伴奏が大きくなったところでだけ、ボカロの声の帯域を少し空ける。
私がふだん、Pro-Q のダイナミック EQ でやっている作業です。
Sonnox の Oxford Dynamic EQ は、こうした「必要な瞬間だけ効く EQ」です。
公式動画を見た私の結論は、Pro-Q を持っているなら要らない、持っていないならセールの値段で買っていい、です。
Oxford Dynamic EQ は持っていないので、ここに書くのは使った感想ではありません。
Sonnox 公式の説明と公式動画から読み取ったことに、ダイナミック EQ をよく使う立場からの見立てを添えています。
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Oxford Dynamic EQ はどんな EQ か
ダイナミック EQ は、音が大きくなった瞬間だけ、決めた帯域を下げたり上げたりする EQ です。
ふつうの EQ は曲の間ずっと同じだけ削りますが、ダイナミック EQ は耳につく瞬間だけ働きます。
Oxford Dynamic EQ は、イギリスの Sonnox が作っているダイナミック EQ で、バンドは5つです。
5つのバンドはそれぞれ、ふつうの EQ としても、ダイナミック EQ としても使えます。

Sonnox 公式は、ボーカルの歯擦音(サ行の耳につく音)や、きつい帯域を抑える使い方、目立たせたい音を押し出す使い方を挙げています。
各バンドは、左右まとめて(ステレオ)だけでなく、真ん中(ミッド)や左右の広がり(サイド)だけにかけることもできます。
Mac は macOS 10.12 以降で、Apple シリコンにも対応しています。
AU があるので、Logic Pro でもそのまま使えます(Plugin Boutique の動作環境より)。
認証には iLok の無料アカウントを使い、Sonnox 公式には体験版も用意されています。
ふつうの EQ との違いは、公式動画で音を聞き比べられます。
公式動画を見た感想:FabFilter に近い、見やすい画面
動画を見て最初に思ったのは、FabFilter の EQ に近い画面だということでした。
バンドの点を動かしてカーブを作り、動く幅を色の帯で見せる作りで、私にはほぼ同じに見えました。
UI はとても見やすく、使いやすそうです。
音の面でも、性能のいい EQ という印象を持ちました。
公式の画像では、ボーカルのトラックに挿して、2kHz より上の細い帯域を3つだけ下げています。

Onsets:音の立ち上がりで反応させる設定
Oxford Dynamic EQ ならではの設定が、Detect の「Onsets」です。
ふつうは音量が決めた値を超えたときに反応しますが(Peak)、Onsets は音の立ち上がりを見つけて反応します。
Sonnox は、ドラムや打楽器に向く設定だと説明しています。
Trigger の Above と Below では、決めた値より大きいときに効かせるか、小さいときに効かせるかを選べます。

伴奏がうるさいときだけ、ボカロの声の場所を空ける
2つ目の公式動画は、ボーカルの音を合図にしてシンセの EQ を動かす例です。
別のトラックの音を合図に効かせる仕組みをサイドチェーンといい、Oxford Dynamic EQ はバンドごとに外の音を合図にできます。
画面の左下にある SC と Ext のボタンで、合図にする音を切り替えます。

声が鳴っている間だけ、伴奏の同じ帯域が少し下がります。
ボーカルの音量を上げずに、言葉を聞き取りやすくする使い方です。
伴奏がうるさいときだけボカロの声の帯域を空けるのは、私が今まさにやっているやり方です。
今の EQ でこれができない人なら、Oxford Dynamic EQ でこの使い方をするのはありだと思います。
私は Pro-Q のダイナミック EQ で足りている
私の EQ は、基本的に FabFilter の Pro-Q です。
マッチ EQ は使っていませんが、ダイナミック EQ はかなり使っています。
下は、ピアノのトラックに Pro-Q を挿し、4000Hz あたりのバンドが、大きくなった瞬間だけ下がるようにした画面です。

だから、Pro-Q を持っている人に Oxford Dynamic EQ は要らないと思っています。
同じことが手元の EQ でできるので、2本目を足す理由が私には見当たりません。
Pro-Q 4 のダイナミック EQ は、FabFilter の公式動画で紹介されています。
Pro-Q 4 がどのくらいまで値下がりしてきたかは、FabFilter Pro-Q 4 のセールのページで見られます。
持っていない人には役に立つ、ただ古さは気になる
Pro-Q を持っていない人なら、Oxford Dynamic EQ は役に立つと思います。
セールの値段なら、買っていいと考えています。
ただ、私には少し古い製品に見えました。
今なら、もっと性能の高いダイナミック EQ もあるのかな、とも思ってしまいます。
ほかのダイナミック EQ と比べてから決めたい人は、4本を並べたこちらの記事が参考になります。
ダイナミックEQの選び方|Pro-Q 4を使うボカロPが、X-DynEQ・Nova GE・Smooth Operator Proと比べて「最初の1本」を決めた
Oxford Dynamic EQ は、Sonnox の大きな束の Core Studio Collection にも入っています。
束ごとの中身の違いはSonnox の束の選び方で、ほかの Sonnox 製品の値段はSonnox のセールのページで確かめられます。

過去のセール
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Oxford Dynamic EQ が向く人、要らない人
向くのは、ダイナミック EQ をまだ持っていなくて、伴奏から声を浮かせたり、きつい帯域を抑えたりしたい人です。
Pro-Q のようにダイナミック EQ が入った EQ をすでに使っている人には、要らないと思います。
ダイナミック EQ をまだ持っていない人に。
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ふつうの EQ もダイナミック EQ も、1本で済ませたい人に。
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