私がいまサイドチェインを使っている場所は、2つだけです。
ボーカルをきっかけにして、コード楽器のミッドを少し削ることです。
もう1つは、キックをきっかけにして、ベースを下げること。
どちらも、ボカロ曲のミックスで毎回のようにやっています。
使い始めたのは、プロの方の解説を見ていて「やったほうがいい」と知ったのがきっかけでした。
ただ、最初はコンプでかけていて、かかりすぎてちょうどいい加減が分からない状態が続きました。
このページでは、Logicでのサイドチェインのかけ方を、私の実際の画面で紹介します。
そのうえで、コンプからダイナミックEQやShaperBox 3に移って、何が楽になったかも書きます。
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サイドチェインは「きっかけ」と「下げる側」でできている
サイドチェインという言葉は難しく聞こえますが、やっていることは単純です。
ある音が鳴ったときだけ、別の音を少し下げる。
このとき、2つの役割があります。
合図を出す「きっかけ」の音と、合図を受けて下がる「下げる側」の音です。

私の場合、ボーカルがきっかけでコードのバスが下げる側。
キックがきっかけで、ベースが下げる側です。
Appleの説明でも、サイドチェインの音はプラグインを動かす合図として使われるだけで、その音自体は加工されません。
なので、ボーカルやキックの音が変わってしまう心配はありません。
Logicでの設定は、プラグイン右上の「サイドチェーン」欄から
Logicでサイドチェインをかけるときは、まず下げる側のトラックにプラグインを挿します。
そのプラグインの画面の右上にある「サイドチェーン」の欄で、きっかけにしたいトラックやバスを選びます。
Appleの説明では、ここで選べるのはオーディオトラック・ソフトウェア音源トラック・入力・バスの音です。
Logicの画面では「サイドチェーン」と表示されますが、意味はサイドチェインと同じです。

Logic純正のCompressorにも、この右上の欄と、画面右側の「Side Chain」のボタンがあります。
プラグインを買わなくても、サイドチェインは純正だけで試せます。
ひとつ気をつけたいのは、右上の欄で選んだだけでは効かないプラグインがあることです。
あとで紹介するPro-Q 4のように、プラグインの中でも「外からの合図を使う」に切り替える必要があります。
ボーカルをきっかけに、コードのミッドを削る(Pro-Q 4)
いま私がいちばん使っているのが、この形です。
コード楽器をまとめたバスにPro-Q 4を挿して、ボーカルをきっかけにします。

右上の欄では、ボーカルが通るバス(この画面では Bus 1)を選んでいます。
Pro-Q 4では、ミッドのあたりに広めのバンドを1つ置き、ダイナミックEQにしています。
こうすると、ボーカルが歌っている間だけ、コード楽器のミッドが少し下がります。
歌っていないところでは元の音のままなので、伴奏が痩せません。
FabFilterの説明でも、Logicではプラグイン画面の右上でサイドチェインのトラックを選び、そのあとPro-Q 4のバンドで外部サイドチェインに切り替える手順になっています。
この2つ目を忘れると、ボーカルではなくコード自身の音に反応してしまいます。
Pro-Q 4がどんなEQかは、FabFilter公式の紹介動画が分かりやすいです。
かける量は、本当に少しで十分です。
歌が入った瞬間に、オケがはっきり凹んだと分かるくらいだと、かかりすぎです。
私がPro-Qでこの使い方を始めたころの話は、EQプラグインのおすすめの記事に書いています。
ミックス全体の流れの中でどこでやっているかは、ボカロのミックスの手順にまとめました。
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キックをきっかけに、ベースを下げる(ShaperBox 3)
もう1つは、キックとベースのぶつかりを避けるための、いわゆるダッキングです。
これにはCableguysのShaperBox 3を使っています。

ベースのトラックにShaperBox 3を挿して、中のVolumeShaperで下げ方のカーブを描いています。
105Hzで帯域を分けて、低い側だけを下げているのがポイントです。
画面の下を見ると、きっかけはMIDIになっています。
私の環境のLogicでは、キックの音そのものをきっかけにするモードがうまく合わず、キックのMIDIを合図にしているからです。
MIDIでのダッキングの手順は、ShaperBox 3のレビューに詳しく書いています。
ShaperBox 3 レビュー|セールで買ったEDM用の多機能モジュレーター、結局ベースのダッキングだけ使っているボカロPの話
MIDIをきっかけにする使い方は、Cableguys公式の動画にもまとまっています。
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最初はコンプでやって、かかりすぎていた
いまの形に落ち着く前は、コンプのサイドチェインでやっていました。
キックの音をきっかけに、Logic純正のCompressorでベースを下げるやり方です。
ただ、当時の私には、これがうまく扱えませんでした。
下がりすぎて音が大きく揺れてしまい、どこで止めればちょうどいいのかが分からなかったのです。

コンプは、どこから下げ始めるか(Threshold)、どれくらい下げるか(Ratio)、どれくらいで戻すか(Attack・Release)を、つまみの組み合わせで決めます。
慣れないうちは、この組み合わせで狙った下げ方を作るのが難しく感じました。
それに、コンプはかかると、その音の帯域全体がまとめて下がることが多いです。
ベースならベース全体、コードならコード全体が沈んでしまいます。
帯域を絞れる道具のほうが、塩梅を取りやすかった
ダイナミックEQやマルチバンドのように、下げる帯域を絞れる道具に変えてから、ずいぶん楽になりました。
ベースのダッキングも、こちらのほうがかなりやりやすいと感じています。
コードのバスなら、ボーカルとぶつかるミッドだけを下げられます。
ベースなら、キックとぶつかる低い側だけを下げられます。
ぶつかっていない帯域は動かないので、下げても音が痩せにくい。
そのぶん、深くしすぎずに「少しだけ」で止めやすくなりました。
これから始めるなら、純正のコンプで十分
ここまで有料のプラグインの話をしてきましたが、最初からそろえる必要はありません。
サイドチェインを試したことがないなら、まずはLogic純正のCompressorで、キックとベースを分ける感覚をつかんでみてください。
そのときは、かけすぎていないかを気にしながら聞くのがおすすめです。
私のように「なんだか揺れすぎる」と感じたら、帯域を絞れる道具を考えるタイミングだと思います。
ボーカルをきっかけにしたダイナミックEQは、ボカロの声を前に出したい人に特におすすめです。
歌っているところだけ場所を空けられるので、伴奏を削りすぎずに、声の通りがよくなります。
キックとベースのダッキング用の道具を比べたいときは、Kickstart 2とShaperBox 3の比較も参考にしてください。
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