Physion Mk II は、1つの音を「鳴った瞬間(アタック)」と「伸びて消えていく部分(余韻)」に分けて、それぞれに別のエフェクトをかけられる Eventide のプラグインです。
スネアの余韻にだけリバーブをかける、ディレイを鳴った瞬間にだけかける、といったことが1台でできます。
私はこの製品を、今回調べるまで知りませんでした。
公式の動画を見て、やっていることは分かったものの、¥25,300 なら今は後回しでいいというのが結論です。
Eventide Physion Mk II を Plugin Boutique で見る →
Physion Mk IIは、音を2つに分けてから別々に加工するマルチエフェクト
画面は3段に分かれています。
真ん中の段で音をアタックと余韻に分け、上の段がアタック用、下の段が余韻用のエフェクトです。

分けた2つは最後にまた1つに戻るので、片方だけ加工しても、元の音の形は残ります。
プリセットは500以上あり、まずはそこから選んで、どんな音になるかを聞くところから始められます。
Mk II になって、ピッチを和音のまま動かせるピッチシフト、逆再生のディレイ(Reverse Delay)、ダイナミクスのサイドチェイン、画面の大きさの変更などが加わりました。
対応は Mac(Intel・Apple Silicon)と Windows で、Logic で使える AU にも対応しています。
真ん中で分けて、上はアタック、下は余韻にかける
音を分けるのは「STRUCTURAL SPLIT」という段です。
緑の波形が鳴った瞬間の部分、青の波形が余韻の部分で、どこで分けるかを Focus のスライダーで動かします。

Source で元の音の種類(画面では「Piano/Synth」)を選べるので、楽器に合わせて分け方を決められます。
上の段の「TRANSIENT FX」は、アタックだけにかけるエフェクトです。
ディレイ、タップディレイ、ダイナミクス、フェイザー、リバーブ、ゲートと EQ、逆再生のディレイの7種類から1つを選びます。

下の段の「TONAL FX」は、余韻だけにかけるエフェクトです。
ディレイ、ダイナミクス、ピッチ、コーラス、リバーブ、トレモロ、EQ、逆再生のディレイの8種類から選びます。

公式の画面の例では、余韻の側にピッチをかけて、伸びている音だけに和音を足しています。
どの段もつまみは5つほどで、パラメーターが多すぎて迷う作りではありません。
公式の動画の印象:やっていることは分かる、ただ要るのかどうか
質問を受けて、Eventide の公式の動画を見てみました。
プリセットもそこそこあり、何をしているのかは動画を見ればすぐに分かりました。
パラメーターも多すぎないので、自分でも制御はできそうだと感じています。
ただ、見終わって最初に浮かんだのは「実際に、これが必要だろうか」という疑問でした。
アタックと余韻を分けてかけたいと思ったことは、今までなかった
スネアの余韻にだけ EQ やダイナミクスをかけられるのは分かります。
それでも、そこだけに分けてかける必要は、あまり感じませんでした。
ディレイをアタックだけ、余韻だけにかける使い方も同じです。
そこまで分けてかける必要はないと思いましたし、アタックと余韻を分けてエフェクトをかけたいと思ったことは、今まで一度もありません。
アタックの大きさを変えたいだけなら、トランジェントシェイパーという、アタックと余韻の音量を動かすエフェクトがあります。
Physion はそこから一歩進んで、分けた2つにまったく別のエフェクトをかける道具です。
Logic 純正の Enveloper でアタックを足していた話と、今はほとんど使っていない理由は、トランジェントシェイパーの記事に書きました。
ボカロの声なら、余韻だけの加工は面白いかもしれない
歌声合成の声にかけて、アタックだけ、余韻だけを加工する使い方は面白そうだと思います。
ただ、実際にボカロの声で使った例を見ていないので、良いかどうかの判断はしにくいところです。
動画で使っている例があれば面白いかもしれませんが、自分では使う場面を想像できませんでした。
¥25,300なら、今は後回しでいい
この値段で2万5,000円は、私には高く感じます。
正直なところ、自分の曲で使う用途が思いつきませんでした。
Eventide の公式には14日間の体験版があります。
気になる人は、まず手元の音源で、余韻だけにリバーブやピッチをかけてみて、ほしい音になるかを確かめるのが確実です。
Eventide のほかの製品のセールの来かたは、こちらにまとめています。
Eventideのセールはいつ?過去の値動きと買い時|飛び道具が好きなボカロPが、H910を半額でも「高い」と感じる理由
Physion Mk IIが合いそうな人・合わなそうな人
合いそうなのは、音の作り込みをしたい人です。
プリセットが500以上あるので、できることは多いと思います。
ただ、音の作り込みはそのぶん時間が増えます。
時間に余裕がある人でないと、使いこなしにくいと感じました。
反対に、アタックと余韻を分けたい場面が思い当たらない人は、私と同じく後回しで困らないと思います。

過去のセール
- 2022年9月:発売記念の価格で $99(通常 $179・10月31日まで)(出典:GEARNEWS)
まとめ:分けたい場面が先にある人のための道具
Physion Mk II は、音をアタックと余韻に分けて、それぞれに別のエフェクトをかけるプラグインです。
画面は3段で分かりやすく、プリセットも500以上あります。
私は、分けてかけたいと思った場面が今までなく、¥25,300 なら後回しにします。
ボカロの声の余韻だけを加工する使い方は面白そうなので、使っている例を見かけたら、また考えたいと思います。
時間をかけて音を作り込みたい人に。
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