
Snapback の方は通常価格が ¥8,540 で、KNOCK よりずっと手を出しやすい値段です。
なお、KNOCK の公式サイトには無料で試せる案内もあります。
高い買い物なので、自分のキックで音の変わり方を確かめてから決めるのが安心です。
どっちが向いているか
KNOCK が向くのは、今のキックの音に満足できない人です。
特に、私のように「追加して音を変える」のではなく、キックの音そのものを改良したい人には KNOCK の方が合います。
Snapback が向くのは、ドラムに音を重ねて厚みを出したい人です。
EDM のように重ねた音の厚みが大事な曲だと、さらに使いやすいと思います。
手早く厚みを足したいときには、今でも使える道具です。
どちらも要らない場合もあります。 アタックを足す道具には、Logic 純正の Enveloper のようなトランジェントシェイパーもあります。
私が Enveloper でアタックを足していたころの話は、トランジェントシェイパーはボカロPに要るかの記事にまとめました。
キックの音を最初から作り直すなら、キック専用の音源 BigKick の記事も参考になると思います。
まとめ:足すか、直すかで選ぶ
キックを前に出す道具は、「足す」か「直す」かで選ぶと迷いにくくなります。
私は足す方の Snapback を買って、確かに助けられました。
それでも、あのころの悩みに一番まっすぐ効くのは、キックの音そのものに手を入れる KNOCK だったと今は思います。
値段は高いので、まずは公式の動画や試用で、自分のキックがどう変わるかを聞いてみてください。
キックの音そのものを良くしたい人に。
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キックに音を重ねて、手早く厚みを出したい人に。
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