-12dB。
いま作っている曲で、ボーカルからリバーブへ送っているだいたい量です。
「リバーブはどれくらいかければいいのか」は、調べても「かけすぎに注意」「曲に合わせて」といった答えが多く、数字がなかなか出てきません。
この記事では、私がボカロの曲で実際にやっている送る量・場面ごとの変え方・かけすぎの見分け方を、数字のまま書いていきます。
サビ以外の歌のリバーブは、FabFilter Pro-R 2 で作っています。
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リバーブは挿さずに、センドで返している
ボーカルのリバーブは、基本的にセンドで返しています。
ボーカルのトラックに直接挿すのではなく、リバーブ用のバスを作って、そこへ送る形です。
セリフのような部分だけは、そのトラックに直接挿す(インサート)こともあります。

左がボーカル(重音テト)のチャンネル、右がリバーブを返しているチャンネルです。
ボーカルの「B 24」がセンドで、右の「vocal chorus」に ValhallaVintageVerb と Pro-C 3 が挿さっています。
なお、下に出ている -27.0 や -10.4 はフェーダーの値で、センドの量ではありません。
送る量は-10〜-15dB、この曲では-12dB前後
センドで送る量は、だいたい -10dB から -15dB のあいだが多いです。
冒頭の -12dB は、いま作っている曲での値です。
-10dB に近いほど響きがはっきりし、-15dB に近いほど控えめになります。
迷ったら、この範囲のまん中あたりから始めるといいと思います。
センドで返す場合、リバーブ側のミックス(原音と響きの割合)は いつも 100% にしています。
量はリバーブの中ではなく、センドと返しのトラックの音量で決める、という分け方です。
Aメロ・Bメロ・サビで、量をオートメーションで変える
1曲を通して同じ量にはしていません。
リバーブの返しのトラックを出して、Aメロ・Bメロ・サビごとに音量をオートメーションで書くことが多いです。

この画面では、Aメロ・Bメロ用の「vocal A/B」と、サビ用の「vocal chorus」の返しを、場面に合わせて出したり消したりしています。
全体にうっすらかけている「vocal plate all」だけは、ずっと一定です。
場面ごとに分けておくと、あとで「Aメロだけ響きすぎ」と気づいたときに、そこだけ下げられます。
さっきのセンド量は大体なので、基本リバーブでも音量は管理していますね。
返しにはコンプを挿して、歌っている間だけ響きを下げる
リバーブの返しのトラックには、Pro-C 3 も挿しています。
役割はリバーブのダッキングで、ボーカルをきっかけ(サイドチェイン)にしています。
歌が鳴っている間はリバーブがしっかり下がり、歌の切れ目で響きが戻ってきます。
こうしておくと、響きを足してもボーカルがぼやけにくくなります。

上は Pro-C 3 の画面で、右上の「サイドチェーン」の欄で、きっかけにするトラックを選びます。
Logic でサイドチェインをつなぐ手順は、Logicのサイドチェインのやり方にまとめています。
リバーブ側で触るのは、ディケイとミックスだけ
リバーブのプラグインの中は、ほとんどいじっていません。
使い慣れたプリセットを用意してあって、それを選んでからディケイ(響きの長さ)とミックスを調整するだけです。

VintageVerb なら、左上の MIX と、その右の大きな DECAY のつまみです。
センドで返すときは、先ほど書いたとおり MIX を 100% にしておきます。
プリディレイやダンピングなど、ほかにもつまみはたくさんあります。
それでも、量はセンドと返しのトラックで決めているので、リバーブの中で追い込む場所は少なくて済みます。
サビ以外は Pro-R 2、サビは VintageVerb
リバーブは2つ使っていて、曲の場所で分けています。
サビ以外は FabFilter Pro-R 2、サビは Valhalla VintageVerb です。
大サビでは、VintageVerb に Pro-R 2 も少し組み合わせて、響きを重ねています。

Aメロ・Bメロ用の「vocal A/B」の返しには、Pro-R 2 と Pro-C 3 が挿さっています。
サビ用の返しは、最初の画面のとおり VintageVerb と Pro-C 3 の組み合わせです。
Pro-R 2 がどんなリバーブかは、FabFilter 公式の紹介動画がわかりやすいです。
サビで使っている VintageVerb は、年代ごとの色(1970s・1980s・Now)でキャラが変わるリバーブです。
公式の動画で音の雰囲気がつかめます。
それぞれの使い方は、Valhalla VintageVerb のレビューと、リバーブの選び方に書いています。
かけすぎは、車の中で聴くと「ボーカルだけ浮く」
かけすぎに気づくのは、だいたい最後です。
2ミックスを書き出して車の中で聴くと、ボーカルだけ響きすぎて浮いて聞こえることがよくあります。
サビなら、多少響いていても気になりません。
困るのは Aメロ・Bメロで、歌が変に目立って、ボーカルだけが別の空間に置かれたような世界観になってしまいます。
そういうときは、Aメロ・Bメロの返しの音量を下げます。
場面ごとにオートメーションを書いてあるので、直すのはその区間だけで済みます。
反対に、オケに馴染ませようとしすぎると、今度はボーカルが引っ込んでしまいます。
「浮く」と「引っ込む」のあいだに収めるのが、リバーブの量の決め方だと思っています。
馴染ませる側の話(EQ やリバーブの統一)は、こちらにまとめています。
Logicでボーカルをオケに馴染ませるには?|PCのスピーカーで「浮いてる」と気づくボカロPが、まずリバーブをそろえる理由
まずは-12dB前後から始めて、場面ごとに下げる
リバーブの量に正解の数字はありませんが、出発点はあった方が決めやすいです。
私の場合は、次の順番で決めています。
- リバーブは挿さずにセンドで返す(セリフだけはインサートのことも)
- 送る量は -10〜-15dB、迷ったら -12dB 前後から
- リバーブ側はプリセットを選び、ディケイとミックス(センドなら100%)だけ触る
- 返しにコンプを挿して、ボーカルをきっかけにダッキング
- Aメロ・Bメロ・サビで返しの音量をオートメーション
- 最後は車で聴いて、浮いた区間だけ下げる
数字と順番が決まっていると、かけすぎたときにどこを戻せばいいかもすぐわかります。
ボーカル全体の流れは、ボカロのボーカルミックスの手順にもまとめています。
この記事で使っているリバーブ
Aメロ・Bメロの歌の響きを、プリセットから選んで手早く決めたい人に。
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Pro-R 2 のセールの傾向は、Pro-R 2 のセールページにまとめています。







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